割合を増す、日本のミドルシニアがポジティブに労働移動し、日本の活力を取り戻すために。「40代50代のキャリアチャンネル」誕生秘話。
#開発秘話 #ミドルシニア #キャリア自律
株式会社ビジネス代謝ラボは、2020年1月に創業した会社です。「ミドルシニアのキャリア自律課題を総合的に解決する日本で唯一の会社」を目指しています。
2020年の創業から3年半、ミドルシニアのキャリア自律を解決することへ取り組んでいる企業様の話を聞き、そこに必要なソリューションを考え、世の中にまだないサービスを開発してきました。現在、大きく3つのサービスを立ち上げています。
このストーリーでは、2023年1月にリリースした「40代50代のキャリアチャンネル」の開発ストーリーを代表の小高峯が語ります。
希望退職は最終手段。その前にもっともっとやるべきことがあるのではないか?
株式会社ビジネス代謝ラボの親会社である、株式会社ファインド・シーは2002年に創業した企業向けの研修企画開発提供を行っている会社です。
ファインド・シーとして事業活動している際に、長年お取引をいただいているクライアントの希望退職をご支援したことが、ビジネス代謝ラボを設立しようと決断したきっかけです。そのクライアントでは、デジタル化に伴う業務変革・組織変革を数年にわたり支援していました。弊社は現場に入り込み、一人一人の社員と対話しながら伴奏型のサービス提供をしていました。
現場の業務変革・組織変革は少しづつ進んでいましたが、詳細にみると「変革に対応できる人」「変革に対応したくない人、できない人」など、様々な人が存在していたのです。そのような状況もあり、企業全体が、経営層の要望に応えるだけの変革スピードを実現できていませんでした。
現場で、一人一人の社員と向き合い支援している身としては、経営の要望にこたえなければならないことは当然ですが、特に長年仕事をしてきた50代社員の「変わりたくない人」「変われない人」に働きかけ、変革推進する限界も感じていました。
この状況を打開するために、いろいろな方と話をし、情報を調べ、悩み考えました。しかし、公開されている情報が少ないことへ最初に躓き、また解決策も十分確立されていないことがわかりました。同時に、多くの企業で同じようなテーマに悩み取り組んでいることもわかってきたのです。
私たちは、様々な角度で考えた結果、人生100年時代となり、新卒で30年働き変化を受け入れたくない人、受け入れられない人には、社外への転進を推進することが必要ではないかという結論に至りました。社員の中には、まだまだ10年~20年働く中で、1社で仕事のやり方や職種そのものが変わりながらトータルで50年働くことが幸せだと感じる人もいる。一方、それよりも、1社にこだわらず自分のこだわりや能力を活かせる仕事に就く方が幸せな人もいる。したがって、後者の方にはセカンドキャリアを支援することが必要だという結論です。
私たちは、クライアントに希望退職を募る提案しました。クライアントとしてはこれまで雇用を守ることを最優先していましたが、社員の幸せは雇用継続だけではなく、人生100年時代を生きる力を付けることを理解いただきました。また、そのために明確な意思表示と、社外を希望する人への支援であることを納得いただき、希望退職をする運びとなったのです。
今振り返ると、経営として希望退職の実施は正しい判断だったと思います。実際に、社外転身した方が多く生まれました。しかし、私たちの思いは、とても「つらい」ものでした。純粋に社外転身を希望する人もいましたが、一部の退職勧奨を受けた人は、不満があふれ、苦しむ人も出てきました。職場の周囲の人にも影響が出て、職場の雰囲気は悪くなり、現場の管理職も大きなストレスを感じていました。長年、現場に伴走しながら、現場の一人一人とやり取りしてきた私たちとしても、とてもつらい出来事でした。
希望退職のニュースは多く世の中に出てきますが、その実情をご存じの方はどのくらいいるでしょうか。少なくとも、私たちにそのリアリティは、今回の取り組みを経験するまではありませんでした。そして、悩むこととなります。何かがおかしい。経営も社員も必死に取り組んできた結果、本意ではない転進をする人が生まれ、苦しい思いをする。これが日本企業全体に構造的に起こっていることだとしたら、本気で解決しなければと。
具体的には、企業は社内でのキャリア開発を行い、社員はキャリアを会社に依存した結果、社員の中で適応力・適応意思がない人が生まれやすい。そして、望まない社外転身をしなければならなくなる。もっと一人一人が自分のキャリアに責任を持ち、自らの意思で自分のキャリアを歩むようにしなければ、これからももっと起こるであろう大きな環境変化の度に、多くの苦しむ人が出ると。
当時、「働かないおじさんおばさん」という言葉がマスコミで話され出し、また、他のクライアントから「ミドルシニア層の活性化」についての相談が少しづつ増えてきていた環境もありました。「ミドルシニア層のキャリア自律」の課題については、これまでも存在していましたが、社員に占めるミドルシニア層の比率が年々高まり、定年延長議論もある中で、年々真剣に取り組まなければならなくなってきているという時代背景もあったのです。
(総務省 2022年度労働力調査(基本集計)表3 年齢階級別就業者数の推移 より作成)
