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大幅な軽量化とマルチスポーツ対応から、ワークアウトのパートナーに。”G-SHOCK”「GBD-H2000」開発の裏側。

著者: カシオ計算機株式会社

2023年3月10日、カシオ計算機株式会社(以下、カシオ)は、耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”のスポーツライン“G-SQUAD(ジースクワッド)”の新製品を発売した。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000265.000040622.html


マルチスポーツ対応の機能性を備えながら、装着性を考慮し軽量化を図った『GBD-H2000』(4モデル)である。今回、本商品の魅力を伝えるべく、発売に併せたメディア向け発表会も行われた。本ストーリーでは、この発表会で企画開発統轄部の小島一泰と吉井正勝が語った、商品開発に込められた想いや奮闘の軌跡をご紹介する。


(左から、小島一泰、吉井正勝)

「G-SHOCK」のタフネスさに、ワークアウトでの便利さを。進化を続けてきた「G-SQUAD」

「Absolute Toughness」をテーマに、「G-SHOCK」は1983年の発売開始から独自の耐衝撃構造で時計の常識を覆してきた。


そのタフネスさはそのままに、ワークアウトに役立つ強さと機能を搭載してきたのが、同ブランドのスポーツライン「G-SQUAD」だ。2017年12月に発売された「GBA-800」を皮切りとして、様々なラインナップを展開している。機能面でも、スマートフォンとの連携、歩数計の搭載など、スポーツや運動をより身近に感じてもらえるモデルとして評価されてきた。


初期モデル「GBA-800」の発売から3年後の2020年には、「GBD-H1000」を発売。前モデルから、心拍数を測定できる光学式センサー、位置情報を取得するGPS機能などを搭載し、進化を続けてきた。

徹底的な小型・軽量化への挑戦。多くの試行錯誤と、コンマ1ミリ単位へのこだわり。



そして、今回発売された「GBD-H2000」。コンセプトは、「タフな自分になるためのワークアウトをサポートする」だ。注力したポイントについて、小島は語った。


「装着性向上を目指し、小型軽量化に注力しました。運動をサポートするG-SQUADとして、腕の動きを妨げないサイズ感、重さ、装着性は、重要な要素です。実現のために、あらゆることへ取り組みました。」


幅広いスポーツシーンに役立つGPS機能と6つのセンサーを搭載しながらも、従来モデルに比べ、質量を38%軽量化。大幅な軽量化の実現は、素材や形状の見直しによってなされた。


開発の初期、基幹部品であるGPSアンテナの見直しから始めたという。これまでのGPS搭載のモデルはサイズの大きいものが多かった。そのため、大きさのイメージを払拭すべく、スポーツシーンにおける快適な着け心地の実現を目指したのだ。

もちろん、以前までのモデルが大きかったことには理由がある。従来のGPSアンテナは、風防ガラス周りのステンレスベゼルと兼用していたのだ。GBD-H2000では、そのGPSアンテナを薄型化し、内蔵することで軽量化とダウンサイズを実現した。


ソーラーセルの小型化にも成功。ガラスのオープニングを小さくし、時計上面の形状をより腕に馴染むデザインにすることで、袖口への引っかかりが低減している。より運動に集中できるフォルムとなった。


また、小型・軽量化への追求は見えないところにも反映されている。前モデルより多層の基板を採用し、基板面積を縮小。また、厚さという側面では電池を薄型化。MIP液晶とソーラーパネルもコンマ何ミリという単位で可能な限り削ったという。


「ギリギリまで内部の部品を薄型化させ、”できる限り”を実現した」と小島は振り返る。


今回の小型軽量化の実現に際し、難航を極めたのが、裏蓋の開発だったという。

心拍数を計測するハートレートセンサーを搭載していることから、耐衝撃性能をクリアする裏蓋に手を加えて軽量化することは難しい。何度もトライアンドエラーを繰り返しながら、最終的には新開発のカーボン繊維強化樹脂バックを採用し、サイズのバランス等を調整することで実現した。

スポーティーさと実用性を叶えた「クロスフレームデザイン」の実現

「GBD-H2000」のデザインコンセプトは、「クロスフレームデザイン」だ。ベゼル周辺やサイドボタンに、シューズやヘルメット等に見られる骨格をなすようなパーツを採用し、フレーム状のデザインとなっている。これは、ランニングで使用するシューズやギアに見られる構造で、軽量感があり、スポーティーなデザインとなった。


また、上面の蒸着パーツに微細な引き加工を施している。単なる蒸着ではなくて、角度によってその輝きが変わるようなデザインに仕上げた。



装着性向上のために、バンドのデザインにも工夫があると小島は続けた。


「『G-⁠SHOCK』は通常、時計下部への衝撃を和らげるためバンドの付け根部分を固定することが多いですが、今回は心拍数を測るハートレートセンサーの追従性を増すため、バンドの付け根の角度が変化する構造としました。これにより、腕の太さなど、状況によって生じた変化に追従することを可能にし、装着性が向上しています。」


GBD-H2000ではセンサーを通じて心拍を感知するため、裏面のセンサーを肌に接触させてデータ取得を可能としている。より正確に感知するためには、バンドの締め付けをきつくする必要があるものの、締め付けすぎてしまうと、運動を妨げることになる。多くの試行錯誤を重ね、最適なバランスに仕上げることができたという。


さらに、地球環境への配慮も怠っていない。ベゼルとケース、バンドには、トウゴマの種やトウモロコシから抽出した成分を含むバイオマスプラスチックを採用した。同素材は、再生可能な有機資源由来の物質を原料に使用し、CO2削減に効果が期待されるなど、循環型社会の実現につながる素材として期待されている。

