府中家具と熊野筆の夢のコラボから誕生した、新感覚の孫の手「ネコ型スクラッチャー」の開発ストーリー
創業75年の歴史を誇る府中家具メーカーの土井木工株式会社(所在地:広島県府中市府川町)は、広島県を代表する伝統工芸品である熊野筆の製造メーカーの株式会社晃祐堂(所在地:広島県安芸郡熊野町)と共同開発した「熊野筆の技術で作った『ネコ型スクラッチャー』」の販売を開始しました。
筆を作り続けて45年の晃祐堂と、家具を作り続けて75年の土井木工のコラボレーションから「オリジナル化粧筆」が開発されたのは2015年のこと。江戸時代から続く広島県を代表する伝統工芸品として知られる熊野筆の化粧筆と府中家具の遺伝子が出会うのは必然でした。
そしてこの度、2022年発表の「ネコ型ボディブラシ」に続いて、第2弾のコラボアイテム「ネコ型スクラッチャー」が誕生。
このストーリーでは、土井木工株式会社で設計を担当した土井健嗣が、開発の経緯と工程、そこに込められた職人の技について語ります。
熊野筆と木の魅力を多くの人に伝えたい
土井健嗣(ドイケンと呼んでください)
・1986年1月13日 広島県府中市出身
・盈進高校卒業(2022年に48年ぶりに甲子園に出場!)
・日本大学大学院理工学研究科建築学専攻
・大学院修了後、一級建築士事務所 山本理顕設計事務所 勤務
・土井木工株式会社入社後、2015年より株式会社晃祐堂の化粧筆を使ったボディブラシやシューズブラシ等の設計制作に携わる。
・インターナショナルギフトショーにて株式会社晃祐堂と共同出店。ブースデザインも担当する。
・2020年 株式会社晃祐堂と共同開発した熊野筆が伝統的工芸品産業振興協会主催の伝統的工芸品公募展にて入選作品に選出される。
熊野筆の技術と府中家具の技術が新たなプロダクトを生み出した!
かゆい、かゆい!そんな時ってありますよね!
そうだ、孫の手作ろう!
ふとプロダクトをデザインしている時に閃きました!晃祐堂さんにブラシを作ってもらって孫の手につけたら面白いんじゃないかと!早速試作品を作ってみました!
がしかし、初期型は熊野筆の化粧筆にも使われる山羊の毛や、馬の毛、リスの毛を使ってみたのですが、柔らかすぎるせいか、かゆみがとれませんでした。
そこで晃祐堂の土屋社長にアドバイスを求めに熊野町へ!
そして土屋社長から驚きの一言が!
「豚さんの毛っていいんじゃない?豚さんって枝毛だし!かゆみとれそう!」
!?
豚さんって枝毛なんですか?
聞くところによると豚さんの毛はほとんど枝毛になっていることが特徴の毛で、基本的な油絵の筆は全て豚毛が用いられるようです。他の動物の毛に比べて弾力性が高いそうです。
また脂肪分が多く、張力も弾性も強い豚さんの毛は工業用ブラシの良質な原料にもなるそうです。細く柔らかい豚さんの毛は筆を作るのに適しているようです。
知らなかった!!
早速作ってみよう!
今回も肉球をイメージしてデザインしていきました。
ボディブラシの肉球は「掌球」と呼ばれる大きい肉球のブラシをメインブラシとして機能していましたが、孫の手スクラッチャーは、「指球」と呼ばれる小さい方の肉球ブラシをメイン機能として採用しています。
孫の手スクラッチャーの「掌球」は今回は木部と一体化して製作しました。肩を揉みほぐせるように使えるために丸くしています。よくゴルフボールが付いた孫の手がありますよね!
晃祐堂さんのオールハンドメイドの魂がこもったモノづくり
熊野筆ってどうやって作っているか気になりますよね。
化粧筆の製作工程は細かく分けると約30工程あるのですが、今回の孫の手のブラシは豚さんの毛を使っているのと、小さい穂首(ブラシ)なので工程が多少異なります。
先の説明で豚さんの毛は油絵用の筆に使われていると申しましたが、晃祐堂さんもその昔、油絵用の筆を製作している時期があったようです。
その時の経験から今回の穂首の作り方を新たに考えました。
■寄せ
厳選された豚さんの毛をこの作業で均等に束ねていきます。
小刻みに振動する作業台で毛を束ねて振動させると空気を混ぜながら不思議と均等にまとまっていきます!化粧筆もこの作業を施します。穂首(ブラシ)の質が決まる最初の作業です。
■コマ立ての準備
銀色の筒に束ねた豚さんの毛を入れていきます。
次の工程「コマ立て」の準備です。
■コマ立て
コマ(灰色の樹脂の筒)と呼ばれる治具を使って穂先の形状を整えていきます。振動する作業台の上にコマを置き、毛を入れ細かい振動を与えながら全ての毛がコマに馴染むようにします。コマ自体もブラシの用途や形状にあわせて一つ一つオーダーメイドで製作しています。
■コマから取り出せば完成です!
