ホテル大浴場の域を超越した複合型SPAが大阪に誕生。開発責任者が語る「ホテルの高付加価値化」とは【住友不動産のホテルシリーズ「ヴィラフォンテーヌ」】
住友不動産ヴィラフォンテーヌ株式会社は、住友不動産グループのホテル関連事業を担っており、東京都心を中心に21館・計5,385室を運営する創業45年を迎えるホテルチェーンです。
交通アクセスが良好なロケーション、広くゆとりのある客室やスタイリッシュな内装などを備えたハイグレードな都市型ホテル「ヴィラフォンテーヌ」シリーズ、リゾート・観光利用のホテル「ヴィラージュ」、愛犬と一緒に宿泊を楽しむ「inumo(イヌモ)」など多彩なホテルブランドを開発・運営し、2022年12月には日本最大のエアポートホテル「ヴィラフォンテーヌ プレミア/グランド 羽田空港(計1,717室)」を開業しました。また、関連事業として温浴施設「泉天空の湯」の運営も行うなど他のホテルチェーンと一線を画す多角運営を行っています。
そこで今回は、2023年8月1日に大阪・梅田のホテル「ヴィラフォンテーヌ グランド 大阪梅田」内に誕生した複合型スパ「SPA 爐 -IRORI- by 泉天空の湯」の開発責任者に、開発の裏側や「ホテルの高付加価値化」について訊いてみました。
(訊き手:住友不動産ヴィラフォンテーヌ 広報担当)
住友不動産ヴィラフォンテーヌ株式会社
事業企画部長 内橋 渉(うちはし わたる)
2008年住友不動産に入社。マンションやリフォーム事業、経営企画、事業企画などの部署を経て、2020年住友不動産ヴィラフォンテーヌに出向。事業企画部長としてホテル物件の開発やリノベーションなどに携わる。
大阪に新しい複合型スパ「SPA 爐 -IRORI- by 泉天空の湯」が誕生
ー「SPA 爐 -IRORI-」とはどのような施設なのでしょうか?
内橋「2022年8月1日に開業した大阪・梅田のホテル「ヴィラフォンテーヌ グランド 大阪梅田」内に新たに誕生したホテル利用者専用の“複合型スパ”です。大浴場の他に、岩盤浴やプライベートサウナ、酵素浴、セルフエステマシンなど癒しに纏わるコンテンツが詰まった約800㎡の施設になっています。“SPA 爐があるから泊まりに行く”と思っていただけるように開発しました。」
SPA 爐 -IRORI- 主な施設
- 男女別大浴場「洸」「琳」※無料
- 岩盤浴「烈」「煉」、クーリング室「爽」※無料
- プライベートバス&サウナ「霞」「翠」
- プライベートサウナ「漆」「漣」「禅」「蒼」
- えん 発酵温熱木浴(R)”雅”「和」「暁」
- ザ・ビューティスイート「彩」
コロナ禍で変遷したライフスタイルを反映した計画変更
ーホテル開業からちょうど1年での誕生となりましたが、開業時期が1年違う背景は何なのでしょうか?
内橋「このホテルがある「梅田ガーデン」は、マンションを中心にホテルや商業店舗が併設する大規模複合再開発事業で、コロナ前の2018年に着工、2022年に竣工しました。着工当時の大阪は空前とも言えるインバウンドブームが押し寄せ、ホテルもインバウンドを強く意識した設計で作られる予定でした。しかし未曽有の感染症拡大という危機を経て、当時と全く異なる市場環境になりました。「このまま計画通りに作るのではなく、今とこれからのニーズに対応したホテルを作ろう」と路線変更を図り、1年越しにSPA 爐が誕生しました。」
ーかなり大きな判断だったと思いますが、順調に進みましたか?
