年平均15％伸長のパーソナルサプリメント市場　ファンケル「パーソナルワン」が選ばれる理由とは？

さまざまな分野で広がるパーソナライズサービス

　昨今、マス向けに大量生産された同一規格のものではなく、パーソナライズされた商品やサービスが注目されています。一人ひとりの肌環境に合わせてケアができるスキンケア、パーソナルカラーを生かしたメイクアップ、自身の髪質や頭皮の悩みに合わせてカスタマイズができるシャンプー＆トリートメントなどのビューティプロダクトを筆頭に、食事レシピ、エクササイズの動画コンテンツ、サプリメントをセットにした「ダイエットプログラム」を提供するサービスも登場しています。また、アパレルでは、顧客が専用体組成計に乗った生体情報をもとにし、精度の高いオーダースーツやシャツを仕立てるサービスがローンチされるなど、パーソナライズ市場はさまざまな分野で広がりを見せています。

パーソナルサプリメント市場は、年平均＋ 15％の成長市場

　健康意識の高まりを受けて、サプリメントにおいてもパーソナル化が進んでいます。

では、日本におけるパーソナルサプリメント市場の市場規模はどれくらいなのでしょうか？

富士経済のデータに基づくと、市場規模は2020 年から2022 年の3 年間で、年平均+15%成長となっています。

調査対象は、B to C の一般消費者向けサービスで、検査サービスとセットで提供されるパーソナルサプリメント、セット販売はないがパーソナライズを目的に検査を活用しているサプリメントとしました。形状は、食品・ドリンク類・錠剤・カプセルなどとし、生鮮食品、冷凍食材も対象範囲として算出しています。

出典：富士経済『Ｈ・Ｂフーズマーケティング便覧 2022 総括・パーソナライズ編』より

オーダーメイドサプリ「パーソナルワン」生みの親が語る、商品・サービスの魅力と今後の展望とは？

パーソナルワンは、サプリメントの最終形態

――― 開発の背景を教えてください。

三原「1994 年のサプリメント事業立ち上げから長年にわたって、ファンケルの

創業者である池森が『サプリメントの最終形はパーソナルサプリである』と目

標を掲げていました。ファンケルのオーダーメイドサプリ『パーソナルワン』

はファンケルのサプリメント事業25 年以上の研究技術やノウハウを結集した

サービスです。本来、必要な栄養素や量は一人ひとり違うはず。そこで、ご自

身の健康状態にあった適切なサプリメントを提供したいということから、この

サービスを開発しました」

――― パーソナルワンの売り上げについて教えてください。

三原「2020年2月に販売をスタート。まだ大がかりなプロモーションはしていませんが、2020年度は約3 億円、2 1年度は約7 億円と順調に売り上げを伸ばしています。『尿検査で栄養状態を見える化し、一人ひとりに必要なサプリメントを提案する』ということに対して興味・関心を持たれる方が多く、『自分の栄養状態を知って不足を補いたい』というニーズが高いです。また、コロナ禍での健康意識の高まりも追い風となったのではないかと推察しています」

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000929.000017666.html

想定になかったサプリメント初心者層が多くご利用

―――「 パーソナルワン」の特徴とは何でしょうか？

三原「さまざまなパーソナルサプリメントが市場にある中、『パーソナルワン』の最大の特徴は、食習慣や生活習慣のアンケートと、尿検査でお客様の健康状態を分析し、オーダーメイドで提供できる点です（上図を参照）。一人ひとりの健康状態を分析し提案するため、サプリメントの組み合わせは、種類や粒数も考慮すると10 億通り以上にのぼります。個人の尿検体を用いて評価するため、『納得度が高い』と多くの方からご好評をいただいております」

――― メインユーザーについて教えてください。

三原「40 代女性が最も多く、特に仕事などで忙しくて食事に気を遣うことが難しい方が多く利用されている印象です。また、サプリメントを摂り慣れている方だけでなく、当初は想定になかったサプリメント初心者層にも、多くご利用いただいています。お客様の声を聞いていると『毎日の食事で栄養バランスが摂れていない』など、食生活に『不』を抱えている現状が見えました。実際に利用した方の感想では、『自分に足りない栄養素を手軽に補えるのがよい』『栄養状態が整ってなんだか調子がよいみたい』といった声が多く聞かれました」

鉄と亜鉛は、疲れやすさ、運動パフォーマンスと密接に関わる

――― 他社にはない、ファンケルの強みは何でしょうか？

三原「『パーソナルワン』では、日本人に不足しがちな5 種のビタミン・4 種のミネラル・DHA の充足度を見ることができます。特に、ファンケルの総合研究所の開発技術により、『鉄』と『亜鉛』の充足度を尿検査で手軽に確認できることが最大の強みです。鉄と亜鉛は他成分と比較するとあまり注目されていませんが、不足すると疲れやすくなったり、運動パフォーマンスにも影響が出てしまいます。特に女性は貧血が心配ですが、ファンケルでは体内で蓄積している『貯蔵鉄』を測定しているため、健康診断の時には分からない『隠れ貧血』の傾向が見つかることもあります」

運動強度が高いアスリート向けにもパーソナル対応が可能に

――― 今後の展開は？

三原「今後は、ターゲットを細分化し、より尖らせた商品・サービスを展開していく予定です。例えば、2022 年5 月11 日から、アスリート向けのサービスを開始しました。アスリートは、日々ハードな練習に取り組むため、ビタミン、ミネラルの必要量が一般人と異なります。アスリート用の提案システムを新たに追加することで、『パーソナルワン』がアスリートのパフォーマンス向上に役立つことを期待しています。今後はアスリートに限らずさまざまなニーズに対応できるよう、さらに商品・サービスの幅を広げていきたいと思っています。また、日本に限らず、海外への展開も視野に入れています」