日本酒人口を増やし、酒蔵を世界で一番働きたい仕事場に。日本酒試し飲みサブスクを開始するまでの道のりとは
株式会社蔵楽は、「酒蔵を世界で一番働きたい仕事場に」をビジョンとして、全国の日本酒の酒蔵や日本酒イベントのコーディネートを行う企業です。
2021年より「日本一手軽な日本酒の試し飲み」として3種の日本酒を飲み比べできるサブスクリプションサービスを提供してきました。このたび、より多くの人に本サービスを利用していただくべくブランドを一新。「TAMESHU(タメシュ)」として生まれ変わりました。
蔵楽はTAMESHUを通じて、日本酒を飲む人口を増やしたいと考えています。創業に至った経緯やTAMESHU実現に向けた困難、ブランドに込めた思いについて、代表の髙橋に話を聞きました。
「酒蔵を世界で一番働きたい場所にする」会社創業の経緯
株式会社蔵楽(くらく)は、2020年10月1日の日本酒の日に「酒蔵を世界で一番働きたい場所にする」を経営ビジョンとして創業しました。
代表の髙橋は、新卒入社した会社の初赴任地・新潟で、本物の「酒」と出会いました。
大学時代に飲んだ印象から、それまでは進んで飲む気がしなかった日本酒。ある時折角だからと飲んでみたところ、今まで感じたことのない味わいを感じ、体の隅ずみまで清められていくような感覚に。思わず「美味しい!」と声を上げ、不思議な高揚感が込み上げてきました。ここで髙橋は初めて本物の「酒」と出会うことができました。
本業で経営・業務改革スキルを磨き、副業では日本酒の魅力を伝えた
それ以降、髙橋はどんどん日本酒の魅力に没頭していきました。日本酒に深いリスペクトを抱き、2017年にはサケディプロマ、国際利き酒師の資格にダブル合格。資格取得に向けて勉強を重ねたことで、豊富な知識が得られ、蔵元とも造りに関する突っ込んだ話ができるようになりました。
しかし、一般的な消費者と酒蔵には情報の格差があり、魅力がほとんど伝わっていないことにも気づきました。
そこで、日本酒の良さや楽しみ方を消費者目線で掘り下げて伝えるべく、副業としてライターに。多くの酒蔵を取材し、自身でコーナーも持つようになりました。一方で、日本酒セミナーも企画。ビギナー向け日本酒講座や、ワインとの飲み比べイベントなど様々なアプローチで日本酒の楽しみを伝えることに尽力しました。
同じ時期に、社会人としても転機が訪れ、経営コンサルティング会社に転身しました。ここで製造業に特化した経営・業務改革のスキルを学ぶことになります。
コロナ禍で酒蔵が危機に。経営を支え日本酒の魅力を伝えるべく、起業
2020年5月、新型コロナウイルスに対する緊急事態宣言が発令。飲食店での酒類提供が禁止され、高橋の知り合いの酒蔵はどこも大きなダメージを受けました。
髙橋の中で、「自分の好きな業界、好きな人たちが本気で困っている」「本当にこのままでいいのか」という気持ちが日増しに強くなりました。
そして「今、力になれなければいつ力になるのか」「今までの経験・スキルを駆使して酒蔵を元気にするための会社を創ろう」と、2020年10月1日の日本酒の日に蔵楽を創業。蔵楽は日本酒蔵の経営から販売・プロモーションをサポートしています。
経営改革、在庫見える化、サイトの制作など、「酒蔵がやりたいけどできない」ことを支援。日本酒の飲み手にも積極的に情報発信を行い、啓蒙活動を行いながらも、デジタル技術を活用した新しい日本酒の楽しみ方を提供する取り組みを行っています。
「日本一手軽な日本酒の試し飲み」を始めたきっかけ
髙橋は、酒蔵の役に立つ仕事をしたいと考え、購買コストダウン提案や商品品目整理、など様々なサービス開発を実施しました。仕事の進め方は、基本的に蔵元に「何か仕事は無いですか?」と尋ね、それをサービスとして形にするのが基本。結果的にECサイト開発などの事業が生まれました。これは、「テイスティングや写真撮影などは全てお任せで、3週間後にサイトができる」というサービスです。
しかし、これらはあくまでクライアントワーク。自社ならではの業界全体にインパクトを与えるような事業・サービスを生みたいという欲求が高まりました。そこで当時のメンバーと、今までにない日本酒のサービス開発を考えた結果、日本一手軽な試し飲み「tame-shu(タメッシュ)」の着想を得ました。
「少量の3種試し飲み」「手ごろな価格」「ポストで受け取りができる」「プロが選定&解説付き」という、徹底的に日本酒に対するハードルを下げるサービスです。
2021年4月、「そもそもこの商材はニーズがあるのか」という疑問を解消するために、モニター調査をおこないアンケートを実施しました。
20名の方にサービス協力をお願いしましたが、反応が良く「ありそうでなかったサービス、是非利用を続けたい」という声が半数以上。そこで、サービス化を決意しました。
