アプリリニューアルから1年で200万ダウンロードを実現した、コスモグループの「現場力」
コスモエネルギーホールディングスの中核会社として、主に国内外での燃料油の販売を行っているのがコスモ石油マーケティング様。全国のコスモサービスステーション(SS)ネットワークを維持しながら、地域を支えるSSとしての活躍をサポートされています。
本インタビューでは、2019年8月にリニューアルを行ってから2020年3月までアプリ推進を担当されていた、現 関東支店長の藤本一臣様と、リテール部門における3グループの担当部長として4月以降現在までアプリ推進を担当されている リテール部 リテールシステム担当部長の桑原 浩一様にお話を伺いました。
写真左から、リテール部 リテールシステム担当部長 桑原 浩一様、関東支店長 藤本 一臣様、リテール部 カーライフスクエア事業グループ長 畑 一典様
(集合写真のみ、感染対策を行ったうえでマスクを外しての撮影とさせていただきました。)
お客さま一人ひとりに適した One to One のアプローチをアジャイル開発のアプリで実現
──アイリッジを選んでいただいた決め手はどのようなものでしたか。
藤本様:
アプリをリニューアルするきっかけとなったのが、今までの販促プロモーションを、お客さま一人ひとりに適した個別のアプローチに変えたいというものでした。
例えば、今までは新聞折り込みや店頭チラシで、どんな方にも一律の割引を行っていましたが、これからはお客さまの来店頻度や購買頻度に合わせた One to One のアプローチをしていかなければならないと感じていました。
アイリッジさんの「FANSHIP」でそれが実現可能だったことと、今後を見据えての機能追加や改修が行いやすい、アジャイル開発*が可能だったことから総合的に判断しました。
また、アプリ開発とサポートの実績が豊富にある信頼感も決め手のひとつでした。
*アジャイル開発‥ソフトウェア開発手法の1つで、反復的に開発とリリースを繰り返し、より迅速に機能拡張を行っていく。
より多くのお客さまとの繋がりを創出しカーライフを越えてホームライフの支援を目指す
──既存アプリをリニューアルするに至った経緯や、当時の課題などを教えてください。
藤本様:
前身のアプリに課題があったというよりは、デジタルの進化が目まぐるしい中で、より時代に対応したお客さま視点のアプリを開発しようとなったのがきっかけです。
当初は前身のアプリを残したまま、別のアプリを開発することを検討していましたが、お客さまの混乱を防ぐためにリニューアルする運びとなりました。
──新アプリ、カーライフスクエアアプリの一番の目的はなんでしょうか。
藤本様:
現在、コスモにご来店いただいているお客さまは、3割弱がカード会員さまです。
残りの7割強のお客さまと、より多く繋がりを作りたいというのがこのアプリの一番の目的です。
決済手段が多様化するなかで、現金払いや提携カードを利用されるお客さまには購買履歴や来店頻度に合わせた割引クーポンの配布や商品のご提案ができていませんでした。
アプリを活用すれば、お客さま一人ひとりに適した個別のアプローチが行えること、そして会員登録の手間がないため、お客さまの負担をできるだけ増やさないかたちで繋がりを持つことができると考えました。
──カーライフスクエアアプリに込められている想いについて教えてください。
桑原様:
"Oil&New"の新たなコーポレートスローガンのもと、カーライフスクエアアプリをキーツールに、新車の販売から廃車までというカーライフの垣根を越えて、その先のホームライフまでを支援していきたいという想いが込められています。
既存機能に加えて、これからさらにお客さま一人ひとりとの繋がりをより意識した機能開発を行う予定です。アプリを通じてお客さまとの繋がりを強化させることにより、SSへの送客とお客さまのLTV向上を図りたいと考えています。
──リニューアル前後で大きく変えた点、こだわりの機能があれば教えてください。
藤本様:
新アプリが大きく変わった点は、お客さまに対して個々に適したアプローチが可能になった点です。
これはもともと目的としていたところで、現在は購買履歴や来店頻度に合わせたクーポンの配布やその他関連商品のご提案を実施しています。
こだわりの機能は、アプリ上で車検の見積もりから決済まで完了することができる「コミっと車検」ですね。
車検の際に、概算の見積り金額と点検後の確定金額にギャップが生じてしまうというお客さまの課題を解消し、利便性を向上させるという目的で組み込んだ機能です。
カーライフスクエアアプリと「コミっと車検」のポスター
リアルとデジタルの施策を駆使し年間200万ダウンロードとアクティブ率7割を実現
──リニューアル後、DL数やアクティブ率を好調に推移させていらっしゃいます。どのような施策をされているのでしょうか。また苦労したポイントなどがあれば教えてください。
藤本様:
新アプリリリース時には、年間100万DLとアクティブ率6割という非常に高い目標を設定していました。前身のアプリが年間10万DL程度だったこともあり、社内でも「本当に達成できるのか」という声も上がっていましたが、1年で200万近いDLを達成し、現在まで7割のアクティブ率を維持できていることは本当によかったと思っています。