内橋「竣工間近の状態からの計画変更は決断が要りましたし、ホテルを営業しながらの施工は簡単なことではありませんでした。元々客室にする予定だった場所を、限られた面積の中でどのようなコンテンツで設計するか、床荷重を超えないように設計できるか、施工時に出る音や臭いをどう軽減させるか、計画から実行までのロードマップを描き、社内やパートナー企業との調整を行いながら進めていきました。」
梅田ガーデン外観(中央) 4~8階がホテルフロアで、SPA 爐は4階に位置する。
一大浴場付きのホテルは珍しくはない中で、SPA 爐のこだわりを教えてください。
内橋「一般的なホテルの大浴場は、広い浴槽で足を伸ばして疲れを癒すことが出来れば一定程度“満足”と評価してもらえますが、SPA 爐はそこをゴールに据えていません。岩盤浴やプライベートサウナ、酵素浴、セルフエステマシンなど、多くの「自分磨き」のコンテンツを複合的に楽しむことが出来る環境をホテルの中に創ることで、ホテルの価値を高めることにしたのです。昨今は、『サウナ文化の浸透』『多様性』『自分らしさ』『おひとり様』『美意識の向上』など、様々なトレンドがあるなかで、SPA 爐はサウナ・酵素浴・エステなどを“個室化”することで、気兼ねなく自分だけ、またはパートナーと過ごせるプライベートな空間に“没入”することができます。」
ー今回のプロジェクトで一番大変だった部分はありますか?
内橋「大浴場ですね。浴室は湯量を多く使うので耐荷重も綿密な計算が必要でした。既存物件に作り込むため、今回はフリーユニットバス(※)を採用し、配置されているスラブの位置なども分析・計算しながら浴室を設計しました。ただの大浴場ではなく、プライベートで足を伸ばすことができる個別の浴槽も設けたいと目標を立てていました。しかし耐荷重を考えると当初は約2m四方の浴槽や他社と同様に壺湯を並べることくらいしかできないのではと頭を抱えていました。パートナー企業もこの目標を叶えるサイズのユニットバスを作ったことがなく、お互いに初めての挑戦でした。幾度と打ち合わせを重ね、現地調査や計算をした結果、3m×6mの広い浴槽とヒノキをあしらった個別浴槽を並べるという目標を実現させることが出来、仕上がりを見たときの達成感はとても大きかったですね。」
※フリーユニットバス…予め工場等で製造されたパーツを現場で組み立てて作るバスルームの施工方式。デザインの自由度が高いのが特徴。
話題の酵素浴や最新美容機器を続々導入、目的となる施設へ
ー新感覚のシャワーヘッド「ミラブルzero」に続き「ミラバス」の導入、酵素浴「えん 発酵温熱木浴(R)」、「セルフエステマシン」など、新しい設備がさらに追加されていますが、どのような意図があるのでしょうか?
内橋「“美と健康”をホテルのコンセプトに掲げるなかで、あらゆる部分にそのこだわりを詰め込みたいと思いました。プライベートバスに採用している「ミラバス」は、超微細気泡・マイクロバブル(※3)を生成し、入浴に美の要素をプラスオンすることができます。
それだけでなくプライベートバス内は映像・音響設備も導入し、バスタイムに好きな映像や音楽を楽しめるようにするなど細部にまでこだわりました。ミラバスを開発したサイエンスは大阪発祥の企業でもありますし、全室のシャワーヘッドに「ミラブルzero」を導入して以来お客様からも好評をいただいているので、次なるステップとしてバスタブに「ミラバス」を採用しました。」
※3マイクロバブル…直径100μm未満で1μm(=0.001mm)以上の泡の事(ISOで定められた国際標準規格)で、通常、水の中で出来る気泡と比較しても、マイクロバブルは極めて小さく、負電位のため、微小なゴミを吸着して水面に浮上させる性質を持っています。
内橋「酵素浴は、「えん 発酵温熱木浴(R)」という電気やガスなど人工的熱源を一切使わずに1ミリ以下に細かくした奈良県吉野産天然無垢ヒノキなどの自然発酵の力を使った自然由来のものです。それ自体の気持ちよさはさることながら、サウナや岩盤浴とは違う終わった後の爽快感が格別です。自分で試して素晴らしいと思った本格的な酵素浴を、ホテル滞在の中で楽しめるようにしています。」