コマから取り出せば穂首(ブラシ)の完成です。
今回は化粧筆より穂首が小さいのでとても繊細な作業で、これら全ての工程が手作業です。晃祐堂の職人の魂がこもっています。
それでは次にボディブラシの木部の製作工程を見ていきましょう!
木部には世界三代銘木が使われている?
※土井木工のブランド「AUTHENTICITY」のシリーズのソファやリビング家具
土井木工の家具は主にアメリカの五大湖周辺で採れる良質な紅葉樹のブラックウォルナットの無垢材を使用しています。主にソファやテーブルを作っていますが、そのウォルナットでスクラッチャーを作りました。
ウォルナットはチーク、マホガニーと並び世界三代銘木として広く知られている木です。高級感はもとより、自然を感じ温かみのある天然素材です。
※アメリカ五大湖周辺の製材所にて巨大なウォルナットとプロジェクト発案者のドイケン。
ブラックウォルナットはアメリカの五大湖周辺の製材所に定期的に直接買い入れに行っています。昨今の社会状況でアメリカには行けてないのですが、今年は渡米したいと思っております。
写真は現地の木こりさんにポーズをとれ!と言われてポーズをとっている孫の手設計者のドイケンです。アメリカっぽいですよね。
土井木工は直接見て触った良質なウォルナットを皆様にお届けします。
ドイケンは3Dが得意です!
晃祐堂さんの化粧筆やボディブラシは建築用CADソフトで3Dモデルを作りながら設計しています。建築学科や建築事務所で得たスキルをふんだんに使ったオリジナルのデザインです!持ち方や曲線美にこだわり、機能とデザインの融合したプロダクトを心がけています。
3Dが完成したらCAM(Computer-aided manufacturing)と呼ばれるシステムで3Dから加工データ(G-code)へと変換させます。CAMはマスターキャムを使用しています。
次に、加工データ(G-code)を機械に取り込み、CNCマシン(Computerized Numerical Control Machine)で加工していきます。手作業や木工旋盤では不可能な加工も実現可能です。
荒削りの加工プログラムと、仕上げの加工プログラムと2段階の加工工程で削っていきます。1本削り終えるのに20分ほどかかります。
CNCマシンはカービングマシンと呼ばれています。けん玉や楽器のパーツなども作っている会社もあります。土井木工の近所にある上場会社「株式会社 北川鉄工所」のオリジナル開発された木工マシンです。
穴を開けるのもプログラムを構築して加工していきます。
加工が終われば木を磨いていきます。この作業は機械ではできず職人の手に委ねられます。回転している紙やすりに絶妙な力加減で木部を当てます。一部だけ当てるとその部分だけ削れていくので形が崩れていきます。熟練の職人しかできない絶妙な作業です。まさに人間コンピュータ!
仕上げの塗装はオイル塗装を施します。植物性由来の油を塗るので、肌に触れても木の温かみを感じることができる自然塗装です。
ネコ型スクラッチャーは府中家具らしく高級木箱に丁寧に梱包してお届け予定です。
中央にはネコ型の公式ロゴマークをレーザー彫刻機で刻印しました。
高級感溢れ、贈答品としても相応しく企画しました。
【ネコ型スクラッチャーの特徴】
熊野筆を代表する晃祐堂の技術で作った豚さんの毛のブラシが付いた新感覚の孫の手。
3Dで肉球をモデリング。洗練された機能とデザインを実現。
高級家具にも使われる世界三大銘木ブラックウォルナットをスクラッチャーの木部に採用。
【商品お問い合わせ先】
会社名:土井木工株式会社(DOI FURNITURE MFG.LTD.)
Makuake担当者:取締役専務 土井健嗣
本社:〒726-0004 広島県府中市府川町57-1
TEL:0847-46-3211
詳しい情報、新しい情報はWebサイトを中心に随時更新していきます。ご覧ください。
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