株式投資を楽しく学ぶ模擬投資アプリ「賢者のポートフォリオ」。MVPとリーンスタートアップの手法を採用した開発のステップと未来の展望とは
あせまねライフ株式会社は、株式投資の模擬体験アプリ「賢者のポートフォリオ」を核とする投資教育サービスをインターネット経由で会員に提供する企業として2018年に創業したベンチャー企業です。その目的は、わが国家計の喫緊の課題で、政府の重要政策でもある「貯蓄から資産形成へ」を後押しして、一人でも多くの人が豊かな未来生活を送れるように投資への意欲を醸成し、サポートすることです。そのため、当社が提供する投資教育サービスの核となる、「賢者のポートフォリオ」アプリを開発しました。長期の資産形成を模擬投資で体験できる、今までにない画期的なアプリです。
開発に際して、MVP(Minimum Viable Product、実用最小限の製品)というシリコンバレーのITベンチャーでは主流の開発手法と、リーンスタートアップという「無駄のない起業」の手法を取り入れました。これを実践することで無駄な開発コストをかけず、利用者のニーズに則したプレイモードのラインアップを揃えることができました。
アプリの開発はひと段落し、皆で楽しく学ぶ機能や、ゲーム性の高い機能を追加したモードで会員数の激増に挑戦してまいります。本ストーリーでは、その裏側をお伝えします。
あせまねライフ創業者の2人
金融業界で培ったノウハウを社会に還元すべく、定年退職を機に創業
あせまねライフの創業者2名は、大手証券会社の調査部門などで資産運用モデルの開発や、年金基金などの機関投資家向けにコンサルティング活動を長年行ってきました。また、大学の経済学部や商学部などで金融教育や投資教育に携わった経験もあります。
定年退職を機に、今まで生活基盤を提供してもらった金融業界への恩返しという意味も込めて、これまでに金融業界で培った知識ノウハウをサステナブルな形で社会還元することを目的に、2018年3月にあせまねライフ株式会社を設立しました。
社名の由来は、「資産運用を生活の一部に(Asset Management for your Life)」というミッションからきています。会社のビジョンは、「草の根の金融リテラシーの向上」で、わが国家計の喫緊の課題で、政府の政策でもある「貯蓄から資産形成へ」を後押しして、一人でも多くの人が豊かな未来生活を送れるように投資への動機付け、サポートをしたいという思いです。
長期投資を体験できる今までにないアプリを開発したい
その思いを実現すべく、株式投資を模擬体験できるアプリへ注目しました。触る中で見えてきたことは、同ジャンルの既存サービスは、全て短期投資を体験するものでした。これらは、これから先1か月~3か月の間に起こる経済環境の変化が株価に及ぼす短期的な影響をその期間で体験できます。
しかし、長期投資を体験するには、それだけの時間経過が必要になり現実的ではありません。そこで、私たちが目指したのは、長期の堅実な投資で資産形成を目指す個人投資家が、短い期間で長期投資を体験できるアプリの開発です。
過去のデータを使って双六様式のゲームを作る
「賢者のポートフォリオ」アプリは、過去の30年超の実データを使い、過去にタイムスリップしたような感覚で、その時々の経済市場環境の下で、銘柄を選択し、1年~5年の投資結果をその場で確認できます。しかし、ここに行きつくまでには様々な試行錯誤がありました。
まず、ゲーム形式で楽しく学べるようにしたいと思いました。多くの人は、投資や金融教育について今まで学校で習う機会がありませんでした。そのため、聞きなれない用語がたくさん出てきて、難しいという先入観があります。それを払しょくするため、ゲームで楽しんでいるうちに自然と身に付くようにできないかと考えました。そこで出てきたコンセプトが、「習うより慣れろ!」です。何も知識がなくてもゲームを始めることができ、ゲームで高得点を獲得するために、「攻略のヒント」やその時点の経済状況、投資指標など、銘柄選択に関わる情報を確認するようになり、少しずつ知識が蓄積されるという仕掛けです。
次に、銘柄選択の結果がすぐに見られるようにしたいと思いました。長期投資を体験するには、選んだ銘柄のパフォーマンスが良かったのか、悪かったのかをすぐに確認できることが必要です。これは過去のデータを使えば可能です。既存の「短期投資体験アプリ」と差別化するための最大のポイントだと思いました。
このように、「ゲーム形式」と「過去のデータを使う」がアプリ開発のポイントですが、シンプルでわかりやすく、そして金融経済との関係で長期投資を体験できるものでなければなりません。皆が楽しめるゲームは何かと考えた時に、誰でもやったことがある双六が思い当たりました。つまり、「双六様式のゲームを想定し、サイコロを振ってランダムに現れる目の代わりに、ランダムに提示される12銘柄の中から、5銘柄を選択して、ポートフォリオのリターンの大小で得点を競うようにする」というアイデアです。
シリコンバレー流のMVPによる開発と無駄のない起業を実践
MVPは「Minimum Viable Product」の略で、シリコンバレーのITベンチャーでは主流の開発手法です。日本語では『実用最小限の製品』などと翻訳される開発手法で、最初から100%の完成品を作ろうとせず、いわばプロトタイプの実用製品を最小限の資金と、労力、時間でいったん作成し、それを市場に投入してユーザーの反応を見ながら、機能の修正・追加を重ねて徐々に完成度を高めていくものです。
一方、ベンチャービジネスでは大企業と違って、人手と資金がないので、「無駄のない起業」が重要です。参考にしたのが、エリック・リースの「リーン・スタートアップ」という手法でした。無駄になるようなシステム開発は極力避けて、足りない人手はクラウドワーカーを採用することにしました。具体的には、紙芝居的なモックアップの製作と「ものづくり補助金」を活用したシステム開発です。
ブラウザーゲームとして開発するも、システム負荷の問題に直面、ドキュメンテーションの重要性を知らされる
