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新しい暮らしの価値を未来へつなぐ。時代の変化を読み取り、暮らしやすさを突き詰めた新モデルハウス「創業60周年。感謝と挑戦を胸に」商品編(3)

著者: パナソニック ホームズ株式会社

パナソニック ホームズは2023年、創業60周年を迎えました。工業化住宅の商品開発者たちに受け継がれる熱い想いや、お客様の憧れを形にする設計者たちの取り組みを全6回でご紹介します。

第3回目は、60周年を記念して発売された戸建住宅の最上位商品NEW『カサートプレミアム』の提案例として大阪府箕面市にオープンしたモデルハウスの設計者が込めた想いをご紹介します。

左から 井本 裕治、戸部 雅司、株式会社ナテックス 今野 信一郎

コロナ禍で変化した家族の新しいつながり方

パナソニック ホームズは3月26日、60周年を記念して戸建住宅の最上位商品NEW『カサートプレミアム』の新モデルハウスを箕面展示場にプレオープンしました。設計にあたっては、長年追及してきたパナソニック ホームズの家づくりテーマ、“強さ”と“暮らしやすさ”にさらに磨きをかけ、暮らし方の変化に合わせてどのように表現するかが問われました。


設計を担当したエキスパートデザイナーの戸部 雅司(戸建建築設計室 室長)が、まず心に留めたのが、コロナ禍に伴う家の中での暮らし方、すなわち家族の関係のあり方の変化です。「職場や学校に行っていた父親や子どもが家で過ごすようになって、当初は共に過ごせるのが良いと感じていたものの、だんだんとそれぞれの居場所が確保できないことへの気づきや、逆にぎくしゃくとした関係になるケースも見受けられました。家の中で家族がそれぞれの気配を感じながらも、自分の心地よい空間を確保できる、緩やかなつながりを家の中で表現できないだろうかと考えました」。そこから新モデルハウスのキーワード「つなぐ」が生まれます。


「光の回廊」が生み出す余白

「緩やかなつながり」を生み出す前提として、そもそも家で過ごす時間が増えた今、従来のモデルハウスでは当たり前だった大きなリビングの空間上部を吹き抜けにするというデザインについても再考の余地が出てきました。「より多くの時間を過ごすようになった家での居心地を考えると、天井はそもそも、もっと低い位置にあった方が落ち着く」ことからリビングダイニングなどの座る場所は吹き抜けではなく、通常の天井高にすることにしました。

戸部は、周囲の通路空間を取り込み、リビングダイニングキッチン(LDK)の領域を確保しながらゆとりを生み出し、その通路の上をスリット状の吹き抜けにすることを思いつきます。この通路部分は、いわば「余白」であり、LDKそのものの広がりとなり、上下階のつながりにも生かされています。


「光の回廊」イメージ図



今回の設計にあたった2人のうちの1人、エキスパートデザイナーの井本 裕治(戸建建築設計室)は、戸部から1階ダイニング脇の通路空間にあえて吹き抜けを設けたプランを初めて見せられた瞬間、上部からの光が降り注ぐ空間とダイニング部分の陰影の差を感じ取り「光の回廊」という言葉がフッと浮かんだそう。実際に完成前のモデルハウスでも「吹き抜けからの光に導かれるように“見えない廊下”が現れたように感じられ、文字通り「光の回廊」を体感することができました」と言います。


この「光の回廊」という空間設計を可能とするのは、NEW『カサートプレミアム』の頑強な制震鉄骨軸組構造や、室内どこでも均一な空気を巡らす全館空調システム「エアロハス」、縦に連なる大開口の設計を可能にする建物の優れた断熱性能を備えた住まいだからこそ、と言えます。

