閉業した銭湯をクラフトビール&ハードサイダー醸造所に生まれ変わらせたい。注目の醸造家の奮闘記
HOPDOG BREWING合同会社の長谷川信と申します。ホップドッグブルーイングは、2022年10月、秋田県秋田市に設立された会社です。85年の歴史に幕を下ろし、2021年2月に閉店した秋田市最後の銭湯「星の湯」をリノベーションしてクラフトビール・ハードサイダー醸造所を立ち上げるために活動しています。
ブランド名のHOPDOG(ホップドッグ) とは、香りや苦味を作り出し、ビールの魂といわれる「ホップ」と、世界中の人から愛される「秋田犬」 を合わせた造語です。
コンセプトは、「秋田の原料を使った製品を、多くの人に届けることで、人生と食卓をもっと豊かにしたい!」
ドイツ留学時代に「日本の秋田から来た」というと「秋田といえば、もしかして犬か」と言われ、ものすごく驚いて、嬉しくなったことがあります。日本から9,000kmも離れたところで、秋田を知ってる人がいるなんて。そんな世界の人に知ってもらえる醸造所を目指します!
長谷川信について
宮城県気仙沼市出身。2002年秋田大学工学資源学部を卒業後、クラフトビール製造会社・株式会社あくら(秋田あくらビール)へ入社。入社後、製造補助業務に関わり、2008年より醸造責任者となりました。
《主な受賞歴》
2012年 ビアフェス東京2012で人気投票1位。東京都知事賞を受賞。
2015年 イギリスで開催された審査会「ワールドビアアワード」で金賞を受賞。
2017年〜2019年 インターナショナルビアカップで3年連続金賞受賞。
2021年 イギリスで開催された審査会「ワールドビアアワード」で金賞を受賞。
2022年 アメリカで開催された世界最大級の審査会「ワールドビアカップ」で金賞を受賞。
また、秋田県内や東北のビール製造業者でつくる団体で活動しています。秋田県内のビール・発泡酒事業者で組織する「秋田県麦酒醸造技術研究会」の副会長として、行政やマスコミとの調整を行ったり、各醸造所が連携してプロジェクトを進めたりするときのサポートをしています。
入社して17年、最初の頃は技術的に未熟でしたが、多くのお客様からの叱咤激励、ブルワー仲間との技術研鑽など、醸造技術だけでなく、社会人として様々なことを教えてもらった「秋田あくらビール」には感謝しかありません。
これからは、クラフトビール業界・支えてくれたお客様など関わっていただいたすべての方へ美味しい製品を造ることによって、恩返しができればと思っています。
85年の歴史に幕を下ろした銭湯が生まれ変わる。
今回、醸造所を立ち上げるにあたり、物件を探していました。もちろん排水や電気設備などのユーティリティが揃っている物件であれば、初期投資は少なくて済みます。
実際はなかなか工場跡みたいな物件はないのですが、一から作るのであれば、既存の施設の跡地がいいなと漠然と思っていました。それは、その場所での歴史やそこにいた人たちの思いを繋いでいけると思ったからです。
そんな中で、検索し始めて銭湯跡地のテナント募集を知ったとき、すぐに不動産屋さんへ連絡したのです。
全体的には歴史を感じられる建物ですが、中に入ったときの第一印象は、営業を終了してから1年以上経ってるのに非常に綺麗だな、と思いました。聞くと、廃業してからも大家さんが手を入れているとのこと。非常に大事に使われてきたんだなと実感。この場所でクラフトビール&ハードサイダーを造りたいという思いを強くしました。
タイル張りの浴室に醸造設備を導入、脱衣所は工場見学の受け入れる売店・試飲スペースに。番台はそのまま残し事務スペースになります。
銭湯は、コミュニケーションの場。人と人とのふれあいの場でした。この大切な場所を、多くの人に愛される場所、人と人がふれあえる、新たな出会いやコミュニケーションの発信地とすべく、リノベーションに着手。クラフトビール・ハードサイダー(※)醸造所として生まれ変わります。
※ハードサイダーとは、日本ではフランス語の「シードル(cidre)」という呼び名で親しまれている、リンゴなどから造る発泡性果実酒のことで、主にアメリカではソフトドリンクのサイダー(cider) と区別するために“ハード”を付けて呼ばれている。