スマホゲームといえば、ダウンロードタイプが一般的です。しかし、投資教育に関する情報を機動的にアップデートして会員に提供するアプリとしては、ブラウザーゲームが適していると判断しました。なぜなら、ブラウザーゲームでは、ゲームが途中でもスマホ、タブレット、PCに引き継ぐことができます。そのため、通勤時間や昼休み時間などの隙間時間を利用して、シームレスにゲームを進めることができ、投資教育サービスを受ける顧客の利便性が増すと考えました。
一方、利用者の拡大に伴って、システムへの負荷がかかり、トラブルが発生するリスクが高まります。実際、システム開発がひと段落した時点である見込み顧客に説明するためにプレゼンテーションを始めたところ、アプリが固まって動かなくなってしまったことがありました。この時はシステムに負荷がかかる計算プロセスが原因でしたが、さらに操作ミスが重なってしまいました。
このトラブルの原因究明には時間を要しました。その理由は、システム構成のドキュメンテーションがしっかりしていなかったからです。システムのどこかに問題が生じた際にその問題個所を洗い出すには、簡潔で正確なドキュメンテーションが欠かせません。メンテナンスコスト削減の要ともいえます。
アプリが完成し、長期投資を実践するコミュニティ(賢者クラブ)を核とするエコシステムへ
シングルプレイモードの開発と市場投入
MVPの考えに則って、当初想定した株式投資をゲーム形式で楽しく学べる機能を備えた「シングルプレイモード」を市場投入しました。その際、一般会員募集のマーケティングを行いました。具体的には、①クラウドファンディング(マクアケ、CAMPFIRE、かなエール、未来ショッピング)、②WEB広告のテストマーケティング、③アフィリエイト広告、④SNS広告(Facebook広告)です。しかし、いずれも目に見える成果は得られませんでした。
そこで、アプリの認知度を高めること、そしてSDGsの目標達成に寄与することを目的に、2020年から大学の演習教材として無償提供を始めました。その結果、2023年6月末時点で延べ19の大学の経済学部や商学部、経営学部の一部の授業で採用され、約2,700名が受講しています。
また、受講生にアンケート調査を実施したところ、2023年度の調査では演習に対する満足度は約86%と高く、楽しく学べたという意見が多く寄せられました。また、演習を通じて金融経済の知識が深まったと思う人は90%を超え、ほとんど株式投資の経験のない学生が、株式投資に興味が湧いた(約90%)、実際に投資を行ってみたい(約86%)と回答しました。アンケート調査は2021年度から始めて今回が3回目ですが、いずれの年度でも同様の結果が得られており、高い教育効果が確認されています。
MVPの考え方を実践しながら、新たなプレイモードをリリース
コロナ禍で対面授業が難しかった2021年に、ある大学では、コロナ対策をしっかりした上で、対面授業のゼミでアプリを利用していただきました。その際、アプリを使ったチーム対抗戦でチーム内の対話を促して教育効果を上げるとともに、授業で初めて会うゼミ生間の「お互いを知る効果」としても役立つことが確認できたのです。その際、ゲームの進捗状況をゴルフのリーダーボードのように、順次確認できると、対抗戦ゲームの臨場感が増すという意見が出されました。そこで、「ギャザリングコンペ」としてこの機能を開発することにしました。
「ギャザリングコンペ」は、誰かがホストになればコンペを設定でき、ゲームの進捗と順位をリアルタイムに表示できるので、友達や仲間が集まって、あるいは離れていてもボードゲームのように楽しむことができます。
さらにゲームの骨格は変わらず、ゲーム性を高めた「トライアルコンペ」と「ステップアップバトル」のプレイモードをリリースしました。前者はバーチャルな対戦相手と獲得点数を競いながら課題の館をクリアするもので、一人でゲームを続けるのは飽きるという意見を受けて開発しました。後者はさらにゲーム性を高めて、若者世代にアピールすることを狙って開発したものです。
いずれも大学での利用状況や反響を踏まえて開発を進めたもので、MVPとリーンスタートアップの考え方に則ったものでした。
資産形成に問題意識のある人々にターゲットを絞り込み、コミュニティ形成へ
「賢者のポートフォリオ」アプリの開発は、MVP手法で進めることができました。皆で楽しく学ぶ機能や、ゲーム性の高い機能を追加したモードをアピールして会員数の激増に挑戦していきます。ターゲット層は、NISA口座を開設したけれど、どのような金融商品を選べば良いのか不安な人など、将来の資産形成に問題意識のある人達です。この層に株式投資へ踏み出すきっかけと自信、意欲を身に付けることができるアプリであることをアピールして行きます。そして、資産形成の準備ができた会員(賢者クラブ)のコミュニティを通じて金融のエコシステムを構築したいと考えています。これによって、わが国の金融システムの発展に貢献することが長年勤めてきた金融業界への恩返しになると確信しています。
「賢者のポートフォリオ」アプリについて
会員は一定回数のプレイを毎日無料で楽しめます。現在、全てのプレイモードを無制限にお楽しみいただける入会キャンペーンを実施中です。
【URL】https://kenja-port.com/lp03/
【関連サイト】
あせまねライフ株式会社のホームページ
「賢者のポートフォリオ」のポータルサイト
https://am-life.co.jp/portfolio-of-sage/
「賢者のポートフォリオ」のSNS
Facebook:https://www.facebook.com/kenja.port
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編集・著作・発行 :あせまねライフ株式会社
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