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ストーリーの著者は、読者でもあります

熱中症発生の現場で3秒で設置できるアイスバスで一つでも多くの命を救いたい。「もう予防だけでは熱中症から命を救う事は不可能」熱中症からの救命に賭けた男の執念

著者: 有限会社プロフィット

プロフィットは総合雑貨を扱う小さなネット通販会社です。お客様が日常生活の中で興味を持たれた商品や便利な商品をいち早く安価にお手元にお届けする事をモットーに営業を続けています。しかしもっと直接的に社会に貢献する商品をお届けしたいという思いの中から社長の個人的な救命救護活動の経験を通してP-PECは誕生しました。

代表は白バイ隊員の元・指導官でモトクロスレース歴40年


有限会社プロフィットの代表である私は今年64歳になりますが、若い頃は鈴鹿サーキットでホンダが警察庁から委託された白バイ隊員の運転技術の指導をする指導官として勤務しながら、モトクロスというモータースポーツのプロライダーを目指しておりました。練習中の大怪我で夢は断念しましたが、子育てが一段落した53歳の時に「青春の忘れ物を取りに行きたい」という思いが沸々と湧きあがり、1年間で26kgのダイエットと体脂肪率を11%まで絞る過酷なトレーニングを経て、趣味でモトクロスのレースの世界に復帰いたしました。






モトクロスというスポーツは危険と隣り合わせで毎週コースに練習やレースに行くたびにクラッシュや転倒事故などに高頻度で遭遇し、その都度バイスタンダーとして自ら進んで周りの人に協力してもらいながら救護救命活動を行ってきました。

モトクロスコースといっても受付のプレハブ小屋に管理人が2~3人居るくらいで、医師やナースはもちろん、救護員も常駐していなかった為です。布製の古めかしい担架しか無かったコースに自費で最新のスパインボードやヘッドイモビライザー、ネックカラー等という救護機材を購入して寄贈したりもしました。

その機材を使いながら多い時は一日に何度もコース内に救護に向かう事もあり、自分自身の走行練習が全く出来ず、走行料だけを支払って帰るような事もありました。

しかしそれは全て自分自身も救護してもらう可能性も高い中、最大限の防御と命を守る為の努力は死と隣り合わせの危険度の高いスポーツを選択した者の義務だと思ったからです。


モトクロスレースでの救護件数は200件以上。熱中症で倒れた方々も


素人なりに高エネルギー外傷に対する知識や救護知識を独学で勉強し、軽いものは打撲から重いものは上肢下肢の複数箇所骨折や脊椎損傷まで、立ち会った救護事例は優に200件を超えていました。

熱中症に関しては、走行中に重度熱中症で意識朦朧となり、それが元で転倒やコース逸脱といった事例もございましたし、単に熱中症で倒れた人も何人も救護してきました。


モトクロスのコースは山の中にあり救急車を要請しても到着までに30分以上かかります。市街地でさえ119番通報から病院収容まで平均40分を要しますが当時の現場は救急車でも病院まで2時間近くかかったのです。


重症熱中症は30分以内に深部体温を3℃下げないと生命に危険が及ぶという危険な病気です。

今でも日本では神話のように信じられている「首筋や脇の下の太い血管を冷やすと有効に身体の冷却ができる」という情報はアメリカでは10年以上前から救命の為には殆ど効果は無いという事が証明されております。


しかし他に方法が無いので仕方なく、有り合わせの飲料用の氷や自販機で買った冷たいドリンクを脇の下や鼠径部にあてる等、重症熱中症には効果があまり期待できない冷却方法で対応しながら、何とか無事でいてくれと祈るような気持ちで介抱する事が何度もありました。


熱中症には欧米では冷水浴法がスタンダードだが、現場では困難が


熱中症がマスコミ等で頻繁に取り上げられるようになった頃から、患者の全身を水風呂の中に浸ける浸漬法(冷水浴法)については海外では応急処置のスタンダードであり、この方法が群を抜いて深部体温の冷却効果が高いという事は勉強する中で知っていましたが、モトクロスのコースではバスタブなどの設備や大量の水や氷を用意することはかなり困難です。



