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STORYS.JPは、2013年2月に誕生しました。

カタログギフトを、SDGsに沿って考え直す。作り方を根本から変えて挑んだ、『やさしいみらい』の誕生秘話。

著者: 株式会社ハーモニック

新潟の三条市に本社を構え、 1946年に創業したハーモニック。地元産品である金物問屋から始まり、繊維、陶器、食品なども取り扱うギフトの総合商社として、“選べるカタログギフト” というサービスを通じて全国に「ありがとう」をお届けしています。


「人と人の間に立ち、思いやりや感謝の気持ちをつなぐ。」という経営ミッションの下、冠婚葬祭ギフト以外にも、企業扱いのギフト、そしてコロナ禍においては自治体から住民への支援品として、「子育て家庭や高齢者世帯、また医療従事者」に対するギフトのお手伝いもし、「思い、気持ち」をつないでいます。

そのような私たちは、2022年からSDGsをコンセプトにしたカタログギフト『やさしいみらい』を販売しています。環境に配慮しながら制作されており、SDGsへ貢献する商品を多く取り揃えています。さらに、販売収益の一部を国連UNHCR協会に毎月寄付することで、難民支援に役立てられます。


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今回の取り組みを実現するまでには、私たちの事業を見直しながら、既存の体制を大きく変えるような挑戦が数多くありました。本ストーリーでは、その裏側をお伝えします。

「カタログギフト」の仕組み上、どうしても環境への影響を考える必要があった。様々な取り組みを行ってきたハーモニック。

贈り物として受け取ったカタログの中から、好きなものを選んでいただける「カタログギフト」。結婚式の引き出物などで受け取ったことがある方も多くいるのではないでしょうか。


この「カタログギフト」を制作し販売するハーモニックは、事業の仕組みから様々な環境負荷を高めてしまう要素に向き合ってきました。具体的には、膨大な紙を利用してカタログを作り、さらに選んだ後は捨てられてしまう資源の有効活用といった点です。さらに、カタログを一度配送し、選んでいただいた商品をもう一度送る必要があります。


商品性・利便性という面では「カタログギフトってやっぱりいいよね」という一定の評価を頂きながらも、一方では「やっぱり資源の無駄遣い」とか「車を沢山走らせて環境には良くないよね」といったお声を頂いてきたのも事実でした。


この課題に対する取り組みとして、2005年から植林事業への寄付事業、2013年には県内の環境保全活動「Team ECO」に参加。加えて、2015年からは太陽光発電にも取り組み、2019年からは難民救済支援団体国連UNHCR、こちらへの寄付にも参加するなど、「資源や環境保全の課題」或いは「広い意味での人権問題」などに対する活動を進めてきました。


SDGsへの注目の高まりと併せて、新しいプロジェクトが発足。

様々な取り組みへチャレンジをしてきましたが、我々を取り巻く政治や、経済・社会的に大きな環境の変化があり、世の中でSDGsへの取り組みが広く加速しています。そして、時代の変化による消費者のマインドの変化もひしひしと感じられるようになってきました。





このような背景を踏まえて生まれたのが『やさしいみらい』というカタログギフトです。実は、私たちは2011年からエシカルな暮らしを楽しむ女性向けに、ナチュラル&オーガニックをコンセプトとしたカタログギフト『やさしいきもち。』を作っていました。


2015年9月に国連で採択された「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」を背景に、持続可能な社会の実現に向けての動きがより活発化されるようになってきた世の中の流れを捉え、 『やさしいきもち。』を進化させるために始まったプロジェクト。


しかし『やさしいきもち。』でターゲットとしていた範囲を女性からジェンダーレスに変えること、そしてコンセプトをエシカルに留まらずにSDGsへと進化させる道のりは決して簡単なものではありませんでした。

掲載する商品の特性から、様々な難しさと向き合う。見せ方にもこだわり、『やさしいみらい』が完成するまで。

最初に直面した困難は、サステナブルな商品をラインナップする事でした。というのも、「カタログギフト」は贈り物であることから欠品や廃番をさせることが難しく、印刷媒体という特性上、簡単には掲載商品の入れ替えができません。しかし、開発途上国の生産者をサポートするフェアトレードの商品は定期的な生産、輸送が必ずしも確保されていない地域のものもあり、やむを得ない欠品が起きてしまう可能性もあります。


