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老舗物流企業が“LGBT講習”を開催する理由。「運送屋」の古い体質を変え、「人への投資」を行う改革の一環として導入した背景とは

著者: 橋場株式会社

橋場株式会社(以下、当社)は1954年創業。百貨店向けの納品代行事業をはじめ、貸し倉庫やお菓子の箱詰めなど総合的な物流サービスを展開しています。お客様の様々なニーズに対応すべく「武器のあるコンサル」のような立ち位置で最適な物流サービスを提案。「価値を生み続ける企業を目指す」をミッションに掲げ日々進化を続けています。


当社が2023年5月10日に「LGBT講習」を行いました。現代表の橋場基則による「社内改革」の一環で行われた本講習。


このストーリーでは代表・橋場の社内改革の話とともに、今回の講習開催に至る経緯をお伝えします。



代表取締役 橋場基則(ハシバモトノリ)

1987年生まれ アパレル業界出身。24歳で橋場株式会社へ入社。異業種からだからこそ見える視点で改革を進める @moto___h

異業種から転身したからこそ分かった「運送屋」カルチャーへの違和感

ここまでくるのに7年。今でこそ「増収増益」を毎年更新し、求人を出せば人が集まる状態を作れたのですが…当時はなかなかひどい状態でした。


私が橋場株式会社に入社したのは24歳のときでした。当時は父が会長で兄が社長を務めており、文字通り「右も左も分からない」状態。むしろ「トラックがあるから運送屋なのかな?」くらいの感覚で入社したのをよく覚えています。


今だからこそ言えますが、当時の弊社は「荷物がどこにあるか分からない」「寝ないで働くやつがえらい」「会社を辞めるのは辞めたやつが悪い」というような、所謂「運送屋」の雰囲気が満載でした。長時間労働は当たり前。「新人が入社しても教育せずに放置、当然すぐに辞めてしまうので求人はかけっぱなし」のような有様。わけのわからない理由で降格になる人達を見て、素人の自分が見ても異常な雰囲気を感じたものです。

まずは「働きたくなる会社づくり」から、環境改善に着手した

「どこから手をつければいいのやら」という状態でしたが「良いサービスを提供するには提供するスタッフが笑顔でないとダメだ」と思い、従業員満足度アップに注力。

夏場に麦茶を飲み放題にしたり、全従業員の誕生日にプレゼントを渡したり。定年を迎えるパートさんへ花束を渡しに早朝遠方まで足を運んだこともあります。

作業着が個人的に好きでなかったので「着たくなる制服」をコンセプトに制服も変更。

お客様だけでなく、従業員も含めて「相手の立場に立って考える」ことに注力してきました。


※2年前に変更した制服

多様性を打ち出していたものの、LGBTへの意識は低かった

そんな改革のさなか、たまたま会食で3人組YouTuber「ミュータントウェーブ」と出会います。元なでしこの経歴で、トランスジェンダーとして様々な活動をしている彼らの話は興味深く、すぐに意気投合。話している最中「なぜ橋場さんの会社は多様性を打ち出しているのにLGBTへの活動をしていないのか?」と聞かれました。最初は「?」だったのですが「ホームページに外国籍のスタッフや女性を打ち出して多様性を表現してますよね?」と言われ「なるほど、そう見えるのか」と気付いたんです。正直全く意識していなかったので目から鱗でした。


※「多様性を表現している」と言われたページ

LGBT講習開催に至る経緯と、社内の反響

彼らの話で「LGBTの当事者が受けている差別」「それによる経済的損失」などに衝撃を受け、講習をしてもらうことを決断。自分自身「ビジネスに性別・国籍は関係ない」という考え方だったため、非常にマッチした企画だったといえます。

以前、当社でもトランスジェンダーの方が在籍していたことがあります。当時は今ほど世の中に浸透しておらず、差別的な扱いが起き離職に繋がってしまった。言い方は変ですが「趣味・趣向」のような誰もが持つことがきっかけで優秀な人材を失うなど非常にナンセンスだと感じます。今回の講習を通して、以前のような「損失」を起こさないことと共に「誰もが働きやすい環境作り」の構築ができればと強く感じました。


当日は20代~50代のスタッフを集め開催。LGBTの基本知識だけでなく「NGなしの質疑応答」など非常に盛り上がった場でした。

「会社の~という括りでなく、自分の家族がそうだったらどう感じるのか?などを考えられた良い時間だった」などの声もあがっています。




今後の展望

ありがたいことに弊社は来年70期を迎えます。創業当時とは変化しているものばかりですが、どれだけ時代が進んでも人が生活をしていくうえで物流は欠かせないものだと感じます。エンドユーザーの生活がより良いものになるべく、企業として精進するうえで「人材」は欠かせません。優秀な人材を性別や思考などで差別や排除をすることは企業にとっても働き手にとってもマイナスでしかありません。今後も国籍・性別・LGBTに関係なく「人」への投資に力を入れていきたいと思います。


▼会社概要

橋場株式会社

代表取締役 橋場基則

住所:東京都港区白金台3-16ー8ー1005

E-mail :moto-hashiba@hashiba-group.co.jp

▼公式HP

https://www.hashiba-group.co.jp/




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