ましてや私は個人であくまでもバイスタンダーとして活動していましたので、冷水浴法で対応することは半ば諦めていました。知識はあるのに機材が無く対応してあげられないもどかしさと悔しさから、現場に偶然居合わせた現役の看護師さんに冷水に浸ける事ができたらなあ?と話しかけたところ「そんな事したら心臓麻痺起こすよ!」等と言われ、素人の私は何も言い返す事ができず悔しい思いをしました。その頃は現役の医療従事者でさえそういう認識の人も多かったと記憶しています。


新潟の救命救急センターの事例がヒントに


そんな折4年前のある日、新潟大学・魚沼基幹病院の救命救急センター長である山口省吾先生がドクターヘリを使い浸漬法で救命率3%という重症熱中症患者の命を救われたブログ記事をみました。今までは幸運なことに大事に至らなかったけれど重度の熱中症から尊い命を救うには「やはりこれしかない!」と確信し思い立ちました。

その日からモトクロス場でも患者の全身を水に浸けて冷やす浸漬法(冷水浴法)が行えるような、簡易に携行できて少ない水量で使えるアイスバスをネットで検索し探し回りましたが、その条件を全て満たす物は日本中の何処にも存在していませんでした。

唯一アメリカのポーラー社というところがポーラーライフポッドという名称で寝袋型の熱中症対応専用製品をアメリカ国内で販売していましたが、必要水量が多く、また寝袋で患者を覆ってしまう事は身体の状態を観察できなくなるデメリットがありました。

寝袋型だと比較的簡単に制作できますが、オープンな桶型にしたほうが各種スポーツでの熱中症の予防やパフォーマンスアップを目的としたプレクールやアイシング等にも使用できるメリットもあります。


少ない水量で冷却できるアイスバスの開発へ


そこで私は「折り畳みで携帯できる」「極端に少ない水量で体幹全てを冷却できる」「設置や注水が短時間でできて直ぐに冷却に取り掛かれる」この条件を満たすアイスバスを自力で製作する決心をしました。

しかし、必要水量を少なくし体幹の殆どを冷却する為には人間の形に近い棺型にするしかなく、その為にはゴムボートのように空気を入れるタイプでないと桶の形状を保持する事ができませんが、空気を入れる作業は大変時間がかかるのでそれは断念しました。

次にレジャー用の折り畳みプールのような物を考えましたが、水圧に対し形状を保持する為には正円形でなくてはならず、無駄に大量の水が必要になります。

無理に長方形にすると長い辺が水圧で外側に倒れて水が溢れてしまいます。

ビニールプールを作る会社などに問い合わせましたが、素人が簡単に考える程甘いことではないと鼻で笑われたり面倒がられて門前払いは数知れず、何度も心折れそうになりましたが、諦めきれずにパイプでフレームを組んでそこにビニールを張る方法や、桶の左右を紐で結ぶ方法など老後の蓄えをはたいて多くの試作品制作を繰り返し、自宅の庭や室内にまでプールを持ち込み試行錯誤する日々が延々と続きました。そして最終的に長方形の折り畳み式の桶の外側からL字のパイプで踏ん張る事にしました。

その頃には、開発を決意した日から3年近くが過ぎていました。








あらゆる場所で重症の熱中症から命を救いたい


不便なモトクロス場で仲間の救命の為にアイスバスを使いたいという小さな思いはいつしか、あらゆるスポーツ、そしてスポーツに限らずあらゆる場所で重症熱中症になってしまった人の命を救いたいという大きな希望へと変わっていきました。

サイズも何度も徹底的に吟味し、必要水量を最小にする為に、できるだけコンパクトにしながらも身長195cmくらいの人までなら膝を立てて寝る事により155cmの桶本体内に収まるようにし、横幅も体重100kg近い肥満体の人でも入れる設計にしました。