このサービス開発過程で、ポストに入る容器の選定、箱の選定など、パッケージ選定がもっとも苦労しました。資材を調査した結果、ポストに入るサイズのボトルは幅30mm以下である必要が分かりました。さらに、その要件を満たすボトルは、既製品では1社しか製造を行っていないことが判明し、早速ボトルを購入しました。
小さなボトルへの充填が壁に。免許取得に時間を要した
サービス開始にあたって立ちはだかった壁は、小さなボトルへの充填でした。
蔵元に負担をかけないために、自社での詰め替えをすることに決めたものの、自社での詰め替えは税務署管轄の酒販免許に加えて、食品製造業に相当するため保健所の許可が必要です。この2つの免許を取得するための設備要件は、東京都内では大変厳しく、特に資金的余裕も無かったため、髙橋は途方に暮れました。
そこで、かねてより付き合いのあった御茶ノ水の名酒センターに相談。名酒センターは、酒販免許を持っているため、詰め替えの免許を取れば、設備要件はクリアできることが判明しました。事業としてスピードを優先したいという判断から、名酒センターの事業として、「tame-shu(タメッシュ)」事業を開始する方向で舵を切りました。
詰め替えの免許に際しては、保健所も初めての事案であるため、なかなか免許がおりませんでしたが、度重なる訪問の末、ようやく許可を得ました。こうして2021年8月「tame-shu」事業はスタートしました。
その後、容器や包装などマイナーチェンジしながらもtame-shuはサービスを継続してきました。免許取得が可能な場所を探し続ける日々が続いたある日、髙橋の友人より「茨城の土地に余裕があるため、一からプレハブ小屋を建てて免許を取ってはどうか」という提案がありました。そして2022年7月に酒販免許と保健所の許可が取れ、晴れて自社事業としてサービスを開始するに至りました。
tame-shuのサービスを続けるなかでさまざまなご要望を頂いたこともあり、またより多くの方々に日本酒の楽しさを伝えるため、2023年4月よりブランド名を「TAMESHU(タメシュ)」に変更。パッケージやデザインの大幅改修をおこなうと同時にロゴも刷新し、サービスの魅力を最大限に発揮できるものに変更しました。新ロゴは、シンプルで洗練されたデザインにより、日本酒の伝統と革新性を表現しています。
日本酒試し飲みサブスク「TAMESHU(タメシュ)」の魅力
あらためて、TAMESHUについてご紹介します。TAMESHUは日本一手軽な日本酒の試し飲みとして、毎月3種類の日本酒がひと瓶55mlという、おちょこ二杯の量が届くサブスクリプションサービスです。地域毎の特徴を学べるよう、味わいながら違いを楽しめる3種類を厳選しています。
Webから申し込んだら自宅で待つだけ。ポストに入るサイズでお届けするので、面倒な荷物の受け取りは不要です。友人同士や家族と、家での一人晩酌やキャンプ等のアウトドアなど、どのシーンでもお楽しみいただけます。
■TAMESHUの 6つの特徴
- 気軽に試せる量:ワイングラス一杯分、おちょこ約2杯分の飲み切りサイズ
- お求めやすい価格:包装と容器をシンプルにして、低コストでお酒をお届けします。
- ポストで簡単受け取り:ポストに入るサイズなので、気軽に受け取れます。
- 日本酒のプロによる選定:全国津々浦々の酒蔵から日本酒ソムリエが独自に厳選します。
- 読んで楽しい冊子:お酒の特徴や、食事とのマリアージュを紹介する書下ろしの冊子付き。
- 日本全国からセレクト:全国47都道府県からテーマに沿った選りすぐりの日本酒をセレクト。
日本酒を飲む人口を増やしたい。海外展開も視野に
TAMESHUを通じて私たちが目指すのは、「月一回でも日本酒を飲む人口を増やす」「日本酒って楽しい、ということを知ってもらう」「日本酒をライフスタイルに自然と溶け込ませる」ことです。会員の男女比率は半々でご好評をいただいており、1年以上継続しているユーザーがほとんどです。
TAMESHUは、日本酒になじみのない方から熟練の愛好家まで、幅広い層に日本酒の魅力を伝えることを目指しています。また、日本酒を楽しむ文化を根付かせることで、日本酒業界全体を盛り上げることも目標にしています。今後は、さらに多くの人々が日本酒を楽しめるよう、試し飲みサービスの充実やイベントの開催を続けていく予定です。
また、蔵楽では2023年より東南アジアをターゲットとして日本酒の輸出事業を開始しました。今後、越境ECを活用して、TAMESHUの海外展開をはかっていく予定です。
「酒蔵を世界で一番働きたい場所にする」という経営ビジョンの実現に向け、課題は山積みですが、この創業の想いを胸にこれからも日々仕事に励みます。
■サービス概要
サービス名:TAMESHU
運営会社:株式会社蔵楽
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