明治時代から続く京都の老舗履物匠「祇園 ない藤」。かかとのない履物「ゆびまた First Kappo」が誕生するまで。
「ない藤」は京都で100年を越えて履物を作り続ける「用の美」伝承によるモノ作りの老舗です。
履物は風土の培われた暮らし、生活様式から生まれた道具で、衣装の従者ではありません。「ない藤」はそのような履物の本質を理解し、使い手を主人公とした"席"に"時"に寄り添い、見目麗しく、使いやすい、そして修理可能な履物を作り続けています。見た目の美しさだけにとどまらず、その日の目的や格調を表す意味を含んだ特別な一足を、入念な下ごしらえと丁寧な仕事で一人ひとりのお客さまの歩き方や足の特徴にも添うように仕上げてまいります。
2013年には「JOJO Naitou」を発表いたしました。装履をルーツとした新しい履物で、指股にしっかりと力を入れて重心を下げて体を使うことを促しています。商品名は、古くからのぞうりの方言である「じょじょ」に由来。日本のモノづくりの原点を大切にし、伝統的なモノを創り続けると共に「着物と利用する履物」のように非日常になったモノを暮らしに寄り添い、世界とコミュニケーションできるモノに変換していくことを目指しております。
さらに、2021年3月にはかかとのない履物「ゆびまた Kappo」が誕生しました。より、歩き方や姿勢へのアプローチを重視した新たな商品を開発。この度、その第二弾として「ゆびまた First Kappo」の開発に挑戦するため、Makuakeにて応援プロジェクトを開催しています。
プロジェクトページ:https://www.makuake.com/project/yubimata-kappo02/
ちょっとした偶然から生まれた「ゆびまた Kappo」
京都祇園にて和装履物匠「ない藤」の5代目当主、内藤誠治と申します。
初期モデルの「ゆびまた Kappo」は、ちょっとした偶然から生まれました。ある時、郵便局に行こうと思った時、たまたまXSサイズの草履しかなかったんですね。サイズにして19cmほどの履物で。
私の足のサイズは28cmですから、ずいぶん小さいのですが、近所だしいいかなぁと。徒歩数分ですが、実際に歩いてみると、自分の身体がとても心地よく、いい感じだな!と感じました。
その日以来、19cmのXSサイズの草履を履くようになり、2,3ヶ月が過ぎた頃、私自身が以前より正しい姿勢を意識できていることに気づきました。
このことを整体の先生にお話したところ、この履物の構造がとてもよく、足指がよく動くようになっていると、お褒めの言葉をいただきました。
座り仕事の多い私が感じたことを検証するため、友人に試作品を送り試してもらいました。ちょうどコロナ禍の折、運動不足に悩んでいた友人たちから予想以上にたくさんの喜びの声をいただいたのです。
主婦や在宅ワークの方だけでなく、スポーツトレーナー、医療の専門家、身体のメンテンナス専門家などからも称賛をいただきました。これほどの声をいただくからにはと、多くの方に「ゆびまた Kappo」を体験いただきたいと思い、Makuakeのプロジェクトに挑戦することにいたしました。
ー 足音の軽減と、強い弾力性を共存させるため、素材を求めて探す日々。
「ゆびまた Kappo」の基本となる形状を開発するにあたって困ったことや苦労したことを聞いていただくことがあるのですが、困った。ないんです。なぜなら、古くから作っている伝統の知恵なので、やり尽くした結果が形として残っているから。
しかし、「ゆびまた First Kappo」はそこからさらにアップデートするために、試行錯誤を重ねました。特に、フローリングでの足音を軽減させることと、体のエクササイズ効果のため強い弾力性を持たせることを両立させることがとても難しかった。
まずはあらゆる素材を求めて、いろいろなところに探しにいきました。それぞれの素材ごとに、床に接地する部分の形状を複数パターンで試作。最終的にはかまぼこ状のパターンに決定しました。検証にあたっては、私自身が履いて過ごしてみることで、自らベストな形を追求していきましたね。
ー お子様にも履いてほしい。「よい姿勢は、よい未来を」
今の時代、たとえ子供たちが素晴らしい成果を上げたとしても、学力重視の教育のなかで、子供たちが未来に希望を持つことは難しいのではないか。私はそんな思いを持っており、この度の「ゆびまた First Kappo」発売は、未来への価値観の提案でもあります。
以前、とあるテレビ番組で有名講師の方がお母さんたちに「勉強ができないのではない。勉強をやり続ける姿勢を保つことができないのだ」、「そんな姿勢の子供たちにいくら勉強をしなさいと言ってもそれは無理なんです」と、言っておられました。それを見てから、”よい姿勢”は、”勉強ができる”の一つ手前にあるのでは?と、思い、「ゆびまた Kappo」を、小さい子供が履けるサイズ展開にした「ゆびまた First Kappo」を開発するプロジェクトを立ち上げました。勉強したい子供たちがしっかりと勉強できる。さらに、勉強に限らず、自分自身の興味に向かって集中力を使い、継続して物事に取り組みやい子どもたちの笑顔が見たいですね。
「よい姿勢は、よい未来を」と考え、「ゆびまた First Kappo」で、お子さんのよい姿勢のお手伝いを少しでもできればと考えております。
姿勢も気持ちも自然と上向き!履きやすくなった「ゆびまた First Kappo」
これまで「ゆびまた Kappo」は、「ソフト」と「ハード」の2種類をご用意しておりましたが、今回お客さまのリクエストにお応えして、小さいお子さまでも履ける新モデル「ゆびまた First Kappo」の開発に挑戦しています。”First”というネーミング通り、お子さまや初めて「ゆびまた Kappo」をトライする方が履きやすく、継続してもらいやすいモデルになっています。
「ゆびまた Kappo」シリーズは、足を鍛える履物ですが、「ゆびまた First Kappo」は、アウトソールを少しソフトに仕上げることで、足への負荷を軽減。さらに、ソールの厚みを従来のモデルより少し薄くし、まだ身体ができあがっていないお子さまや年配の方、筋力が弱い方に優しい仕様になっています。さらに、アウトソールが少し柔からくなったことで、フローリングを歩いた時のパタパタ音も軽減されました。
Makuakeにて応援購入プロジェクトにチャレンジ中!
「ゆびまた First Kappo」の実現に向けて、Makuakeで応援購入プロジェクトにチャレンジしています。履物の新しいモデルを開発するためには、土台の形や素材などを変えたさまざまなパターンの試作品を何度も作り、実際に履いてみて納得のいくものを作る必要があります。
今回は、親御さまで使っていただけるよう「ゆびまた First Kappo」のセット商品や、履物作りのイベントなどもリターンでご用意させていただきました。皆様からの応援、お待ちしております。
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