寄附総額2億円突破。地方のデザイン制作会社が立ち上げた店舗型ふるさと納税サービス『ふるさとズ』挑戦の裏側
株式会社サンカクキカクは、いわゆる「地方」と呼ばれる地域のデザイン制作会社です。私たちの企業ミッションは「デザインと企画の力」で地域が持つ強みを引き出し、地域をより元気に、より面白く発展させていくこと。その手段の一つとして、私たちは2021年9月に現地決済型のふるさと納税である「店舗型ふるさと納税(R)『ふるさとズ』」をリリースしました。
『ふるさとズ』は、開発当初から自治体や事業者様を中心に厚いご支援をいただき、サービス開始からわずか約1年半で寄附総額2億円を突破。メディアのお力添えもあって、現在多くの問い合わせをいただいています。
このストーリーでは、地方のデザイン制作会社がふるさと納税事業に参入した背景や、サービスに込めた思いを同社ライターが振り返ります。
店舗型ふるさと納税(R)『ふるさとズ』とは
『ふるさとズ』は、その場で直接寄附を行い、その場ですぐに返礼品を受け取れるサービスです。寄附者は訪れた土地のお店や施設にて、現地ならではの「体験」や「サービス」など形のない返礼品も楽しむことができます。より現地を体感しやすいことが特徴で、現地の魅力を通して地域のファンになってほしいと考えています。
なぜ?地方のデザイン制作会社が、ふるさと事業に参入する理由
2023年7月、サンカクキカクは第7期を迎えました。
設立前は、立ち上げメンバーの生まれ故郷である福岡県筑後地方を中心に、地場の良いものを集めたセレクトショップを展開したり、地域の農園やお店を取材して商品のバックグラウンドを発信するオウンドメディアを運営するなど、地域密着型の事業を展開していました。ゆえに、企業理念の根底には「地域のまだ知られていない魅力を広く発信したい」「地域に変化を興していきたい」というふるさとに根差した思いがあります。
その思いに共感するメンバーが一人、また一人と仲間になるにつれ活動の輪は広がり、いつしか行政や自治体を巻き込みながら、徐々に事業規模が拡大。日々、地域のさまざまな課題に向き合う中で、「ふるさと納税事業」に関する相談をいただくことになりました。
「ふるさと納税事業」は、全国規模で地域の魅力を開拓し、発信する重要な事業です。この事業に挑戦することで、私たちサンカクキカクは地域を愛する気持ちをさらに深めると共に、地域の魅力を多くの方々に伝え、地域と共に発展していくことができると確信しました。
ふるさと納税事業を通して見えてきた課題
▲耳納連山と筑後川
私たちはふるさと納税事業に取り組むなかで、3つの課題に直面しました。
一つ目に、自治体の業務負担が大きいこと。
返礼品の商品管理や受注管理、配送手配やトラブル対応などが業務を圧迫し、さらに、配送料など物流コスト面での財政負荷がありました。
二つ目に、返礼品として配送可能な「モノ」がある事業者しか参入できないこと。
実体がない「体験」や「サービス」は返礼品として扱いづらく、また、ネットを介するとなかなかその魅力を伝えきることができません。
三つ目に、寄附者に返礼品が届くまでに長い時間を要すること。
せっかく自治体やお店に興味を持ってもらえたのに、返礼品の到着を待っている間に熱が冷めてしまい、その後、地域を応援する行動につなげにくいといった課題がありました。
私たちが考える「ふるさと納税制度」を実現してみよう
このような現場を目の当たりにした私たちは、従来の「ネットショップ型」とも言えるふるさと納税の仕組み、そのものの在り方を考えるようになりました。
私たちが考える「ふるさと納税」とは、地元だったり、所縁があったり、単純にその地域が好きだったり、理由はさまざまあると思いますが、「ふるさとを想う」気持ちを納税という形で地域応援をすることだと考えています。
その考えのもと、現地に訪れた際の体験を通じて、現地で支払う費用をそのままふるさと納税にできる仕組みがあればと考え、現地決済システム『ふるさとズ』開発に着手しました。
課題を共有し、同じ目線で仕事できる仲間との出会い
システム開発の走り出しは外注でした。ところが、外注先と想いの部分をなかなか共有できず、細かい調整に限界を感じることも。そこで、当時フリーランスエンジニアとして活躍していたたなかせいじさんの力を頼りました。彼は、これまで幾度となく組織の事業を伴走してきた方です。
