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人の数だけ、物語がある

愛され続けるために、変わり続ける。100周年を迎える京都の老舗洋食店「スター食堂」が週休3日制を導入した経緯と飲食業界への想いとは

著者: スター食堂株式会社

大正14年に京都錦で洋食店「スター食堂」を創業後、98年間に渡り京都市内で飲食店を展開してきたスター食堂株式会社(本社:京都府京都市、代表取締役社長:西村裕行)では、週休3日制の導入をスタートさせました。当社では多様な飲食業態を運営していますが、コロナ禍が明け、インバウンドなどの観光客も増加しており、急速に回復する需要への対応が求められています。そういった状況下では、より高品質な料理・サービスを安定的に行うためにより良い人財の採用は必須です。ところが厚生労働省による一般職業紹介状況(令和5年7月分)によると飲食物調理従事者の有効求人倍率は2.86、接客・職業従事者の有効求人倍率は3.19と他業種に比べて、高い水準を維持しています。



飲食業は、本当に楽しく素晴らしい職業だと自負しているなかで、このような状況が慢性化するのは何故なのか。その一つに古く変わらない業界のイメージがあると思います。そこで今回、当社が週休3日制を導入することにより、外食産業の働き方を見なおしていく。京都で約100年営業してきた当社がそれを率先することが、われわれの責任でもあるのではないかと考えました。


このストーリーでは、京都の老舗のスター食堂が週休3日制を導入するに至った経緯や、想い、目指したい未来について、紹介いたします。


京都で愛されて100年。スター食堂が起こす変革とは


スター食堂は大正14年、京都錦天神前にて創業。アメリカでチェーンストア理論を学んできた創業者が、「夜空に見上げる星の数ほどお店を出したい」という想いが社名の由来です。スター食堂が提供する洋食は京都の人々に広く親しまれ、京都で洋食を広める大きなきっかけとなりました。京都で初めてウェイトレスを雇用、電気冷蔵庫を導入するなど、当時から革新的な社風で、今でもご年配のお客様から「あんたのとこで初めてナイフとフォークを使ったんやで」などの温かい言葉を多く頂戴しています。現在は洋食をベースとしながらも、フレンチ、ブライダル、パティスリーだけでなく、居酒屋や焼肉なども展開。京都市内で15店舗を展開する飲食企業です。そんな当社も来たる2025年で100周年を迎えます。史上最高の100周年を迎えたいと意気込む当社は今も様々な変革を起こし続けています。

料理の専門性や、心地よいおもてなしを疎かにせず、常態化する飲食業の長時間労働を変革したい

スター食堂が週休3日制の導入を始めた背景として、常態化する飲食業の長時間労働を変革したいという想いがあります。飲食業界で専門的な技術や知識を習得するためには長時間の実践経験が必須です。スター食堂のブランドメッセージも「おいしい笑顔は、スターのかがやき。」としており、専門性にこだわった料理、心地よいおもてなしをおろそかにすることは決してありません。ただ、それらをしっかりと守ることを大切にしながら、社員の労務を軽減するために、スター食堂ではこれまでも様々な働き方改革に取り組んでまいりました。他社に先んじて週休2日制を導入し、さらに営業時間の見直しをすることで全体的な労働時間を減らし、セントラルキッチンの導入により店舗の負担を軽減、さらに労務管理をDX(クラウド化)することで労務管理の時間も短縮してきました。一言で労働時間を減らすと言っても決して楽なことではなく、それは今までの仕事の中で生産性が低いところを見つけ、より濃度の濃い集中した仕事に変革させることと同じです。しかしながらこれらの取り組みによって、これまで他社や他店で苦労してこられた方が少しづつ「スター食堂なら、福利厚生がきちんとしていると感じたので」とスター食堂社員に募集してくれるようになってきました。

「週休3日制」の導入で、飲食業界の当たり前に「より豊かな選択肢」を用意し、気軽に飲食業に参入できるように

「飲食業は大変、好きなら覚悟して就職しないと務まらない」という風潮や、サービス残業は当たり前という暗黙の了解が大前提となっている現状を変えたい。飲食業で働きたい人は「独立して自分の店を持つこと」や「レストラン評価で高評価を得ること」をゴールにしないといけないのか?そんな業界の当たり前に「より豊かな選択肢」を用意したいのです。飲食店で働いていると、手前味噌ながらこんなに楽しい仕事は他にないように思います。業者様から頂いた食材を丁寧に調理して、お客様に料理として提供する。多くのお客様からは笑顔で「ありがとう」と御礼をいただきながら代金を支払っていただけます。働いているスタッフとエンドユーザーの距離が最も近い仕事であり、それだけにやりがいのある仕事だとわたしたちは自負しています。


