寝袋をスマートな大人に向けて再発明した「マルチナシカク」。Makuake開始後2週間で150万円を突破
私たちAfora(アフォラ)は、屋外にこだわらずユーザーの好きな場所でキャンプ気分を味わうことをテーマにしたギアをつくるアウトドアブランドです。「家も外も好き」をコンセプトに、これまでマルチグリドルやフィールドラックなど約20種類のプロダクトを開発してきました。
クラウドファンディングで注目を集めた「マルチナシカク」は、プロダクトマネージャーの辻陽大が自らのキャンパーの経験を活かし、寝袋に感じていた「場所を取る」「インテリアに馴染まない」という不満を解消したいという想いから開発したアイデア商品です。キャンプシーン以外では何かとネガティブな印象のある寝袋ですが、逆に自宅や車内に置くことでインテリアをおしゃれにできないかという遊び心がすべてのはじまりです。
このストーリーでは、スマートな大人のための寝袋クッション「マルチナシカク」の誕生秘話とプロダクトにかける想いを、辻(開発担当)が振り返ります。
アウトドアだけでなく家でもギアを使いたい欲張りなキャンパーに向けて
Afora(アフォラ)は、2021年に株式会社オーバーリンクが開始したアウトドアブランドです。「たまにしかキャンプ用品を使わないのに、一式そろえるのはもったいないのでは?」という疑問から、キャンプだけでなくピクニックや屋外行事、そして自宅でも使えるギアをつくるブランドAforaが生まれました。
「家も外も好き」のブランドコンセプトの元、これまでフィールドラックに始まり、タンブラー、ランタンなどオリジナル製品をリリースしてきました。
弊社は、Amazon様などのネットモールで販売を行ってきました。ブランド立ち上げ直後から多くのお客様にお買い求めいただき、それと同時に新しいカテゴリにも挑戦を続けてまいりました。
近年では、ユーザー様のアウトドアスタイルも多義に渡るようになり、商品開発の体制も多様なニーズに対応できるように変化させるに至ったのが2022年の昨年末です。そこでプロダクトマネージャーとして採用されたのが、私辻でした。
キャンパー経験を活かして理想のプロダクトを起案
私は商品開発は未経験でしたが、あらゆるキャンプスタイルを行ってきたキャンパーとして誰にも負けない自信がありました。
理想のキャンプ体験をするつもりでそろえてきたギアの数々ですが、それでも解消されない課題はいくつもあり、開発においてはこの気づきと経験が何より大切なものだと自負しています。数あるアイデアの中で真っ先に商品化したかったのが、キャンパーなら誰しもが1つは持っている寝袋でした。
愛すべき邪魔な存在、それが寝袋。その大きさ、形状、色調に問題意識を持った
テント内で快適に睡眠を取るために寝袋は必須です。テントの中で小さく丸まって過ごすあの時間こそが、非日常を感じられるキャンプの醍醐味です。しかしながら、テントの外に一歩出た瞬間、あれほどキャンプ気分に浸らせてくれる寝袋が、急に邪魔なものに思えて仕方なくなることにモヤモヤを抱き続けていました。
モヤモヤの原因は2つあります。まず、寝袋は本体が大きくスペースを取ります。圧縮すれば小型化しますが、それでもキャンプへ行き返りの車内やキャンプ後の保管の際には、それなりの空間を必要とします。
そして、本体と収納袋どちらのデザインもインテリアに馴染みません。もちろんテント内では抜群にアウトドア気分にさせてくれるのですが、車内やリビングに置いた場合、形状も色調もマッチしません。そのため、私自身は車のトランクの奥底にしまい込んで、極力目に触れないようにしていました。
こういった不満な思いを持っていたことから、真っ先に寝袋を改良してこれまでにない理想のプロダクトを創り上げたい!と考えていました。しかし、このときは気持ちが前のめりになり過ぎて、この開発がどれほど暗闇の中を手探りで進むことになるか知る由もありませんでした。
進化の余地が見い出せずに暗中模索。家族の何気ない一言がヒントに
これまでにいくつもの寝袋の使用経験があり、各社製品も知っていたため、商品の改良案に困ることはありませんでした。他社製品の良いところを取り入れ、私のアイデアも追加することで、機能的には満足できる出来のサンプルをつくることができました。
しかしながら、いくらサンプルを製作したところで、肝心のスペースとインテリアを邪魔しないという課題を解消できずに数か月の時間が経過します。
スペースを取らないようにするには、既存製品以上に小型化が求められます。ただ、現在の寝袋は長年の改良の結果で驚くほど効率的に作られており、更なる小型化を目指すとなると、寝袋として体温を保つという本来の機能が果たせなくなります。