たなかさんは、スカウトを受けた当時の心境をこう振り返ります。
▲現・株式会社サンカクキカク最高技術責任者 たなかせいじさん
「ふるさと納税での現地決済は今までに聞いたことがない取り組みで、システムを実現できたらおもしろいだろうなと思いました。あとは、ぼくも寄附者としてふるさと納税制度の仕組みに不便を感じていたので、宇佐川代表が抱えている課題感に共感するところも大きかった。それに、彼の『地域を良くしたい』という想いを昔から知っていたので、力になりたい思いもありました」
さらに、同じく課題に共感いただいたつくばみらい市の協力がありました。同市のゴルフ場に『ふるさとズ』を試験的に導入していただけたことで、利用者のニーズを引き出し、システム構築に現場の声を落とし込むことができました。
「余計な機能を持たせないこと。できる限りシンプルに」「誰にとっても易しいシステムにしよう」これらを合言葉に、自治体や事業者の多大な協力のもとブラッシュアップを重ね、不安定な部分をしっかり現場で固めていきました。
サービスリリース後、寄附総額が伸び続ける。その手応えと、地域の資産となる「地域ファン」の重要性
リリース後、サービスの問い合わせはすべて代表に直接つなぎ、システムの改善はスピード感を持って徹底的に対応するように努めました。また、SNSでの販促活動などO2O(Online to Offline)によるファンづくりにも励みました。
多くの方々に支えられながら、『ふるさとズ』はリリースから約1年で寄附総額1億円、その後約半年で寄附総額2億円を突破。メディアに注目される機会も増え、契約自治体は20を超えました。今年5月には、ビジネスモデル特許を取得。百貨店とコラボした販促イベントの開催など、多方面への展開も見せています。
事業の今を、代表の宇佐川はどう捉えているのでしょうか。
▲株式会社サンカクキカク代表取締役 宇佐川 桂吾
「ぼくたちは、サービスの普及自体やどれだけ寄附額を募ったか、それ自体を目標にしていないんです。ぼくらの目的は、地域に変化を起こすこと。『ふるさとズ』はあくまで、そのための道具として作りました。
だから『ふるさとズ』に喜びの声をいただけてうれしい反面、『この町応援したいな。この自然を守りたいな』という思いに寄り添って寄附が動く、本当の意味でのふるさと納税という形を、今はまだあまり多く実現できていないと思います」
代表の宇佐川は、ふるさと納税事業にとって大切なことは、どれだけ寄附額を募ったかではないと言い切ります。
では、『ふるさとズ』はこれからどのような形で地域に貢献していくのか。サービスを通じて生まれる「地域のファン」こそが、各地域にとって真の財産になると続けました。
「ぼくが、ふるさと納税事業を通して実現したいこと。それは、地場の潜在的な魅力や価値を見つけ出し『見える形』にしていくことです。するとどうなるか。その地域の価値に紐づいた、新しいサービスや商品が生まれる。その魅力に気付いた人たちが、地域のファンになる。ファンが増えれば、さらに大きなアイディアにつながる。実現しようとする力が働く。変化がどんどん連鎖して、地域が活性化する状態が生まれます。つまり、地域をより元気に面白くするには、寄附そのものを増やすだけではなく「変化が継続していく状態」を作り出すことが大事です」
『ふるさとズ』は、地場の潜在的な魅力や価値を『見える形』で提供するツールとして、地域のファンづくりに大きく貢献します。
代表の宇佐川は、見えない価値を形にすることこそ、デザイン制作会社である我々の出番だといいます。デザインと企画の力で、地域の潜在的な魅力や価値を引き出し『見える形』にする、この先の事業展開は、現地に訪れた人が、『この町応援したいな!』と思うタイミングを作り広げていくことだと続けます。
特産品がない地域にも「地域のファンをつくる仕組み」を広げたい
▲店舗QRを読み込むと『ふるさとズ』で決済できる仕組み