いまは何事にも取り組んだことがないうちから「やりたいこと(天職)」を見つけようとする人が多すぎる気がします。天職は探すものではなく、真剣に働いているなかで自分の仕事を天職にしていく人の方が圧倒的に多いのです。とはいえやはり天職と感じるにはある程度の期間が必要です。こんなにも素晴らしい“飲食業”という仕事を、働きたい人がもっと気軽に働き、ゆっくりでも良いから確実に成長していける環境を創りたいのです。今はそこまで本気になれなくても良い、自分がどんな料理が上達したいのかもわからない。でも、食べることは好きだし、誰かに喜んでもらうことも好き。そんな方々がもっと気軽に飲食業にプレイヤーとして参入できる。そのための週休3日制導入です。


「週休3日制」導入の目的と社内外からの反応

スター食堂で「週休3日制」を導入する目的は以下の2つです。

①人手不足に悩む飲食業界において、これまで当たり前だった働き方を同業他社に先んじて変革し、強い想いや高い技術を持った社員を採用すること

②店長や料理長などの基幹社員の公休取得や労務軽減を進め、シフト作成などの心理的安心感を高めることで、安心して業務に集中できる環境を整えること

最初に社内で「週休3日制」を提案した時には、特に店舗勤務のスタッフからは「考えたこともない」「理解が追いつかない」といった反応でしたが、目的やこの制度導入のメリットなどを丁寧に説明することで徐々に周知、理解が社内でも進んできたように思います。まだ導入したばかりなので、制度として定着させるにはまだ時間がかかりますし、この働き方で多くの社員を仲間に加えてこそ目的が達成されると感じていますが、それでも負担を感じていた社員が週休3日制に移行したり、週休3日制への応募が入ってきたり、少しづつ実績が出てきています。週休3日制導入の発表以後は、有難いことに社外での反響が大きく、すでに多くの取材依頼を頂戴しております。また弊社社員が取引先様など他社の社員様から「すごい取り組みをしてるね!」「どうやって実現させているの?」というお声を頂戴しております。

変わらず愛され続けるために、変わり続ける


このようにいろいろな業態に挑戦したり、出店をしていると「老舗なのにすごいね」とお話しいただけることがありますが、スター食堂の歴史は挑戦の歴史だと捉えています。老舗だからこそ挑戦や進化を続けないと生き残っていけない、代表も「これからも変わらず京都の皆様に愛していただくためには、われわれが変わり続けないといけない」といつも言っています。スター食堂が創業してもうすぐ100年。その100年の間に先進国である日本においては、「豊かさ」という定義が変わってきているように感じています。高度成長期は「豊かさ」と言えば経済的成功が一番のイメージだったのではないでしょうか?ところが現在の日本で求められている豊かさとは「選択肢の豊かさ」であるように感じています。いろいろな物事において多様性が認められてきて、「幸せな人生」というイメージさえ、以前よりも画一的でなくなってきました。飲食業という仕事は、徒弟制度など従来の固定観念が根強く生きている業界であり、働き方の自由も含め少し他業種に比べて遅れています。そういう業界だからこそ「働き方の新しい選択肢」を京都の老舗であるスター食堂が先んじて提案することで、外食産業の在り方に一石を投じるものとなり、より豊かな業界になることを望んでいます。

人財を大切に、「おいしい笑顔」や「楽しいひと時」をお届けする


スター食堂は2025年に創業100年を迎えます。100周年はあくまで一つの節目として、これからももっと「おいしい笑顔」や「楽しいひと時」をお届けするために店舗数を増やしていきます。会社が大きくなると、京都以外の出店も視野に入ってきますし、今ある料理人、サービスマン、バックオフィス、セントラルキッチンなどに加え様々な業務を一つの職種として専念することが必要になってきます。例えば品質や衛生管理、メニューデザイン、webマーケティングなどです。そのためにもまずは人財ありき。当たり前のことではありますが、会社で一番大切なのは人財です。今回の週休3日制の他にもまだまだ用意したい働き方はあります。具体的には短時間社員、店舗(エリア)限定社員、パート責任者制度などです。スター食堂は、次の100年に向けて、今後も弛まぬ挑戦を続けてまいります。


スター食堂コーポレートサイト

スター食堂採用特別サイト




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