個々の居場所を確保しながら、気配を感じる

L字型の回廊は、居室をつなぐ“余白”を生み出す仕掛けであり、リビングからダイニング、1階から2階が相互に影響し合うことで一体感と適度な距離感を生んでいます。つまり「部屋は個々に独立しながらも、回廊が吹き抜けていることによって、上下左右の空間が交差するように家族それぞれが過ごす気配を感じられます。一方で、視線は緩やかに遮られるため、一人ひとりがリラックスできる空間を生み出しています」と戸部は語ります。まさに、これこそがコロナ禍を経て家族の関係や暮らしのあり方の変化に伴って表現しようと挑戦した空間そのものであり、当初掲げたコンセプトが生きる「緩やかなつながり」のある空間設計なのです。光や風が柔らかく降り注ぐ吹き抜けのある回廊からは、家族だけでなく、自然との心地よいつながりも感じることができます。

  

      「光の回廊」光がふりそそぐ通路


L字型に配置された「光の回廊」イメージ図

1階と2階をつなぐ「ステージ階段」

NEW『カサートプレミアム』の新モデルハウスには、もう一つ「つながり」を感じることのできるスペースが設えられています。それが、階段途中に設けられた「ステージ階段」です。ステージ階段からは、1階のリビング、ダイニングキッチンを間近に見下ろすことができ、2階の気配もより間近に感じることができます。「通過点でしかなかった階段を上下階の中間領域と考え、つながりを意図しつつ、構造的な強さを生かしたユニークなスペースです」と井本は言います。この「ステージ階段」は、グリーンを配したくつろぎのコーヒースペース、気分を変えて勉強や仕事に集中するスペースなど多彩な用途が考えられます。「ステージ階段」下の空間は、収納庫としてスペースの有効活用にも配慮しています。


 ステージ階段


井本は「周りを要塞のように囲まれた狭い空間から、広いところを見下ろすと人は安心感が得られ、心が落ち着きます。私はこれを“洞窟理論”と名付けているのですが、主寝室から庭を見下ろせるようにしているのも同じ理屈で、様々な箇所にそのような見え方のする場所を仕込んでいます」と語ります。


「光の回廊」の幅については、内と外のつながりを感じながらも、2階からも1階の気配を感じられる適度な幅、また「ステージ階段」については、1階のダイニング、リビングとの距離感、2階の床がどの程度迫って見えるかをふまえた適度な高さについても議論を重ね、廊下幅は135センチ、ステージ階段の1階からの高さは110センチに決められました。

自然との共生を考え、内と外が一体化

NEW『カサートプレミアム』のモデルハウス内のリビングに置かれたソファの向きにも、自然とのつながりが表されています。従来、ソファはテレビ側やキッチン・ダイニング側に向けるのが一般的ですが、新モデルハウスでは窓側に向いており、外の木々が眺められるようにしているのです。「昔の日本の住宅は障子や縁側によって、家族同士や外の自然とも、緩やかにつながっていたと思います。」と井本。

コロナによるパンデミックとともに近年の社会の変化で言えばSDGsへの意識の高まりが挙げられます。戸部も「自然との共生を考えたときに、むしろ外の樹木が主役になると考え、外の樹木の緑が家の内側に流れ込んできて、室内にいながら外と一体化する家づくりを意識した」と言います。



NEW『カサートプレミアム』 モデルハウス(大阪府箕面市内)


NEW『カサートプレミアム』では、構造の強さを象徴する大開口が可能なため、目の前に広がるダイナミックな景色がつくる自然との一体感を可能とし、内と外を“ひとつなぎ”で考える外構提案とあわせることで、四季折々の豊かな自然を楽しむ住まいを実現します。

雑木林の中の散歩道をイメージ

家の外部の庭やエクステリアにあたる外構部分の設計を担当したグループ会社、株式会社ナテックスの今野 信一郎(設計部 部長)は、設計の前に、こうした家づくりの考え方について、戸部と井本の2人から動画を使って説明を受けたと言います。「これまで数多くの展示場外構を担当してきましたが、外構は家という作品を邪魔しないように、外から見ても家が隠れないように木々を配置することがセオリーでした。今回のように、設計担当者から家の構造や「光の回廊」などについて、動画を交えて伝えられたことで外構計画を考える際の大きなヒントになりました」と語ります。