そして工業製品と違って手作りのものも多く、見た目やサイズ、色合いにばらつきが生じることもあり、掲載している写真と異なるものをお届けする事になり、欲しいと思ったものと違うといった声が届くことも考えられます。


それだけではありません。廃棄予定であったものに手を加え、価値をつけて新しい製品へと生まれ変わらせるアップサイクルの商品は、廃棄するものがなくなれば作られないものですが、掲載している期間は商品を作り続けてください、とメーカーにお願いする事は、そもそもサステナブルというテーマに反する、というジレンマに陥る事もありました。


そんな中、最終的には6コースのカタログで合計842点の商品を集めて掲載することが出来ました。



「カタログを戴かれた方のSDGsに対する理解」それと「持続可能な社会実現に向けた啓発、活性化」を同時に図るために、掲載しているそれぞれの商品がどういった形でSDGsに貢献しているのか、説明文をすべて読まなくても理解しやすいように、どう表現、可視化したらいいのか。という点にも苦労しました。


SDGsの17の目標を直接商品に結びつけても分かりづらいという社内の声に、 SDGsの要素を13項⽬に分類。

馴染みある表現、分かりやすい言葉で表現した「サステナブルマーク」をアイコン化しました。


それでも「企画の熱い思いは分かるけど、そもそもSDGs、サステナブルが何か知らない、分からない人がいるのでは?」「とっつきにくいのでは?」という営業からの指摘がありました。


確かに、カタログギフトというのは“贈る人”と“贈られる人”と2人のお客様がおります。

“贈る人”がSDGsに理解があったとしても、“贈られる人”は必ずしもSDGsに興味がある、知見があるとは限りません。

だからこそ、このカタログギフトを通して、持続可能な社会の実現に向け、個人のお客様には「自分でできる“小さなアクション”」を、そしてご販売店様には社会的役割の実現のお手伝いができればと考えて作ってきたのです。


そこで改めてサステナブルを分かりやすく理解するためのコラム「What is Sustainable?」から、エシカル協会代表の末吉里花さんの今日からできるサステナブルなアイデアをインタビュー記事など、巻頭に「サステナブル」についての考え方や想いを、 視覚的に伝わりやすい写真で説明する導入ページを入れました。


さらに今まで作ってきた他のカタログギフトでの経験を活かし、ライフスタイルの中での『サステナブル』の実践をイメージしやすいよう、【食べる】【住む】【遊ぶ】に分けた生活シーンに合わせた紙面構成にし、身近に感じられるように、取り入れやすいと思っていただけるよう工夫しています。



また『やさしいみらい』を“贈られる人”だけでなく、 “贈る人”もSDGsに貢献できるようにするにはどうしたらいいか、も悩みました。


実際にサステナブルにフォーカスした商品を選んでいただくのは“贈られる人” 。


“贈る人”が寄与する行動になるのは、数あるギフトの中から『やさしいみらい』を贈り物として選択し、購入していただく事自体である。そのように考え、環境配慮型の媒体にするために、カタログ本誌をFSC®認証紙をベースに植物性インキで印刷し、グリーンプリンティング認定⼯場で製造の全⼯程を行い、カタログ自体を環境にやさしい仕様にしています。


そして、『やさしいみらい』カタログ販売収益の⼀部を国連UNHCR協会に毎⽉寄付し、毎月自社HPで公開し、UNHCR(国連難⺠⾼等弁務官事務所)が世界で実施する難⺠⽀援活動にどう役⽴てられているかをお伝えできるようにしました。


SDGsを落とし込むことに成功し、無事に発売された『やさしいみらい』。さらに心豊かになるカタログを今後も作るために。

様々な奮闘を経て、『やさしいみらい』は2021年12月に発売開始を迎えることが出来ました。リリースから2か月後、地域創生プラットフォーム「 SDGsにいがた」準備会が県内の取り組みを表彰する「第2回新潟SDGsアワード」で優秀賞を受賞しました。


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あなたのそのちょっとした選択が、まだ見ぬ人のしあわせにもつながります。


このカタログギフトを通して、 “贈る人”と“贈られる人”に「やさしいきもち」と「しあわせ」が、地球に、地球上に暮らす人、生き物たちにも、やさしい未来が届くように。苦労しながらもSDGsという広義で無形のものを多く含む概念を、カタログギフトに落とし込みカタチにした『やさしいみらい』。


でもこれが私たちの終わりではありません。また別のアプローチで心豊かになるカタログ、応援・貢献型のカタログを作り出すプロジェクトに取り組んでいます。





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