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人事とは「人を生かして、事をなす」こと。人事の基礎知識が身につく「人事力検定」開発の裏側と込めた想いとは

著者: 株式会社壺中天

株式会社壺中天は、「人事の意志をカタチにする」をミッションに掲げ、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、出版、講演などを通じて企業の人事支援をおこなっています。『図解 人材マネジメント入門』をはじめとした書籍<理論と実践100のツボシリーズ>は、人事担当者はもちろん様々なビジネスパーソンにお役立ていただき累計6万部を超えるヒット作となりました。また、人事のプロを目指す有志による研鑽の場「壺中人事塾」も運営するなど、ひとりでも多くの意志を持った人事の方が、力を発揮できる世の中の実現へ寄与することを目指しています。

 

どうすれば個と組織は生きるのか。人事にはいったい何ができるのか。こうした問いに取り組み続けて25年近くが経とうとするなか、この度「人事にできること」を一段階上げる具体的なツールとして、「人事力検定」を開発しました。


その開発までの歩みや想いを、代表坪谷へのインタビューをベースにお伝えいたします。



「人材マネジメント」の領域の広さに驚き、理解に苦しんだ人事初学者時代の経験から、誰かの助けになればと思い、出版した『図解 人材マネジメント入門』



株式会社壺中天が創業した2020年、<理論と実践100のツボシリーズ>初の書籍として『図解 人材マネジメント入門』を出版しました。この書籍は、捉えにくい「人材マネジメント」領域を、10章×10のポイントで図解とともにわかりやすく伝えることにこだわり構成しています。その背景は、坪谷の人事担当者としての経験に遡ります。



 「私はもともとエンジニアでしたが、「疲弊した現場をなんとかしたい」と人事に転身しました。しかし現実は厳しくなかなか思うような成果は出せませんでした。どうにか学ばなければと様々な書籍を読んだり講座を受けたりしましたが人材マネジメントの領域は広く複雑で、理解に苦しみました。想いだけあっても何もできず途方に暮れた当時の経験から、初学者だった頃の自身と同じような方の助けになればと、『図解 人材マネジメント入門』を執筆しました。(坪谷)」

 


全国の人事キーパーソンが選ぶ、日本の人事部「HRアワード2020」入賞!


70冊以上の名著をもとに体系的かつ網羅的に構成された本書は、出版経験者からも「秀逸だ」と評価いただけるものとなりました。


そして同年、全国約17万人の人事キーパーソンが選ぶ、日本の人事部「HRアワード2020」」書籍部門に入賞を果たしました。日本の人事部「HRアワード」は、人事・人材開発・労務管理などの分野におけるイノベーターを表彰する表彰制度です。企業人事、経営者、管理職やHRソリューション企業、研究者の皆さまに選んでいただき、入賞となりました。


「思った以上の結果に驚きました。実は、出版に至るまで、15社の出版社から当初の企画をお断りされていたのです。「意義はある本だと思うが、いまの読者は体系的な知識を求めていない」「出版不況のいま、ネームバリューのないあなたの本は売れると思えない、どんなに売れたとしても1500部程度ではないだろうか」と。


しかし、結果的には累計6万部、当初の想定の40倍のロングセラーとなり、届けたい人事の現場の方々にしっかり届いている感触を得られました。(坪谷)」


 

「人事という仕事の骨子を分かりやすく表現した良書」

「体系的で網羅的。こんな書籍がほしかった」

「長年人事の仕事をしてきたが、あらためて思考が整理され、気づきが得られる名著」

「メンバー全員分を購入し、組織の底上げに役立てたい」

 

読者の方々からもこうした嬉しい感想をいただくことが増えると同時に、企業やメディアからもセミナー、講演、執筆などのお声がけが増えていきました。しかし一方で、「人材マネジメントという領域において、知識を定着させることの難しさ」もあらためて認識することにもなります。


「ありがたいことに多くの講演やイベントに登壇させていただきました。そこで読者の皆さんと語り合うなかで、書籍を読んだからといって知識が定着するとは限らない、という現実がわかってきました。どうしたら、知識を実践により現場で役立ててもらえる状況に近づけられるだろうか。どうしたら、知をさらに一段階上げるための助けになることができるだろうか、と考えました。(坪谷)」



「知をさらに一段階上げる」ために必要なのは、「問い」と「答え」のサイクル

 