たとえば、L字型の「光の回廊」の両端に配置された窓から見える樹木については、光を遮らない樹種や樹形を選び、窓を額縁に見立てたアート作品のように考えました。「玄関側から見える細長い窓には、すっと上にまっすぐ伸びるアオダモを”額縁”の左側に寄せて植えました。また、もう一つの端の窓にはイロハモミジを植え、幹は”額縁”の右側に見えないように置き、枝ぶりだけを鑑賞できるようにしました」とそのアイデアの一端を語ります。内と外で連続性を持たせられるように建物の内外で同じ床の素材を使い、光がより入るように壁の高さも低めにすることで、内と外がゆるやかにつながります。設計担当者との密なる連携は、「今までにないとても素晴らしい体験でした」と振り返ります。


協議用に作成したコンセプトシート_今野が描いた外構スケッチ


そして、玄関アプローチやリビングから見えるメインの庭については“雑木林の中の散歩道”をイメージしました。まるで里山の中に家が配置されたかのように庭には自然な起伏をそのまま生かしたり、枝で様々な変化が出せるように樹種選びも念入りに行い、植え方についても例えば傾斜のある部分にはそれに適した樹形の樹木を選んで斜めに植えたり、より自然な形になるよう変化をつけました。庭に配置された樹木は、家のそれぞれの部屋からも見えるように計算されており「例えば寝室でベッドから体を起こした状態で葉っぱが揺れているのが見えるように、子ども部屋のバルコニーの壁の上にも枝が見えるように、と考えており、それぞれの部屋からマザーツリーの存在が感じられるようにしています」。そして建物構造の強さを生かし、約3メートル外側に屋根が突き出した軒下は、雨がしのげるスペースとして、テラスを設けました。テラスにも段差を作ることで、個人のスペースとして家族一人ひとりが思い思いに自分の好きなソファを置き、雑木林のにおいを肌で感じながらくつろげる空間も用意しました。

外構の樹木を選別しに山林に遠出した3人の話は尽きない


「60周年を機に暮らしやすさという原点に立ち戻り、家族のコミュニケーションのあり方、自然とのかかわりをふまえながら、どのような暮らしが今の時代にマッチしているのかを考え尽くした」先に完成したNEW『カサートプレミアム』の新モデルハウス。

同モデルハウスが体現する、「家族をつなぐ、自然とつなぐ、価値をつなぐ」暮らし提案は、創業60周年を記念に展開される新商品、戸建住宅NEW『カサートプレミアム』と多層階賃貸集合住宅NEW『Vieuno(ビューノ)』共通のコンセプトです。パナソニック ホームズは住まいづくりを通して、人と人、人と自然をつなぎ、未来へ価値をつないで、社会全体に幸せの選択肢を増やしていきます。


◎NEWカサートプレミアム(2023年4月20日新発売)

商品コンセプト 新しい暮らしの価値を未来へつなぐ。

「家族(人)をつなぐ、自然とつなぐ、価値をつなぐ」の3つの「つなぐ」で提案

▶商品ページ:https://homes.panasonic.com/sumai/lineup/casart_premium/

▶ リリース:https://homes.panasonic.com/company/news/release/2023/0419.html

ABC ハウジング ウェルビーみのお第一https://homes.panasonic.com/kyoten/detail/E02369/


次号は、時代とともに変わる住宅ニーズの多様性についてご紹介します。(2023年4月28日公開予定)


▶”商品編” 第1号 

×

▶”商品編” 第2号 

×

◎パナソニック ホームズ株式会社について

パナソニック ホームズ 創業60周年特設サイト:https://homes.panasonic.com/60th/

商品ページ:https://homes.panasonic.com/

企業情報ページ:https://homes.panasonic.com/company/

公式Twitter:https://twitter.com/panasonic_homes





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