そして、インテリアと調和させるためには、自宅や車内の色調に合うデザインや柄にすることになります。すると、メインで使用したかったキャンプサイトで、急にアウトドア感を減退させてしまうという矛盾が生まれてしまいます。
着手していたサンプルをマイナーチェンジするだけでは、この2つの課題を解消することは難しく、知人のキャンパーに相談を持ち掛けたり、ありとあらゆる寝袋を研究し、できることは何でも行いました。そんな暗中模索を続けていた中、家族の何気ない一言から突破口を見出すことになります。
必要なのは、既存の枠組みや常識からはみ出す勇気だった
遠方から帰ってきていた妹と食卓を囲んでいるとき、軽自動車の車内を可愛くしたいという話題があがりました。そこで、車内に合うクッションを購入することを考えているという言葉を聞き、衝撃が走りました。
軽自動車という決して広くない車内にも関わらず、それでも置いておきたい機能性とデザイン性。これは寝袋の課題を解決できる可能性を秘めていると直感で感じました。このヒントを元に、さっそく構想とサンプル作りに取り掛かりました。
これまで、私は今ある寝袋をどうやって小型化するか、デザインを決定すべきかという既存の枠組みの中で思考していました。その思い込みにはまっていたため、できることにも限りがあり、壁を突破できずに何日もふいにしてしまっていたことに気づかされます。
そもそも、寝袋を寝袋として持ち運ぶことも、保管する必要性もなかったのです。寝袋がスペースを取るなら、置いておきたいと思えるもの。インテリアに合わないなら、シーンに合わせて付け替えられるもの。こう考えることが正解なのだと、そのときはじめてわかりました。これは私にとってコペルニクス的転回でした。
ここからは怒涛の勢いで製品化まで進みます。寝袋本体はアウトドア感を大事にしたかったので、カジュアルなブラウンの色味に。そして、今人気のチェック柄やオニオン(ひょうたん型)キルトを取り入れ、室内でも違和感が出ないようにしました。
一方で、寝袋を入れるクッションカバーは対照的に落ち着いたデザインにしたかったため、ライトブラウンの合成皮革に決めました。これで、カバーを装着すれば落ち着いたシーンに、外せばカジュアルシーンに馴染む2スタイルで使用することができます。
このプロダクトは、厚みは欲しいけど小さくしたい、キャンプサイトで気分を味わいたいけどインテリアデザインとも合わせたい、という一見矛盾する理想の追求から誕生しました。この矛盾という点に着目し、『マル』チナ『シカク』という製品名をつけました。これは丸なの?四角なの?と初めて聞く人をちょっと惑わせるネーミングです。
クラウドファンディング、開始4時間でプロジェクト達成
寝袋にカバーを取り付けてクッションにするという、これまでに無かった商品をより多くの人に知って欲しいという思いがあり、Makuakeでプロジェクトを公開することに決めました。その結果、開始4時間で目標の50万円を達成し、2週間で150万円を達するに至りました。
応援購入くださった方のなかには試行錯誤で悩んでいるときに相談させていただいた知人もおり、「こういうのが欲しかったんだ」と開発者冥利に尽きる言葉をいただきました。この気持ちを忘れず、これからもお客様に笑顔になっていただける製品づくりをしていこうと強く決意を固めました。
お客様の小さな困りごとを解決することが私の仕事
今回のマルチナシカクをリリースする過程で、常識を疑い、お客様の課題に向き合う大切さに気付かされました。
既存の延長で課題解決を考えても、それが必ずしもうまくいくとは限りません。考え行き詰まりそうになったら一度立ち止まり、当たり前と捉えている常識を疑う。そして、常識からはみ出すことを恐れずに、お客様のお困りごとを解決するために最善を尽くす。私はこれが商品開発における一番大事なことだと学びました。
Aforaは今後もマルチナシカクで得た経験を元に、今まで無かったような発想で、家やバンライフ、ベランピングなどが好きな欲張りキャンパーさんに喜んでいただけるプロダクトをご提供してきたいと考えています。
▼クラウドファンディング:https://www.makuake.com/project/afora/
▼公式Instagram :https://www.instagram.com/afora.jp/
▼公式shop :https://afora.online/
<会社概要>
会社名:株式会社オーバーリンク
代表者:代表取締役 山本 達巳
所在地: 静岡市清水区相生町7番26号セントラルビル1階
設立 :2019年5月7日
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