講演やイベント登壇等を通じ、試行錯誤を繰り返す中で、辿り着いたのはシンプルな方法でした。それは「問い」と「答え」を往復することです。


「いきなり「マネジメントとは〜です」と説明するだけではただのお勉強となり、「良い話を聞けた」と感じるものの、ほとんどの内容は頭に残りません。しかし「マネジメントとは何ですか?」と問われて、自分なりに思考を巡らせて答えることで記憶の土壌が耕され、その上で解説を読むと定着率が格段に上がったのです。


学びには「問い」が重要である、それはよく知られた方法です。例えば学校教育でも試験が当たり前のように使われています。しかし、それを人事の方たちとの対話のなかで実践的に見出し、ともに磨き積み上げてきたところに大きな価値があったと感じています。


この方法を再発見し使用するようになってから、講演の満足度も格段に上がりました。チャット欄の盛り上がりに、イベントの主催者に驚かれることも多いのです。(坪谷)」

 


こうしたことから、書籍の知識に関して問いと答えの往復が叶う方法として、検定の開発に踏み切りました。



短期間で共通言語が身につき、人事領域の入口となる資格をつくりたい


開発過程でベンチマークイメージを擦り合わせた際、返ってきたのは意外な答えでした。

 

「目指しているのは簿記3級の手軽さです。」

 

同じ人事領域ではなく、なぜ簿記3級なのか。我々の疑問に坪谷はこう続けました。

 

「エンジニアから管理部門へ異動となったとき、新しい上司から「まずは、簿記3級を取りなさい」とアドバイスされました。自分は人事をやるために管理部門へきたので簿記には興味がなくお断りしたのですが、「いいから取りなさい」と強くいわれて渋々と勉強しました。


1週間ほど参考書と睨めっこし無事に取得することができたのですが、これは本当に役に立ちました。財務諸表が読めるようになったし、経理部門の仲間たちが話していることにも参加できるようになったのです。


ああ「共通言語を身につけることで新しい職場に馴染める」ように上司は簿記3級をすすめてくれたのだ、と理解し感謝しました。


 この簿記検定のような、難しすぎず、その領域に入門するための共通言語を身につけるための資格が“人事“にも欲しいと考えたのです。

 

中小企業診断士や社会保険労務士にも人事の知識が含まれていますが、これは難易度も高く通常何年もかかってしまいます。もっと簡単に1週間くらい一所懸命に取り組めば取得できる検定がベスト。

 

そして、人事部門だけでなく管理部門やマネジメント職についた人がまず基礎知識を身につけるための入口となるような検定を作ろうと決めました。(坪谷)」


 

あらためて思い返すと、『図解 人材マネジメント入門』は、「人材マネジメント」領域の知識を体系的かつ網羅的に1冊にまとめ、人事初学者はもちろん管理職や経営など様々な立場の方の基礎知識の習得にお役立ていただいています。簿記3級の受検を通じて得た経験と重なる部分があり、かつ「知識の習得が意志ある人事が力を発揮する一助となれば…」その想いは一貫していて、とても納得しました。



人事初学者の学びを促進し、人事経験者にも腕試しいただける内容へ

 

こうして人事力検定は、坪谷の過去の経験やニーズ、そしてこれまでいただいた皆さまのお声にお応えすべく、議論を重ねながらスピーディーに開発を進めていきました。


人事の基礎知識を習得する入口ともなる検定を目指す上で外せないのは、学びやすさや受検しやすさです。

 

学習においては、公式テキスト『図解 人材マネジメント入門』は、

  • 70冊以上の名著のエッセンスが詰まっていつつも図解により理解しやすい
  • 1見開き1テーマで100ツボの構成で、隙間時間を活用した学習計画が立てやすい
  • 紙版、電子書籍、オーディオブックを利用し、スタイルにあわせた学習が可能

 

受検においては、

  • オンライン受検で場所を選ばず受検いただける
  • 一カ月の受検期間を設けることで、ご都合にあわせて受検いただける
  • 検定終了直後に、スコアと合否判定を確認でき、合格認定証も即時発行

 

このように、多くの方にとって効率的で効果的な学習・受検・証明が実現するようにしました。



開発段階で、一部の方にテスト受検を依頼し、様々な感想をいただきました。


◆受検者の声(テスト受検者)◆


「書籍をもとに網羅的に出題された印象で、読んだ内容がきちんと身についているかの確認になりました。人材マネジメントに関して広く知識が習得できるため、人事のほかキャリアコンサルタント、経営者、マネジャーの方にもお勧めしたいです。」(人事担当者)


人事初学者ですが、合格点に到達し自信になりました目的をもって学んだためか知識の吸収スピードが自分でも明らかに違ったと感じました。」(キャリアコンサルタント)


