経済活動に豊かな人間性を。“人間経済学”の社会実装を目指す「HAKUHODO HUMANOMICS STUDIO」の研究プロジェクトとは
博報堂とSIGNINGが共同プロジェクトを始動した理由
企業間の競争が性能や機能から人の体験価値にシフトしていく中で、企業経営や経済活動を人間らしさの観点から捉え直し、よりよい企業、より豊かで望ましい社会の実現を目指していくべきなのではないか。そんな考えから、「生活者発想」をフィロソフィーにかかげる博報堂と、「兆しからより良い社会の道標をつくる」をビジョンにかかげるSIGNINGによる共同プロジェクト、「HAKUHODO HUMANOMICS STUDIO」は始動しました。「Humanomics」とは「Human」と「Economics」をかけ合わせた造語で、経営やビジネスに豊かな人間性を取り込んでいこうとする、いわば”人間経済学”的なアプローチで、レポート等の情報発信に加え、経営へのコンサルティング、事業・サービス開発等の支援を提供していきます。
急速なデジタルシフト、加速する環境課題、広がる経済格差。科学技術・情報技術のめざましい進化と発展によって便利で快適な生活を手に入れた一方で、近年、様々な社会課題が浮き彫りになってきています。
サステナビリティ・SDGsに代表されるように、効率性・経済合理性の追求による社会成長の限界について語られることも増えました。
「便利・快適を追い続けた先に、何があるのだろうか。」「私たちが人間らしくあるための、本当の幸せはどこにあるのか。」世界はいま、そんな人類の根源的問いに直面しています。
企業間の競争が性能や機能から人の体験価値にシフトしていく中、企業経営や経済活動を人間らしさの観点から捉え直し、クリエイティビティで、よりよい企業、より豊かで望ましい社会の実現を目指していくべきなのではないか。
そんな思いのもと、「生活者発想」をフィロソフィーにかかげる株式会社博報堂は、2023年4月、「兆しからより良い社会の道標をつくる」をビジョンにかかげる株式会社SIGNINGと共に「HAKUHODO HUMANOMICS STUDIO」を立ち上げました。
経営やビジネスに人間性を取り込んでゆく「Humanomics=人間経済学」の考え方とは
「Humanomics」とは「Human」と「Economics」をかけ合わせた造語で、経営やビジネスに豊かな人間性を取り込んで行こうとする、いわば”人間経済学”とも呼べるような考え方です。
特に、私たちは次の7つの考え方を大事にしています。
①生活者起点で考える ②利益の増大と人・社会の幸せの両立を大切にして考える ③複雑さを読み解き意味づけして考える ④人はストーリーで動く ⑤人は利他的にも行動する ⑥人はコミュニティやつながりも重視する ⑦誰もがみな潜在能力をもっている
私たちは、費用対効果や合理性、便益だけでは語ることのできないところにこそ、「人間らしさ」があると考えています。経営やビジネスを”脱合理”の視点で見つめ直すことで、より豊かで、より人間の本質的な幸福で満たされた社会の実現につながるのではないかと期待しています。
HAKUHODO HUMANOMICS STUDIOでは、「経済活動に豊かな人間性を」をテーマに、“人間経済学”の社会実装を目指して研究と実践を行うことを目的として活動しています。
最初の研究テーマは、「Spiritual But Not Religious(無宗教型スピリチュアル)」
第一弾の研究テーマとして、2023年4月6日に、「HAKUHODO HUMANOMICS JOURNAL #1 【SBNRレポート】」をリリースしました。
SBNRとは「Spiritual But Not Religious」の頭文字で、直訳すると「無宗教型スピリチュアル」のことを言います。よりわかりやすく言うのなら、自然との触れ合いやマインドフルネスなど、あらゆるものが満たされた現代社会の中で生まれた、目に見えない精神的な豊かさを求める、新しいライフスタイル・価値観を持つ人々のことです。
一見近寄りがたくも感じられるテーマですが、私たちは、SBNR的ライフスタイルを、こころ(Soul)、からだ(Body)、しぜん(Nature)、つながり(Relation)を大切にする暮らし方である、と4つの頭文字になぞらえて再解釈しました。
最近若者を中心に流行っているサウナや瞑想、さらには「いただきます」を言う、初詣に行くなどの習慣も、実はSBNR的な精神的豊かさを求めるライフスタイルの1つであるともいえます。
SBNRの考え方には「人々の幸せはどこにあるのか」という根源的な問いに対するヒントがあると考えています。
目に見えない社会資源から、目に見える経済価値を生み出す。組織・人材の強化や社会価値創出など、これからの時代に求められる様々な経営課題をSBNR的視点で見つめ直すことが、会社の幸せと社会の幸せを共につくる、新時代の日本型経営メソッドなのではないでしょうか。
SBNRレポートでは他にも、歴史と文化から紐解く日本人とSBNRのつながり、SBNR視点を取り入れた企業経営への7つのインスピレーションなどを提言しています。
また、HAKUHODO HUMANOMICS STUIDOの理念やSBNRがビジネスに与える影響などについて、SBNRレポートの編集部員がこちらの対談記事で詳細を説明しております。
HAKUHODO HUMANOMICS STUDIOでは今後、推しの心理で経営・ビジネスを考える「オシノミクス」や、新時代の新しい社会と企業、生活者とのつながりをつくる「贈与」など、多彩なテーマでの研究開発やレポート発信、事業支援、サービス開発を行ってまいります。
レポートの詳細に関するご相談やHAKUHODO HUMANOMICS STUDIOについてのお問い合わせは、こちらよりお願い致します。
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