今、ふるさと納税制度をきっかけに、自治体や事業者、地域のお店、農家さんまで一緒になって「売り方の研究開発」をしています。日本中が一つの事業を通して、商品開発や顧客マーケティングを学び合っている時代とも言えるでしょう。かつて、これだけの規模で人々が商品を売るために思考を練り、実践する場があったでしょうか。きっとこれまでにない発想や、新しい商売のプロセスがどんどん生まれてくるはずです。
私たちも『ふるさとズ』を糸口に、地域の方々と伴走しながらその土地の潜在的な魅力や価値を探り、どのように形にするかを考え、試行錯誤し、実践していきたいと思っています。また、自治体同士の課題感を共有し、課題解決に導く情報交換の場としてのプラットフォームに『ふるさとズ』を育てていくことを構想しています。
「私の故郷には何もない」
「人が来るような特産品や魅力がない」
それでも、この地域に変化を起こしたい。
地域に暮らし、地域を愛し、発展させたい想いを胸に抱く方は、少なくないはずです。
私たちは地域の魅力を信じる方々と共に、地域が持つ強みを引き出し、地域をより元気に、より面白く発展させていくために生まれた組織です。
サンカクキカクは『ふるさとズ』を起点とし、これからも「デザインと企画の力」で、地域に変化を起こす仕組みづくりに挑戦していきます。
【サービス詳細】店舗型ふるさと納税(R)『ふるさとズ』の特徴5つ
1.現地で寄附後※、その場ですぐに返礼品を受け取れる
2.地域の魅力を現地で体験できる
3.地元企業の活性化に貢献できる
4.町と事業者がともに地域の魅力を発信できる
5.O2O(Online to Offline)によるファンづくり
※ 事前決済も可能です
導入後も継続して地域の事業者をサポート
私たちサンカクキカクは、ふるさと納税のみならず、地域の事業者の皆さまへのDX支援やオンライン集客、ネットショップ販売支援などを行っています。
▼現地での事業者支援
2023年6月7日(水)、京都府船井郡京丹波町にて地域の事業者向けに「Googleマップ実践運用講習会」と「店舗型ふるさと納税(R)『ふるさとズ』の導入説明会」を開催しました。
セミナーではGoogleマップを用いた店舗への集客力アップのコツや、自社の魅力を効果的に伝える方法を解説。また、京丹波町で『ふるさとズ』導入後に寄附額が大きく伸びたお店の事例を元に実際の効果や導入のメリット、システムの詳しい操作方法などをデモンストレーションを交えて説明しました。
▼O2O(Online to Offline)サポート
Online to Offlineとは「オンラインから実店舗への集客」を目的としたマーケティング手法です。オンラインからオフラインへの顧客誘導を促進し、現地での体験やサービス利用による有益な顧客体験を提供します。
フォロワー2万人(2023年6月現在)を超える『ふるさとズ』SNS公式アカウントでは、サービスを導入している自治体の魅力を発信したり、特産品のプレゼント企画を実施するなど、消費者に向けて地域の認知や興味喚起を促します。
『ふるさとズ』の既存ユーザーに対しては、顧客に合わせた販売促進を行い、ほか自治体や実店舗に興味・関心を持っていただくきっかけ作りを行っています。
『ふるさとズ』公式Twitter:https://twitter.com/furusatoscom/
『ふるさとズ』を導入した自治体様の声
・実際に市を訪れ、この町の魅力に直接触れていただいた方に返礼品を提供できることを嬉しく思います。このサービスを活用して、自治体のファンになっていただける方を全国各地に増やしていきたいです。
・町を訪れた感動と共に返礼品を持ち帰ってほしいと思います。
・店舗型ふるさと納税を導入して、ひと月に約100件の登録をいただき、現在180万円くらいの寄附をいただいています。まずは町に訪れて町の産品のファンになっていただき、結果として納税額が伸びていくことができれば良いなと考えております。
導入を決めたある自治体様は、導入する上で導入済みの自治体様に電話をして実情をヒアリングされました。ほぼすべての自治体から「サンカクキカクさんはただシステムを導入するだけでなく、よく動いてくれます。導入してよかった。」と回答をもらい、導入を決めたそうです。
また、導入店舗で『ふるさとズ』を知ったという一般のお客様からは、「良いサービスだと思う」「返礼品がいつ届くかわからないという不安もなく、その場で返礼品を受け取れる仕組みはうれしい」など、お喜びと期待の声をいただいています。
