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認知症介護施設を運営するザ・ハーモニー株式会社だからできた、認知症の方に寄り添う介護ロボットの開発プロセスとは

著者: ザ・ハーモニー株式会社

ザ・ハーモニー株式会社は、「介護にかかわる全ての⼈をハッピーに」をビジョンに掲げ、福岡県で認知症介護施設を運営する2012年創業の介護ベンチャー企業です。

認知症コミュニケーションロボット「だいちゃん」は、労働集約型の業務でありながら慢性的に人材不足の課題があり「介護の現場にこそテクノロジーが必要になるんじゃないか」という、代表取締役CEOの⾼橋が実際に介護施設を運営する中で感じた思いから開発した商品です。


認知症高齢者の方に会話や歌やクイズなどを楽しんでいただくことにより、以下の実現を目指しています。

  • 認知症高齢者のQOLの向上
  • 認知症の中核症状の進行の鈍化
  • 認知症の周辺症状の発生頻度の減少
  • 介護者*の心身の負担の軽減

*医療機関、介護施設、ご自宅などで認知症高齢者の介護を行う方


このストーリーでは、開発したエンジニアの言葉とともに、製品開発に込めたこだわりと商品の魅力をお伝えします。


介護の現場にこそテクノロジーが必要になるという信念で開発に着手


介護の現場の人たちはみんな同じ想いで、ゲスト様(※ザ・ハーモニーでは利用者様のことを『ゲスト様』とお呼びします)がハッピーな状態を目指すんですけど、常に手薄な状態なので、難しいときもあるし、どうしても疲弊してしまう。

実際に施設を運営してみると、現場は慢性的に人材不足だし、介護は労働集約型の仕事。となれば、介護の現場にこそテクノロジーが必要になるんじゃないかって。


介護福祉士で、認知症ケア専門士でもある代表取締役CEOの⾼橋には、「認知症高齢者の方に質の高いケアの提供を目指すほど、介護者の負担は増してしまう」というジレンマがあった。


介護者の負担を増やさずに認知症の方が笑顔になってくれる、質の高いケアを提供するには、介護者の代わりに話し相手になるロボットがあれば、認知症の方も介護者もハッピーになるのでは? と、認知症の方とおしゃべりをするロボットの導入を考えた。

各社の会話ロボットを試したが、自社施設で使えるものは見つからなかった。

まず、高額で購入できないものも多かった。


そして、脳の機能低下により引きこもり気味になり、自発的に会話をすることが少なくなった方には、既存のおしゃべりロボットは合わなかった。


また、テレビの音、食事の準備をする音など介護施設には雑音が多く、高齢者はロボットの声が聞こえないし、ロボットは高齢者の声を認識できなかった。


試しに、ぬいぐるみの中に自身のスマートフォンを入れ、ゲスト様と会話をしてみたところから、認知症コミュニケーションロボット「だいちゃん」の開発は始まった。

実際に開発を始めてみると大変なことばかりだった


だいちゃんって、施設の経営者様が購入し、施設のスタッフ様が操作し、施設のご利用者(高齢者)様がご利用になられるんですよ。

なので、実際に利用される高齢者の意見を聞くことは難しいし、ましてや、認知症の高齢者の方にロボットの改善箇所とかの意見をいただけるわけでもない。

だから、何が良くて何が悪いのか見極めることが難しいんです。


と、サーバーサイドを担当したエンジニアの山本が言う。

自社で介護施設を運営するザ・ハーモニーですら、認知症の高齢者様・施設のスタッフ様・施設の経営者様、全てに気に入っていただけるプロダクトを開発することは難しかった。


ハードウェアを担当したエンジニアの重冨も、こう話す。


介護施設って、たくさんの方が同じ空間で過ごされてるし、スタッフ様もそれぞれ作業をしているので、テレビの音、スタッフ同士の声掛け、食事の準備をする音、入浴介助をする音など、多くの雑音があるんです。人に聞こえないような電磁ノイズなどもありました。