(トウゴマの種やトウモロコシから抽出した成分を含むバイオマスプラスチックを採用)

マルチスポーツに対応し、各種データ計測と分析が可能に

「GBD-H2000」では、時計単体で各種計測や分析を行い、データを表示する。しかし、対応アプリ「CASIO WATCHES」と連携することで、アクティビティの記録や、分析結果のフィードバックをより詳細に確認することが可能だ。


機能面に関して、吉井は大きく2つのポイントがあると話す。1つはマルチスポーツ対応であるということ。三大ワークアウトであるラン、バイク、スイムを含む計8種のアクティビティに応じたデータ計測が可能だ。


ランやバイク、オープンウォータースイミングなどに関しては、GPSにより、距離やペース、速度などを計測可能としている。また、ウォーキングやジムでのワークアウトにも対応し、HIITトレーニングなどに便利なインターバルトレーニング用タイマーも搭載。

プールスイミングでは、水を掻いた回数をさすストローク数の計測や、ターンの判定、バタフライや背泳ぎ等の泳法の判別など、詳細なデータ取得が可能だ。


なお、測位機能に関しては、GPS以外に、GLONASS、みちびきの他、新たにGALILEO、BEIDOUを加えたマルチGNSS対応となった。さらに、L1だけでなく、L5という二つのバンド信号を受信することにより、より精度の高い位置情報取得が可能となっている。


2つ目の大きな特徴はアクティビティ後のトレーニング分析である。その中でも、特徴的な機能は、使用エネルギー源の計測機能だ。


ワークアウト中に消費したカロリーの中で、脂肪・炭水化物・タンパク質の各エネルギーをどの程度使用したかがパーセントで表示される。運動強度によって、使用されるエネルギーは変動するという。


「例えば、よく脂肪燃焼には有酸素運動が効果的と言いますよね。実際、運動強度を上げすぎず適度な有酸素運動を行った方が脂肪の使用比率が多いという結果をGBD-H2000を使って確認することが出来ます。」


(消費エネルギー分析。各エネルギーをどの程度の割合で消費したのかを、把握可能。)



また、トレーニングの分析だけではなく、睡眠による回復度を計測する「ナイトリーリチャージ」という機能も搭載している。ワークアウトなど、日中で受けた負荷から心身が、睡眠によりどれだけ回復したのか、確認が可能となっている。

(睡眠分析のイメージ。睡眠でどれだけ回復したのか、把握することができる。)


この機能では、分析結果を単に数値として出すだけでなく、分かりやすい形でフィードバックしてくれる。対応アプリ「CASIO WATCHES」では、その日のヒントとして、ワークアウトや睡眠に関するアドバイスを確認し、普段の生活に活用することができる。

ポラール・エレクトロ社にとって初。分析機能を支えるアルゴリズム提供

上記のトレーニング分析や、睡眠計測に関しては、ポラール・エレクトロ社との取り組みにより実現した。ポラール・エレクトロ社は1977年にフィンランドで設立され、フィットネス、スポーツ、健康領域におけるパーソナライズされたアドバイス機能を研究開発してきたメーカーだ。


吉井は、長らく同社をリスペクトしていたという。トレーニングを正しい形でサポートするには、彼らが持つような科学的に裏付けられた信頼性の高い分析が重要だ。


そんな背景から、今回はカシオからポラール・エレクトロ社へコンタクトを取ったという。会話を重ねる中で、「グローバルに認知度の高いG-⁠SHOCKに搭載されるのであれば」、と快く了承してもらった。


ポラール・エレクトロ社にとっても、アルゴリズムを提供するのは初めて、社外への提供体制を新たに構築したという。これは双方にとって大きな出来事となった。


トレーニング分析に関しては、使用エネルギー源以外にも、ランニング時の最大酸素量(ランニングインデックス)でフィットネスレベルを確認したり、ワークアウトの時間や激しさから心肺にかかった負荷(カーディオ負荷)を算出してくれる。またこれまでのカーディオ負荷の推移から現在のトレーニング状況をカーディオ負荷ステータスとしてフィードバックしてくれる。

ワークアウトの頼れるパートナーとしてあり続ける。お客様の使い勝手に注力していく。

今回、大幅な小型軽量化、マルチスポーツ対応、トレーニング分析の充実など、多くのアップデートがあった「GBD-H2000」。今回のGBD-H2000は、ライフスタイルの一部としてスポーツを行っている方やスポーツを取り入れようと考えている方の頼れるパートナーとして、さらに進化して登場した。


これらは全て、開発時に考え続けている「お客様視点の使い勝手の良さを追求し製品に落とし込んだ結果」だと小島は語る。そして、今後もこの考え方をぶらさずに開発を進め、精度を高めていく予定だ。



【GBD-H2000】各製品ページ

カラーのコンセプトは「フローラセントフュージョン」

カラーバリエーションは、4色揃えています。


GBD-H2000

https://gshock.casio.com/jp/products/g-squad/gbd-h2000/

 

GBD-H2000-1A

https://www.casio.com/jp/watches/gshock/product.GBD-H2000-1A/

GBD-H2000-1A9

https://www.casio.com/jp/watches/gshock/product.GBD-H2000-1A9/

GBD-H2000-1B

https://www.casio.com/jp/watches/gshock/product.GBD-H2000-1B/

GBD-H2000-2

https://www.casio.com/jp/watches/gshock/product.GBD-H2000-2/





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