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企業での人事経験で感じた「もっと早く相談してほしかった」をもとに開発 働く人のメンタル不調を発見し、休職・離職の防止に役立つHRツール「Weekare」開発秘話

著者: P&L Associates 合同会社

HRテックサービスを提供するP&LAssociates合同会社では、定期的なアンケートによりタイムリーに従業員のメンタルヘルスコンディションを把握し、休職や離職を予防に役立つサービス「Weekare」の本格提供を2021年5月より開始されました。

今回は事業責任者の高橋さんに、サービスの特長と開発の裏側にあった企業人事での実体験を語っていただきました。

■ニューノーマルで仕事以外のストレスも増えているからこそ、心の不調に早く気づける仕組みを


――最初に、自己紹介をお願いできますか。


高橋:P&LAssociates合同会社のHRテック事業責任者をしています。以前は、いくつかの事業会社で10年以上にわたり、人事企画や人事・労務等の分野を中心に、人事マネジメントに携わってきました。

その経験をもとに、P&Lでは企業で働く一人ひとりがプロとして、また精力的に働ける環境づくりの推進をめざしています。その一環として、働く人のメンタルヘルスコンディションを読み取り、休職や離職を防止する「Weekare」を提供しています。

(P&LAssociates合同会社 HRテック事業責任者 高橋 敬太郎)


――どういうきっかけで開発をされたのでしょうか。


高橋:2019年の働き方改革法案施行に前後する形で、企業は従業員の働き方改革に着手していましたが、雇用者にも被雇用者にも柔軟性が高まる一方で、それに伴って働く人の環境が変わってくることを実感していました。

また、雇用に関する規制強化と同時に、専門職域において従事した時間と成果に関する制度が敷設されたことから、今後の働き方では自立性が求められ、企業内のコミュニケーションにも様々な変化が生まれるだろうとも思いました。


さらに、昨年新型コロナウイルスの感染症対策として出社制限やテレワークを行う企業が増えたことで、半強制的にその状況が強まったとも感じています。

それは、働き方改革を進めることによって良くも悪くも企業への所属意識を弱め、様々な場面において自己完結しなければならなくなってきたとも言えます。


例えば、プロ意識が高まることで「ちょっとした相談」がしにくくなったり、リモート環境によって周囲とのコミュニケーションが減り「小さな共感」が得にくかったりというマイナス面もあります。これらは、個人のメンタリティへの負荷を増やすことにもつながり、そのケアの重要性が増していくだろうと考えました。


――ストレスチェックは、すでに毎年実施している企業や、他社サービスもたくさんありますよね。新たに開発しようと思ったのはなぜでしょうか。


高橋:ストレスチェックは、50人以上の事業場で年1回実施が義務化されていますよね。しかし、実際に働いている人のコンディションは、もっと短いスパンで変動しているはずです。

ある一時点での状況を切り取るのではなく、健全なメンタルヘルスを保つことを目的にするならば、四半期に1度でも、月に一度でも頻度は足りず、少なくとも週1回のペースで不調の兆候を発見していく仕組みが必要だと考えたのです。


――企業で人事を担当されていた当時も、働く人のメンタルヘルスについて何か課題感を感じていたのですか?


高橋:そうですね。採用や組織作り、人事制度といった分野では一定の成果を残せてきたと自負していますが、従業員のメンタルヘルスケアにおいては成果を残せたという実感が持てないままでした。


会社の規模が大きくなると、どうしても一人ひとりの社員には目が届きにくくなりますし、人事という立場が従業員の警戒感につながって、本音で相談をしにくのだろうという面もあります。その結果、メンタル不調に関する情報が私に伝わってくる頃には、本人は既にメンタルバランスを大きく崩しており、休職や退職の手続きをする以外に対処方法がないケースも多かったのです。

「もっと早く気づくべきだった!」「早期に発見し、ケアできる手立てがあれば!」という想いはずっと持っていました。

■自分で気づけない「いつもと違う様子」を気づくことは、働く人にも組織にも重要


――メンタル不調に早く気づくことは、メンタルヘルスにどのような影響があるのでしょうか?


高橋:本来的な発想として、メンタルヘルスケアはセルフマネジメントすることが理想です。働く人全員がそれをできるならば、それに越したことはないです。

ただし、実際にはそれは難しいですし、企業側がストレス要因となる環境を気づけていない場合もあり、企業が対処をすべきことも多く存在します。

従業員にセルフマネジメントを促すことと、企業が対処していくことの両方が必要になるのです。


メンタルヘルスケア自体簡単な問題ではありませんので、早期に発見できたとして休職や離職を100%回避できるものではありません。しかし、それを怠ってしまうと、休職者・離職者の増加による労働効率低下や、採用・教育等のコスト増加、働く環境としてのレピュテーションにも影響を及ぼすなど、事業の継続運営に大きな影響を及ぼします。


一方で、人事・労務に携わる方、管理職の方ならば想像がつきやすいと思いますが、メンタル不調に陥ってしまう方は、突然その状態になるのではなく「ちょっと困ってるけど…」「機会があれば相談したいけど…」という状態を経て不調をきたしてしまうのです。問題は、上司にも人事にも、なかなか相談しにくいケースも多いという点ですね。



――そのために機能にもこだわったようですね。どのようなところですか?


毎週というペースでメンタルコンディションをチェックするには、回答する側が手軽に答えられるという事が最重要でした。なので、質問は1問だけ、回答もテキスト入力ではなくビジュアル的に直感で選択できる画像を1タップするだけにしました。


管理する側も、従業員数が多いほど個々のデータを見るのが困難になりますし、他の様々な業務を担っていることも多いため、マニュアル不要な操作性と情報の一覧性を高め、一定周期の変化を数値化し、対処が必要な方をアラートで通知するようにしています。



――今後の展開を教えてください。また、どのような課題を持つ企業に使ってもらいたいですか?


高橋:複数拠点を持つなど、従業員数が多い企業はもちろんですが、柔軟な働き方を推奨するためにリモートワークを行う企業にも活用してもらいたいですね。もう少し加えれば、メンタルヘルスケアに少しでも課題感を持つすべての企業に活用いただきたいです。


コロナ禍の影響だけでなく、リモートワークやパラレルキャリアなど環境整備が進むにつれ、今後も就業形態は変化し続けていくはずです。同時に、企業内でのコミュニケーションスタイルも変化していく中で、働く人のメンタルヘルスケアを含めた就労環境の整備を企業と一緒に築いていければと思っています。国内外で広がりつつあるウェルビーイングの観点からも、今後ますます重要視されると感じています。



P&L Associates合同会社について

当社は、企業の人事・労務における様々な課題解決ノウハウを持ち、人事コンサルティングとHRテックを提供しています。その一つとして、個人のメンタルヘルス変化をより早く察知する人事向けクラウドサービス「Weekare」を開発し2021年にリリースしました。人事・労務の効果的な施策とHRテックを駆使し、誰もが働きやすく、心身ともに健全に活躍できるWell-being(ウェルビーイング)な社会づくりに貢献します。


会社概要

会社名 :P&L Associates合同会社 https://associates.pnl.co.jp/

本 社 :東京都渋谷区恵比寿西1-4-2川田ビル5F

設立日 :2019年3月

事業内容:HRテックプロダクトの開発・販売、人事コンサルティング




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