この方法でポリタンク4本(80リットル)という圧倒的な低水量で体幹の90%以上を冷やせる条件がクリアできました。

折り畳み式でボストンバッグに収まる位の携行性も確保できました。

これなら今まで浸漬法ができなかった水道のない場所やイベントなどの救護所でも簡単に全身の浸漬冷却が可能です。

しかし、別添のパイプ4本を桶に取り付ける必要があり、設置が簡単という条件が今一つ満足ができず悩んでいたところ、飛行機の垂直尾翼のような物を桶本体の外側に取付けて、水圧がかかった時は壁が倒れないように踏ん張り、収納する時はパタパタと折りたためる方法を思いつきました。

何度かのメーカーでの試作を繰り返し、ようやく私の思い描いていた試作品が完成したのが2022年の夏の終わりでした。

昨年の夏、地元の消防署の救急隊員に伺ったところ熱中症患者を収容しても救急車内ではアイスパックで冷やす程度の処置しかできず、病院に到着しても体温の高い熱中症患者はコロナの発熱疑いも否定できない為、一刻も早い深部体温低下の治療が必要なのに病院内に収容するまでに時間がかかる場合もあったとか。P-PECは救急車のストレッチャーに収まるサイズなので、救急隊員の判断により少し水量を減らした状態であれば体幹を冷却しながら救急搬送も可能になるのでは等とも思っています。


専門家の意見を踏まえて開発を継続


P-PECとポリタンクの4本の水、クーラーボックスに少しの氷さえ用意しておけば、少年野球、サッカー等のスポーツチームや学校のクラブ活動、ゼネコンなどの労働環境など、救える命の現場は無数にあります。

東京オリンピックで選手の熱中症対策に携わられた早稲田大学スポーツ医学の細川由梨准教授や、関西医療大学の教授でありスポーツ現場でのアスリートの救護救命活動をする日本アスリートライフサポート協会の理事長でもある古家信介教授など、専門家や救命救急医にも相談しました。

細川准教授からはサイズと強度に関して、古家教授からは現場に医師が居ないケースでは医療行為である直腸温のモニターができませんので、低体温症になるリスクも考え氷水ではなく20℃前後の水温で浸漬するだけでも鼠径部などをアイスパックで冷やす方法に比べ何倍もの冷却効果があるとのアドバイスも頂きました。

また、比較的大規模なマラソン大会や各種スポーツの現場には救護所に医師が常駐して頂ける場合も多くあるかと思いますので、そのような場合には直腸温をモニターしながら更に高度なプレホスピタル対応が可能になります。


従来型の課題をクリアした、コンパクトなアイスバスの完成


このようにして、大きい、重い、設置が大変、数百リットルの大量の水が必要、保管場所に困る、こういった従来のアイスバスの問題点を全て解決した画期的なコンパクトアイスバスP-PEC(ピーペック)が完成しました。






【コンパクトアイスバスP-PECはこんな商品です】

設置わずか3秒

折り畳み10秒

超軽量3.5kg

おしゃれな専用バッグに、給水袋80リットル分と水温管理の温度計もセットされたオールインワン

P-PEC1台だけあれば、ほかに何も揃えなくても水道のない場所でも浸漬法による身体冷却が行えます。

熱中症応急処置の他、スポーツの試合やレース前のプレクール、試合や練習後のアイシングなどにお使い頂けます。

販売価格は税込み50,000円でP-PEC公式ページより全国送料無料でお届け。

熱中症応急処置対応機材 コンパクトアイスバス


P-PEC公式販売ページ

https://profit.co.jp/p-pec/

P-PECは発売依頼、大学等の研究機関、医療関係機関からも高い評価を頂いており、関西医療大学様、日本アスリートライフサポート協会様など様々な団体様、社会人野球チームやラグビースクールなどでも採用頂いております。

しかし、まだまだ認知率が低く普及は始まったばかりです。

現在、学校での子供の事故を防ぐ活動をしておられる東京都の若手議員さん達が、学校現場への導入の可能性について動き出して頂いています。

AEDがそうであるように、学校現場、スポーツの現場、労働環境など、熱中症の危険のあるあらゆる現場で、できるだけ多くP-PECが配置されることによりたくさんの命が救われること、そして逆にそこに熱中症用の応急処置機材があれば確実に助かったはずの命が無駄に失われるような事が無い事を願うばかりです。





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