人事歴3年以上くらいの経験値のある方に、知をさらに一段上げて自分自身のプロ性を磨くために受けてもらいたいと思いました。」(経営者&人事コンサルタント)


これまでバラバラだった知識を体系的に確認でき、自分の考えも整理されました。経営的な視座で組織を見る必要がある人、人事歴が長くその歴史や変遷をきちんと押さえたいという志向の方にお勧めしたいです。」 (人事マネジャー)


いただいたフィードバックより、様々な立場の方にとって一層有意義な検定となるようブラッシュアップし、ついに完成しました。検定の内容を一つひとつ追いながら、あらためて「人材マネジメント」は、学んだご本人にとってはもちろん、その周囲の方々にとってもポジティブな影響につながる、人と組織に関わるすべての方にお役立ていただける知識だと再認識しました。


人事力検定『人材マネジメント入門』


「人材マネジメントを基礎から学んでみたいと考えている方にとっては、検定がそのきっかけになれば、と願っています。既に公式テキスト『図解 人材マネジメント入門』をこれまで活用してくださった読者の方は、ぜひその理解度を検定で試し、さらに一段深い知識の定着にお役立ていただければ嬉しいです。(坪谷)」



人事とは「人を生かして、事をなす」こと。原理原則を元にした型と実践という血の双方が揃って、人事の意志は実現されるもの。

 

検定を皆さまに届けるにあたり、人事を取り巻く環境に目を向けると、様々な施策や理論が渦巻いており、またその役割は拡大の一途にあります。人と組織を生かす立場の人の多くが、変化が激しいなか限られたリソースで、成果を上げ続けることが求められている状況におかれているのではないでしょうか。


こうした環境下でこそ、普遍の知、先人たちの知恵の集約でもある原理原則をおさえることの重要性が増すともいわれます。本検定が「人材マネジメント」の原理原則をおさえることに役立ち、皆さまが力を発揮する一助となれば、そしてその先に個人と組織が生かされる環境につながればと強く願っています。

 

私の周囲で最も、先人に敬意をはらい原理原則を大切にしている人のひとりである代表坪谷は、常に次のように伝え続けています。

 

「人事とは、いったい何でしょうか?

人事とは「人を生かして、事をなす」ことです。

「人を犠牲してでも、事をなす」は人事ではありません。搾取です。

「人は元気に生きているが、事がなされない」も人事ではありません。ぬるま湯です。

一人ひとりの力が十全に発揮され、組織の目的が成し遂げられる。

その状態を実現することが「人事」だと考えています。

 

カタチとは「型をつくって、血を通わせる」。カタチにするために必要なのは、原理原則を元にした型(カタ)をつくり、そこに実践という血(チ)を通わせることです。人事制度や育成体系や組織図などの型だけがあっても、そこに血が通っていなければ何の意味もありません。魂がこめられていない仏像なら作らない方がマシです。一方で、型がなければ血は流れ出てしまい、どんな良い動きも積み重ならずに消えてしまいます。型と血、双方が揃ってカタチとなることで、人事の意志は実現されていくのです。


我々は、これからも人事のプロフェッショナル・パートナーとして人事の意志をカタチにするために、日々皆さまに伴走してまいります。

 


この検定が、「人事」である”あなた”自身を生かすものとなりますように。



人事力検定『人材マネジメント入門』 

【受検日程】年4回実施予定(3月・6月・9月・12月)

【受検料 】10,000円(税込)

【出題形式】CBT多岐選択式50問(60分)

【公式テキスト】『図解 人材マネジメント入門』

 ➡受検申込はこちら


『図解 人材マネジメント入門 人事の基礎をゼロからおさえておきたい人のための「理論と実践」100のツボ』

【定価】2,860円(税込)

【購入】書店および各販売サイトにて

 ➡Amazon販売サイト(紙版・Kindle・Audible)


◆坪谷 邦生(つぼたに くにお)

株式会社壺中天 代表取締役

主な著書に『図解 人材マネジメント入門』(2020)、『図解 組織開発入門』(2022)、『図解 目標管理入門』。 壺中人事塾 塾長、中小企業診断士、Certified ScrumMaster認定スクラムマスター。20年以上人事領域を専門分野としてきた実践経験を活かし、人事制度設計、組織開発支援、人事顧問、書籍、人事塾などを通じて企業の人事を支援している。


<文:島居 慶美(しまい よしみ) 株式会社壺中天 広報




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