職人の手によるMade in Japanのオイルライター。Makuakeで予想を上回る応援購入をいただいた、GEAR TOP®の開発秘話。
GEAR TOP®は株式会社元林と株式会社ペンギンライターが共同開発した、オイルが従来の約2倍長持ちするMade in Japanのオイルライターです。内部構造の細かいパーツはすべて日本の職人の手によって手作りされています。長年継承されてきた日本の金属加工や革巻き技術を絶やすことなく次の世代へとつなげ、さらに、使い捨てではなく長くご愛用いただくことで持続可能(サステナブル)なもの作りを進めています。
このたび応援購入サービスMakuakeにてGEAR TOP®の予約販売を開始したところ、予想を上回る応援購入をいただきました。日本の文化や職人の技術継承にもつながる、GEAR TOP®誕生の背景にある奮闘の軌跡や開発に込められた想いをお伝えいたします。
Makuake プロジェクトページ
https://www.makuake.com/project/geartop/
※プロジェクトは2023年4月30日(日)〜2023年5月30日(火)まで実施中。
株式会社元林(以下、元林)は1905年に創業し、100年近くに渡り喫煙具の仕入れから輸入、販売卸等に携わっております。「GEAR TOP®」誕生のきっかけは、先代会長の「このままだと日本でライターが作られなくなってしまう。そうなる前に我々でMade in Japanのオイルライターを作ろう」という言葉でした。
日本国内ライターの歩み
日本のライター工場は戦後間もなく復興し、職人や技術者の絶え間ない努力と研鑽によってその技術力は飛躍的に向上し、1960年代には国内だけでなく海外でも人気を博し、大量の国産ライターが輸出されました。日本の高度経済成長と歩調を合わせるように国産ライターの販売数は飛躍的に伸びていき、全盛期を迎えました。しかし、1970年代の変動為替制度移行に伴って海外市場における国産ライターは徐々に価格競争力を失いはじめ、さらに国内市場においては、廉価な海外製品の輸入増加に押されて、製造拠点を海外へ移す工場も出始め、国産ライターの販売数は一気に減少へと転じることになります。
伝統技術の継承・高品質の国産オイルライター
長年継承された”金属ライター加工技術”は、「技術者の高齢化」、「後継者不足」、「市場減少傾向」が原因で風前の灯火となっているのが現状です。しかし、100年近くも喫煙具業界に携わっている弊社にとって、伝統とも言える”金属ライター加工技術”を絶やすわけにはいかない。このままでは日本のライター工場の存続や職人の技術継承が危ぶまれ、日本でライターが作られなくなる時がくる。そうした危機感からMade in Japanのオイルライター開発プロジェクトがスタートしました。
開発にあたっては、元林と長年お付き合いのある1946年創業の喫煙具総合メーカーである株式会社ペンギンライター(以下、ペンギンライター)の協力が必須で、この想いを伝えて賛同していただくこととなりました。こうして両社一体となり、大きな想いをバックボーンにして、東京下町のライター製造工場や金属加工職人、革巻き職人と協業し、世界に誇れる品質の高い国産オイルライター開発に向けたプロジェクトが立ち上がりました。
「ポケットの中に高水準のオイルライターを!」を掲げて
国産オイルライターの生産に当たっては、当然性能がよくて実用的であり、かつ楽しめる商品をコンセプトに開発がはじまりました。実用面としては、防風性が高い、着火性能が高い、オイル持ちが良い、使用の簡素さ、故障が少ないなど様々な意見が上がったなか、最終的には「オイル持ちが良い」を主眼とすることに決定しました。また、高性能なオイルライターとして「GEAR(道具)のTOP(頂上)を目指す=GEAR TOP®」にネーミングも決まりました。
オイルライターの課題に真っ向から向き合う
開発当時、オイルライターは充填してから10日前後でオイルが揮発しまうので、その充填作業を手間と感じるお客様が少なくありませんでした。しかし、オイルがどこから揮発しているのかその原因がわからず、ライター内部の底や着火箇所などいくつか仮説をたてて実験を行った結果、ライターの芯がある上部から揮発していることが判明したのです。
オイルライターの揮発を防止するためにはどんな機構が必要か、そのためのアイデアを出し合いました。その中で「ライターの芯の部分にキャップをつける」というアイデアが最も正解に近いことは感覚的にわかりましたが、ではどうつけるのか、ライターの開閉とキャップをどう連動させるのか、大きな壁にぶつかりました。
試作品を作るためにペンギンライターの図面担当者が図面を描き、金型職人さんにサンプル制作を依頼するのですが「本当にイチから作るの?」と半笑いされ、本気にしてもらえません。それも当然な反応で、金型代だけでもかなりの高額になります。それでも「これはただのライターではない。日本の喫煙具文化の発展、職人の技術継承につながるライターなんです」と私たちの想いを繰り返しお伝えして、ご協力いただけることになりました。