オンラインの空中戦だけではなく店頭でのスタッフからのお声掛けや、QRコードを掲載した名刺サイズの販促物をお持ち帰りいただくなど、リアルとデジタルを駆使してDL数やアクティブ率を伸ばしていきました。
iOSアプリ:https://bit.ly/34CyTT8
Androidアプリ:https://bit.ly/34D13gK
桑原様:
苦労した点でいうと、「既存システムとの連携」ですね。20年以上前から運用している弊社システムには、財産でもある膨大なデータが存在します。しかし、既存システムは長年の運用の中で複雑化し、新たなデジタルシステムとの連携と、連携したシステムの安定稼働は大変でした。
藤本様:
私は、新アプリのリリース当初、嬉しい話ではありますが予想以上のアクセス集中によって不具合を起こしてしまった際に、アプリを常に安定して稼働させることの難しさを痛感しましたね。
根気強い説明と教育によって培われたコスモグループの現場力
──コスモ様では各サービスステーション(SS)が主体的にアプリを活用しファンを作る取り組みをされているとのことですが、どのように施策の目的や重要性を理解してもらったのでしょうか。
藤本様:
アプリをおすすめするための販促物は本部からも配布しましたが、各店舗が独自で作成したり、自分たちのホームページ上にQRコードを設置していたり、本当に主体的に動いてくれています。
店舗との打ち合わせの際に、一番強調して説明したのは店舗やお客さまの負荷が少ないということでした。QRコードを読み込むだけの1、2分でDLが完了し、その日から給油の割引が利用できるということがお客さまにもおすすめしやすいポイントだったのではないかと思います。
桑原様:
カード会員獲得に注力していた時代から、現場の声掛け力がコスモグループの強みでした。藤本さんからもあった通り、アプリはお客さまの負担も少なく、よりスタッフからオススメしやすいという点が獲得を伸ばしているポイントだと感じています。
また、デジタルを活用し獲得率が大幅に向上したことが、スタッフのモチベーションにつながっているところもあります。
店頭での声掛けの文化が根付くまでは、根気強く店舗を回って納得してくれるまで説明を繰り返したり、ロープレなどの教育に関しても徹底して行うなど、大変な過去を乗り越えて今があると思っています。
また、アプリを活用して実績上げている店舗での成功例を他の店舗にお話しすることも根気強く続けています。
先日も、アプリを活用したアルバイトさんが車検の申込みを2件決めたという店舗があり、人手不足とスタッフレベルの引き上げにアプリが一役買った良い例となりました。
──現場(SS)に主体性があるからこそ、積極的なリクエストも上がっていたとのことですが、お話しできる範囲でどのようなものが印象的だったのか教えていただけますか。
桑原様:
現場が一番お客さまの声を知っていますし、机上の空論だけでは上手くいかないので、現場の声も反映させながらよりよいアプリを一緒に作っていくことができればと思っています。
具体的には「車検の日程予約もアプリで自動的にできる方がよい」「車検が終わった後のお知らせも、電話よりアプリの方が利便性が高い」などの声が上がったりしています。
まだまだ道半ばですが、そういった意見を丁寧に聞いて反映することで、現場もさらに提案してみようという、いい循環が生まれてくると思っています。
アプリでもSSでも徹底した顧客目線を実現して“愛される”
──今後のアプリの展望と顧客に愛されるために大切にしていることを教えてください。
桑原様:
将来に向けて、徹底した顧客目線を反映するデジタルブランディングを進め、お客さまに還元していくことでお客さまの満足度を上げていきたいと考えています。
具体的には、お客さまにとってより利便性の高いアプリへとアップデートを行い、そのアプリを我々コスモグループの強みである現場力を活かして展開してきたいと思っています。
その先に、トータルカーライフプラットフォーム事業としての未来が見えてくると思います。
──最後に、アイリッジのサポート内容への満足度やご要望などあればお聞かせください。
桑原様:
スピードを重視したい我々にとって、非常にクイックに対応いただけることと、多くの実績から得たノウハウをもとにご提案をいただけることが助かっています。
打ち合わせでは、アイリッジの担当さんが一生懸命なので、我々もついつい無理を言って熱い議論になることが多々ありますが(笑)、自分のことのように考えているからこその意見というのは我々に伝わりますし、我々の意見を何でも「わかりました。」と受け入れるのは本当のパートナーではないと思っています。
言いづらいことも当事者意識を持って発言してくれる、やらなきゃいけないことは「絶対やってもらわないと困ります!」ぐらいのことを言ってくれる相手が、本当のパートナーだと感じています。
言いづらいこともあると思いますが、今後も遠慮なく言ってくださいね。
──コロナ禍でお忙しい中、書き切れないほどの素敵なお話をたくさんしていただきました。今日はありがとうございました。
アプリITチームとアイリッジ担当のオフショット
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