秋田の横手産ホップを使用。ブルワリーのこだわりとは
僕たちのブルワリーの大きなコンセプトは秋田の原料を使用することです。
地元「横手産ホップ」を使います。
ビールに強烈な苦味や華やかな香りを付与し、泡持ちを良くし、殺菌作用があり、ビールに透明感を与えたりする「ホップ」は、ビールの味わいを決める重要な役割を持ち「ビールの魂」と呼ばれています。また、秋田県の地域産業資源に登録されています。
秋田県横手市では約50年前から本格的なホップ栽培が始まりました。栽培技術が高く、面積あたりの収穫量を毎年更新しつづける国内有数のホップ生産地です。
2021年3月、独自のルートからアメリカ産品種を入手し、20株の栽培を委託、3年目の本格収穫に向けて順調に生育しています。また、新規就農した若手農家グループとホップの品質評価、試作など意見交換しており、ホップの生産からクラフトビール、ハードサイダー(シードル)に製品化ときのホップ品質評価まで農家と二人三脚で行います。
若手農家と手を組み、需要と供給のバランスを取りながら、持続的なホップ産業の維持を目指しています。
(若手ホップ農家・美頭さんとホップ加工場にて)
こんなビールを作ります
様々な味わいを楽しめるのがクラフトビールの魅力です。
「HOPDOG BREWING」では通年作り続ける
『定番ビール』を2種類《IPA》《ヘイジーIPA》。
『ハードサイダー』を2種類《スイート》《ドライ》。
そして季節限定のビールを春夏秋冬それぞれで製造する予定です。
秋田県には、リンゴをはじめ、ラズベリー、梨、ぶどう、さくらんぼ、桃などが収穫されています。ほおずきやマルメロなどにも挑戦したい!
秋田県産原料100%のクラフトビールもぜひ造りたいと思っています!
日々楽しめるのはもちろん、特別な日に味わってもらえるような製品づくりを目指しています。製品形態は『缶』と『樽』を計画しています。
フレッシュな樽ビールは飲食店、ご自宅や贈り物に缶ビール、どこでもクラフトビール・ハードサイダーお楽しみいただけます。
最後に
多くの皆様に支えていただいて、いろいろな経験をさせていただきました。
その経験や技術を伝えていきながら、より豊かなビール文化を作っていきたいと自分のブルワリーを立ち上げることに決めました。
「美味しいビール/サイダー」を造って多くの人たちに届けたい。
その美味しさの中に「秋田の素材や風土」を感じてもらいたいと思っています。
ブルワリーを立ち上げるためには大きな資金と、そしてなにより皆様のご支援が必要です。
少子高齢化の先を行く秋田県ですが、自然と人の温かさ、豊かさがある場所です。
多くの人たちに訪れてほしい。
そして次の世代にこの場所を残していきたいと強く思っています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
HOPDOG BREWING 代表 長谷川 信
クラウドファンディングについて
私たちは、銭湯「星の湯」をリノベーションして、クラフトビール・ハードサイダー醸造所の設立するための資金をクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」にて募集を開始しました。募集期間は2023年1月12日(木)~2月24日(金)で、募集金額は300万円を目指します。
詳細・支援はこちら URL:https://camp-fire.jp/projects/view/640711
【会社概要】
社名:HOPDOG BREWING合同会社
本社所在地:秋田県秋田市南通みその町6番27号
代表社員:長谷川 信
事業内容:酒類製造業:クラフトビール・ハードサイダー製造販売
設立:2022年10月
Facebook:https://www.facebook.com/hopdogbrewing.jp/
連絡先:090-6250-6372(担当:長谷川)
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