図面
オイルの揮発を防ぐ「GT-ARM®」の誕生
オイルライターの問題点であったオイルの揮発をいかに軽減させるかという点。その課題を克服するために芯を密閉してオイルの揮発を防ぐ「インナーキャップ」の搭載を繰り返し検討し、ついに「GT-ARM®(GTアーム)」(※)の開発に成功しました。
それにより、オイルを満充填後、1日20回(20本=1箱)の使用で約30日間の着火が可能という、従来の約2倍にあたるロングライフの使用が実現できたのです。燃料代はこれまでの2分の1、交換の手間も2分の1。毎日使うライターだからこそ、高性能で経済的で使い勝手のいいものは開発当初の我々の願いであり、オイル(化石燃料)の省エネにもつながります。GT-ARM®開発により、いまの時代にふさわしいサステナブルなオイルライターが誕生しました。
(※)意匠・実用新案登録済み。
自社で取り扱う一般的なオイルライターとの比較
優れた構造とメンテナンス性の両立
GEAR TOP®本体は、側面の角を落としたグリップの良い形状。タンクと本体のクリアランスも、密閉度をより向上するように設計されています。インナーユニットはステンレスと真鍮の二重構造で、揮発を防ぐとともに適度な重量感を与えます。フェルトには「フリントのストック用」と「オイル注入用」のホールを開け、外での「より安易なメンテナンス」を可能としました。こうした細部へのこだわりもすべて東京下町の工場で働く職人が培ってきた精度の高い技術力によるもので、日本の経済成長を縁の下で支えてきた熟練の職人たちが一つひとつ丁寧に作り上げています。
金属プレス加工工程
真鍮ケース研磨工程
80,000回以上の開閉テストもクリア
ペンギンライターでは開閉テストを行うための機械を独自開発し、試作品を作っては開閉テストを繰り返し、5,000回から5万回、8万回、そしてついに10万回をクリアするGEAR TOP®が完成しました。
開閉テストの機械(YouTube開閉テストで使用)
開閉テストと改良を繰り返した軌跡
細部に宿る、優れた日本の金属加工技術
片手にすっぽり収まるサイズのライターですが、展開図を見ていただくとお分かりのとおり、たくさんのパーツで組み立てられています。驚くのは、パーツごとに職人さんが異なることです。そのため、東京・下町の各工場から納品されたパーツをペンギンライターの工場で組み立ててGEAR TOP®が完成します。
本体が完成すると、次は革巻き職人さんの手へ
GEAR TOP®が完成すると、次は革巻き工程となります。革巻き職人さんはまず革の型抜きから始めます。専用の金型で一つひとつ革をくり抜き、カットした革の断面・側面をきれいに磨きます。そして、縫う方向に合わせて縫製用の縫い穴を斜めに深くあけたら、その革をGEAR TOP®本体に貼りつけます。
その後、職人の熟練の技で調合した手作りのロウで糸を一本ずつロウ引きします。その糸に針を2本通し、縫い穴に針を入れてしっかりと縫い合わせ、革面をきれいに整えたら完成です。こうして各工程を丁寧に丹精込めて仕上げ、GEAR TOP®の革巻きが完成します。
縫い穴をあける作業
縫い穴に針を入れて縫い合わせます。
日本に長年継承されてきた金属加工技術と革巻き技術。世界に誇るその技術を絶やすことなく、身近に感じていただけるギア(道具)がGEAR TOP®です。
日本の工場や職人の伝統技術を次世代につなげる
職人さんは高齢化していますが、今でもいいもの作りをしています。最近ではこの技術を絶やしてはならないと若手や外国人が跡を継ぐケースが増えてきているようです。
私たちは、Made in Japanのオイルライター「GEAR TOP®」を作り続けることで、日本の伝統技術やもの作りの工場を次の世代にも残していきたいと思っています。GEAR TOP®を盛り上げることは、工場も、後継者も幸せになることだと信じています。今後はこうした技術をライターのほか、雑貨やアウトドア道具などのもの作りにも活かしていきたいと考えています。
■商品概要
サイズ:W40mm × H63mm×D15mm
素材:本体/真鍮、革/牛革
カラー:ブラック、レッド
重量:81.2g(オイルなし時)
生産国:日本
着火:フリント式オイルライター
保証:5年保証(長くお使いいただきたいので5年間の保証つきです。期間内は修理交換対応いたします)
付属:ブランドボックス
■プロジェクト概要
サイト名:Makuake
プロジェクトURL:https://www.makuake.com/project/geartop/
※プロジェクトは2023年4月30日(日)〜2023年5月30日(火)まで実施中。
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