これだけ多くの企業が困っていて、さらに増えてくる。また有効な解決策が十分にない。これを続けると、私と同世代の50代で、不幸なキャリアチェンジを強いられる人が大量に出ることになる。そうならないために、貢献したい。世の中にいいサービスを提供している会社があればそれをお伝えすればいい。ただ、もし、まだいいサービスがなければ、自分たちが当事者としてサービス開発して、この社会課題に貢献したい。そういう想いで会社を設立しました。
2年間企業との対話を繰り返し、共感を生んだサービスコンセプト
会社設立後の取組(サービス開発の背景)
そんな想いで2020年に会社を設立し、始めに様々な企業の課題をしっかり聴き、ディスカッションを通じて「今後何が必要なのか」を考えるところから始めました。また、SONY様はじめ先端の取り組みをしている企業様にご協力いただき、セミナーを開催したり、70歳就業機会確保努力義務に関する調査を実施したりと、色々な角度で企業の実態把握、取り組み情報の収集と整理に努めてきました。
設立して1年半経過したころ、サービス開発のアイディアを約10個だし、企業の皆様に意見を聞いて回りました。その中でもっとも評価いただいたのが、「社外転身者のリアルを伝えるサービス」でした。
このサービスのアイディアの基は、多くの企業ではキャリア自律のために、セミナーや研修、その後のキャリアカウンセリングなども実施している。しかし、「社内で再雇用しか考えられない」という人が多い。その理由をディスカッションすると、新卒プロパーで30年以上働いたミドルシニア世代は、これまで社外を考えてこなかった。また、定年後はハッピーリタイアメントが当たり前だという前提で育ってきている。この人たちにとって、定年後の仕事を想像すること自体がハードルが高いし、仮に想像する必要性を理解できたとしても、社外のことがわからなさ過ぎて想像できない。という声を数多く伺っていたからです。
サービス開発を決断する
お客様の声を踏まえ、社会に役立つサービスだと思いました。一方、約20年研修の企画開発を行ってきた弊社にとっては、壁だらけでした。
具体的には、「動画の制作ノウハウがない」「システム開発のノウハウがない」。従業員10名の弊社にとって「投資する人も金も余力がない」。また、「ミドルシニアのキャリア自律にお金を払う企業の習慣文化がない」。等です。
普通に考えれば、無謀なプランかもしれません。マーケットはあると思いますが、ミドルシニア問題は第二次ベビーブーム世代が過ぎればなくなるマーケットという声もあります。10年後にも大きなマーケットになっているかと言えば、そうではないかもしれません。そんな中で、開発の決断したのは、お客様からの共感と応援の声でした。
「これからの日本にとって絶対に必要なサービスだと思います。日本のミドルシニアを元気にするために、私も協力しますよ」。
現在弊社のプランニングアドバイザーをしている元東京海上日動火災保険株式会社のキャリア戦略室長であった清田さんの言葉です。その他多くの企業の皆様から応援の言葉をいただき、やるしかないという決断をしました。
ノウハウが全くない中でのサービス開発は1年かかりました。一つ一つ壁をクリアしながら、また新しい壁が出てくるという1年でした。例えば、リアルな声を伝えるために、可能な限り、実名実社名で動画で語ってほしい。しかし、そもそも対象になる人を見つけることが難しい。また、実名実社名で話してくれるだろうか?法律的には問題ないだろうか?こんな課題が沢山生まれました。課題が生まれるたびに、行動するしかありません。人海戦術、ネットなどで情報を調べ直接交渉するという連続です。
上記については、法的な問題は弁護士のアドバイスの基で対応しています。また、動画への出演については、想像以上に皆さんが協力的でした。というのも、「自分もキャリアに悩んで今があります。私の体験が役立つのであれば喜んで」と多くの方が、このサービスのコンセプトに賛同共感してくださり、今に至っています。
2023年1月「40代50代のキャリアチャンネル」リリース
様々な壁を乗り越え、2023年1月6日、ビジネス代謝ラボ設立3周年の日にリリースしました。とはいっても、まだまだサービスとして十分なものではありません。もっとコンテンツの充実、機能の充実が必要です。
そこで私たちは、まず最初に接点のある企業の皆様へ、実際にサービスを見ていただき、フィードバックをいただくことを始めました。評価はどうか?社内で活用するとしたらどうんな活用が考えられるか?といった声を集めました。
次に、実際に、対象となる社員の皆様に見ていただき社員の皆様からフィードバックをいただく活動を始めています。いくつかの企業では、対象年齢の10人に1人が興味を示している。キャリアに関するセミナーなどに参加した後であ5~9割が興味を示している。また毎月1回のサイト上セミナーに、約2割が参加希望し、8割が意識の変化があったと回答しているというデータが集まり始めています。
これからいよいよ実証実験を踏まえ、多くの企業にサービス展開していきます。ぜひ皆さんと一緒に、ミドルシニアに多彩なキャリアを提供し、日本を元気にしていきたいと思っています。
【40代50代のキャリアチャンネル】
https://careerchannel4050.biztlab.co.jp/
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