株式会社サンカクキカク
サンカクキカクは、デザインと企画の力で地域のもつ潜在的な価値を顕在化し、地域に変化を起こすことで面白い日常を作るローカルベンチャー企業です。
私たちは、それぞれの専門性を活かしながらチームでプロジェクトを動かしていきます。ユーザーセンタードデザインの概念を大切にしており、ユーザーが体験する全てを設計・デザインします。
企業や行政、教育機関など多くの地域の登場人物に「伴走」し、一緒にチャレンジをし、一緒に成長しています。
【事業内容】
*ブランディングデザイン(ホームページ制作、EC制作、各種デザイン制作、動画制作、SNSマーケティング、EC運営サポート、イベント企画、広告運用代行、キャリア教育など)
*ふるさと納税管理事業(6行政)
*店舗型ふるさと納税(R)『ふるさとズ』など新規事業複数
※商標登録
「店舗型ふるさと納税」 商願2021-068721
「モバイルオーダーふるさと納税」 商願2021-068722
「体験型ふるさと納税」 商願2022-52069
「ゴルフ場 de ふるさと納税」 商願2021-164066
※ビジネスモデル特許
「返礼装置、返礼方法、およびプログラム」(出願番号:特願2022-094343)
*産学連携事業複数
【基本概要】
会社名 : 株式会社サンカクキカク
代表取締役: 宇佐川 桂吾
所在地 :福岡県久留米市藤光町934-1
設立 : 2017年7月
URL : https://suncackikaku.com/
【自治体・企業などからのお問い合わせ先】
株式会社サンカクキカク 宇佐川
TEL :050-5444-4054
【本リリースに関する報道お問い合わせ先】
株式会社サンカクキカク 広報担当 中島
TEL :0942-65-7337
e-mail:ask@suncackikaku.co.jp
■『ふるさとズ』導入公開済みの自治体一覧
現在公開済みの自治体さまをご紹介します。
・茨城県つくばみらい市
・茨城県八千代町
・茨城県桜川市
・茨城県牛久市
・茨城県筑西市
・茨城県土浦市
・茨城県かすみがうら市
・茨城県行方市
・茨城県茨城町
・静岡県清水町
・静岡県裾野市
・千葉県茂原市
・岐阜県飛騨市
・京都府京丹波町
・岩手県紫波町
・群馬県富岡市
・福岡県大川市
・福岡県広川町
・神奈川県茅ヶ崎市
・熊本県阿蘇市
(令和5年8月1日現在:20自治体さま)
■『ふるさとズ』マップ
全国で導入をいただいている自治体をマップでご紹介しています。
お近くにある『ふるさとズ』をご利用いただける店舗を、地図上でご覧いただけます。
https://www.google.com/maps/d/u/0/viewer?mid=1IeUeeaPVxKGuLZ_gBHYwmLWEgY4y0S0
■『ふるさとズ』ゴルフ場一覧特集サイト
こちらから事前のご寄附も可能です。関東近郊のゴルファー必見の「ふるさと納税で楽しめるゴルフ場」をお教えします。さっそく次のプレーは「ふるさと納税」で楽しみましょう!
ふるさと納税でゴルフを楽しむ!
関東近郊のゴルファー必見!「ふるさと納税で楽しめるゴルフ場」をご紹介。当日のプレーや施設内のショップなどで使えるチケットを、ふるさと納税の返礼品として利用できます!
■『ふるさとズ』公式SNSアカウント一覧
▼Twitter 最新情報や、おすすめのスポットを毎日配信中!
https://twitter.com/furusatoscom
▼Facebook 最新NEWSをお知らせ!リンクを飛んで事前ご寄附もスムーズにできます。
https://www.facebook.com/furusatos
▼Instagram ふるさと納税でマチ旅♪リール動画で素敵なマチをご紹介しています。
https://www.instagram.com/furusatoscom/
▼YouTube 1分でわかる事業者様向け「操作説明動画」をご紹介中♪
https://www.youtube.com/@furusatos
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