普通に業務している分には、その騒音に気づかなかったのですが、だいちゃんを開発するにあたって、その多くの雑音はハードルでした。


マイクの選定、ノイズ除去のシステム開発、電磁ノイズから守る機構などの努力で、他社ロボットが活躍できなかった騒音下の施設環境でも、活躍できるようになった。

何度も現地に通い、認知症の高齢者に寄り添う


CTOの森は、認知症の方の、それぞれの個性に合わせた最適な話し相手になれるのか? そんな部分を目指して開発を続けていると言う。


僕らのような若い世代はAIに話しかける行為に慣れてきたので、知らず知らずのうちに、ゆっくり、はっきり問いかけていますよね。

でも、認知症の方はもうバリバリの方言だったり、記憶を辿るのに時間がかかって会話のテンポが噛み合わなかったり、言葉が吃っていたり。


そんな状況の中で、だいちゃんは話題や質問の仕方を認知症の方でも答えやすいように調整し、また、たとえ言葉が綺麗に聞き取れなくても認知症の方の意図や認知症周辺症状(BPSD)の原因になる不安な気持ちを捉えることで、会話を通して認知症高齢者の方に寄り添っている。


エッジ側の開発を担当したエンジニアの仲村は、


何度も現地(自社のデイサービスと老人ホーム)に行って検証しました!

私の自宅からは、往復4時間かかるんですけど、毎週のように検証に行ったり、泊まり込んで夜間を含む介護施設の1日の課題を体感したりしました。


だいちゃんは、買って終わりの製品じゃない。

自社施設だからできる多くの実証や介護現場からのフィードバックにより、だいちゃんは今も進化している。日々のアップデートにより、成長するプロダクトだ。

エンジニアも高齢者の方々と関わって開発をしているからこそ、喜びや嬉しい思い出も


「みんなでやったシナリオ作りは、合宿みたいで楽しかった。」

「歌も何パターンも作って全員で聴き比べたのは、いい思い出だね。」

「始めて楽しそうに1時間会話してくれる方がいた時は、感動した!」

「だいちゃんのおかげで、今まで見たことのないゲスト様の姿を見れた!

っていう話もたくさん頂きましたねぇ。」


矢継ぎ早に出てくる、思い出。


サーバーサイドを担当したエンジニアの中村は、


初めてだいちゃんを渡した時には使ってくれなかった人が、新機能を追加したことで使ってくれるようになる瞬間が印象に残ってるし、嬉しかった思い出です。

例えば、歌を追加してみた時のゲスト様への歌のインパクトは凄かったです。

当初は効果がないと思って否定気味だったけど、やってみるか、で、やってみたらすごい効果があって、すごいゲスト様の関心を引くんですよ。


エンジニアも高齢者の方と関わりを持って開発を行なっているからこそ、そこで感じられる喜びも大きいようだ。


2023年4月 だいちゃん販売開始


1~2年ほど、福岡の27施設様に合計42台を先行導入いただき開発を進めてきただいちゃんは、大きく成長してリリースされました。


販売にあたって、その導入先様から頂いた意見をたくさん取り入れ、以下の問題を解消しています。

  • 背中のスイッチを高齢者の方が間違って触ってしまい誤作動を起こしてしまう問題を解消
  • マイクが気になって引っ張ったり押したりして壊しちゃう問題をマイクを目立たなくすることで解消
  • 歌が好きな人が多いから、歌ばっかり歌う機能も欲しいと言う意見から、うたモードを追加
  • 毎日のレクの準備が大変だし、前に出てレクをすることが苦手なスタッフもいるのでどうにかしたいと言う意見から、クイズモードを追加
  • だいちゃんの言うことなら聞いてくれる方がいる、と言うアイデアから介護誘導などができるセリフ機能を追加


倉庫と化したテックオフィス


4月から販売を開始しただいちゃんは、社内で全台を手作業で検品しました。



【販売情報】

・購入方法:「だいちゃん」のサービスサイト (https://daichan.life/) より、お申込みをお願いします

・販売価格:月額レンタル、故障による修理交換費用込み(送料別)

※基本プラン:初月無料、2〜4ヶ月目まで月額3,300円(税込)、5ヶ月目から5,500円(税込)

※年間プラン:年額一括払いでさらに20%OFFの47,520円(税込)


【お問合せ】

お問合せは、こちらのお問合せフォーム(https://daichan.life/contact/)より、お願いします。

電話やオンラインでのご相談や、施設でのデモなども行っております。お気軽にお問合せください。


【会社概要】

社名:ザ・ハーモニー株式会社

本社:〒820-0013 福岡県飯塚市上三緒49-1

代表者:代表取締役CEO 高橋 和也(介護福祉士・認知症ケア専門士)

設立:2012年4月6日

資本金:1億円

主な事業:認知症コミュニケーションロボットの開発販売・認知症介護施設の運営展開

会社HP:https://the-harmony.net/





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