ーサウナにもかなりこだわったと聞きました。
内橋「私も週3で通うサウナ―なんです(笑)。サウナ文化はかなり浸透してきましたが、当社は2020年から「泉天空の湯」というブランドで温浴・サウナ施設の運営を行っています。泉天空の湯はみんなで楽しめる大型の施設ですが、SPA 爐は個室にすることで旅館でいうところの“家族風呂”のようなイメージで作りました。プライベートサウナには、水風呂・ととのい椅子を設置し、自分のペースで“ととのう”ことが出来るほか、サウナ内でも好きな音楽を流すことや、アロマを愉しむセルフロウリュ、パートナーと一緒に入ることができるなど、快適性と自由度を高めた上質なものとなりました。」
プライベートサウナはセルフロウリュができるほか、寝転がれるほどの横幅も確保。
水風呂やリクライニングチェアも備え、気兼ねなく“ととのう”。
“和モダン”を意識したホテル全体のプランニング
ー各部屋の名前が漢字1文字など、「和」へのこだわりがあるようですが。
内橋「ホテル全体として、“和モダン”を基調としたデザインコンセプトがあり、SPA 爐も踏襲しています。まず「爐」という文字は古来から伝わる「囲炉裏」をイメージしました。火をくべて暖を取るようにパートナーとコミュニケーションを取ったり、安らげる場所になるようにという想いを込めています。施設内各個室や大浴場のネーミングは、ホテルの特別フロア“篝 -KAGARI-”と同様、デザインに対する我々の想いを漢字1文字に集約して名付けています。」
ヴィラフォンテーヌの高付加価値化は今後も進む
ーホテルの開発やリノベーションを担当する立場として、今後の展開は?
内橋「ヴィラフォンテーヌはもともと、「同じホテルは作らない、その土地にあったホテルを」という考え方でその時代や潮流に合ったホテル開発を行ってきました。時が経つなか、既存物件も数年に及ぶプロジェクトでリニューアルを推進しており、今年も数物件でリニューアルが完了する予定です。ぜひご期待いただければと思います。」
ーさいごに、このホテルをどんな人に使ってほしいですか?
内橋「観光・ビジネスなど様々な来阪機会があると思いますが、大阪・梅田の中心地で、泊まりながら“美と健康”を追求できるホテルとして滞在時間をじっくり自分磨きに使ってほしいです。ひいてはSPA 爐のコンテンツを楽しむために泊まりに来てほしいですね。
ホテル自体も和モダンのスタイリッシュなデザインに美と健康を意識した和食ブッフェ、アロマバーのサービスなど、泊まること自体が「ウェルネスツーリズム」になる仕掛けが詰まっています。大阪にいらっしゃるときはぜひ、ヴィラフォンテーヌを拠点に滞在をお楽しみください。」
ヴィラフォンテーヌ グランド 大阪梅田について
公式サイト:https://www.hvf.jp/osaka-umeda/
日常の喧噪を忘れられる落ち着いたエントランス空間を抜けロビーへ進むと、木目や緑を多く設えたスタイリッシュなロビーでゲストをお迎えいたします。ロビーに採用したアイランドカウンターでは、ホテルスタッフとゲストがカウンターを隔てることなくきめ細かなサービスを提供いたします。
ホテル内には、ライブキッチンカウンターを設置した和食ブッフェレストランを併設。旬の食材などを使ったこだわりのお食事を提供いたします。
広々とした和モダンテイストの落ち着きある客室に、新感覚のシャワーヘッド「ミラブルzero」をシャワーブースに採用。シモンズ社製ベッドも配し快適な休眠環境を提供いたします。
所在地:大阪府大阪市北区曽根崎2-15-9
Osaka Metro谷町線「東梅田」駅・・・徒歩2分
Osaka Metro御堂筋線「梅田」駅・・・徒歩3分
阪神本線「大阪梅田」駅・・・徒歩4分
JR線「大阪」駅・・・徒歩6分
阪急神戸線・宝塚線・京都線「大阪梅田」駅・・・徒歩6分
複合型スパ「SPA 爐 -IRORI- by 泉天空の湯」に関するプレスリリース(2023年6月30日発出)
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