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育児クイズで目指す、共育ち・共育て社会。パパママの願いをのせた本の、はじめのいっぽのストーリー

著者: 株式会社Mama's Sachi

2020年秋。リアルのつながりが断たれてしまったコロナ禍で、「育児クイズパパ力検定」は生まれました。

2023年第17回キッズデザイン賞を受賞した、LINEで1日1問「育児クイズパパ力検定」(制作・運営 株式会社Mama’s Sachi 千代田区)。2年以上に渡って、専門家や多くのパパママと築いてきた、「育児で大事な“根っこ”の知識」のコンテンツが詰まった、配信サービスです。

LINEで提供しているおよそ250問のクイズや、パパたちの体験談、連載コラムの中から厳選してまとめた書籍『ふたりの子育てがもっと楽しくなる パパのための育児クイズ115』(著 髙橋幸恵/発行 株式会社クロスメディア・パブリッシング)が今年発売されました。これは、子育て中のパパママや専門家たちの願いを載せて出版した本の「はじめのいっぽ」のストーリーです。

 

文:髙橋幸恵(株式会社Mama’s Sachi代表)

・LINEで1日1問育児クイズパパ力検定制作者

・書籍『ふたりの子育てがもっと楽しくなる パパのための育児クイズ115』著者

・編集者、保育士


子どもと関わるときの大切な知識を楽しく発信し“共育て社会”の実現を

株式会社Mama’s Sachiは、子どもと関わるときの大切な知識を「LINEで1日1問育児クイズパパ力検定」をはじめとした楽しく学べる形で提供しています。

また、企業の育児・育休サポート、保育園等の職員研修、地域での夫婦向けイベント、学校での講演会などを通して“共育て社会”の実現に向けて動いています。


コロナ禍で思い出した「はじめての育児」の不安

 

2020年は特別な年でした。ふたりの息子たちは当時5歳と3歳。

やんちゃ盛りで片時もじっとしていられませんでしたが、保育園は休園となり、外出も制限されていました。

 

私自身は長年勤めていた出版社を退職し、次の仕事の準備をしていたところだったので、仕事との両立に苦慮するような状態ではありませんでしたが、それでも制限された日々の中で、一日中子どもたちのパワーに付き合うのは骨が折れました。

 

そのような中で思いを馳せたのは、息子たちよりももっと小さなお子さんを育てている親御さんたちのことでした。自分自身の「はじめての育児」を思い出し、このような状況の中でどんなに不安だろう、私にできることは何かないだろうか、と考え始めたのです。

多くの人は、産後や育児の知識を得ないままに親になっている

 

「なんで、出産前に、産後や育児のことをちゃんと学ぶ機会がなかったんだろう」

 

「はじめての育児」で、私は心と体のバランスを崩していました。

寝不足の中で、必死に赤ちゃんの発育や体調のことなどを検索し続けていましたが、自分が必要とすることはなかなか見つけられず、検索すること自体にも疲れ、悪循環に陥っていきました。

 

そのような中で救いだったのが、会社や友人の「先輩ママ」とのメールやLINEでのつながりでした。

「うちも同じ状態だったよ。でも今はこんなに元気」

「首が安定したら少し楽に、腰が安定したらだいぶ楽になるよ!」

そのような声のおかげで見通しがつき

「この状態は変化していくんだ。終わりが来るんだ」と思えたことが希望でした。

 

多くの人は、産後や育児の知識を得ないまま親になっています。

見通しがつかず、わからないことだらけです。

睡眠不足で産後の疲れも癒えないボロボロの状況の中、守らねばならない小さな命が自分の手の中にあるのです。

 

LINEで1日1問の「育児クイズパパ力検定」は、この当時の自分が「あったらいいな」と思っていたことを形にしたものです。

 

必要とする知識が無理なく得られて、読むとなんだかほっとして、夫婦の目線合わせになって、そしてやっぱり、赤ちゃんとの時間がもっと楽しくなるものを。


書籍も「楽しく無理なく読める」「かたわらに置いておきたくなる」「自分ひとりじゃないんだな」と思ってもらえるような本を目指しました。

 


「自分も孤独を感じていた」という夫の言葉がきっかけに


本書に込めた願いのひとつに「つながりをつくる」ということがあります。周りの人とのつながりであったり、赤ちゃんとのつながりであったり。

 

育児・子育ては、ひとりで抱えているとつらいものになります。

出産後に安定した母子関係を築くためには、もっとも身近にいる父親のサポートが不可欠ですが、近年の調査では、11% の父親が産後に精神的な不調のリスクがあると報告されていて(*)、赤ちゃんが小さいうちは父親にとっても負担が大きい時期だということがうかがえます。

父親にも周囲のサポートが必要なのです。

 

育児クイズのアイデアを思いついた頃、夫が、長男が0〜3歳の頃を振り返って「自分も孤独を感じていた」と話していたことがありました。「どうやって赤ちゃんに関わったらいいか何にも知識がなくて、どうしたら良いかわからなかった。情報がどこにあるのかもわからなかったし、相談できるパパ友もいなかった。」

 

「そういえば、ママ向けの情報は多いけど、パパ向けの情報は少ないな…」

私は、父親をサポートするサービスを作ることで、夫婦の目線合わせに役立ち、母子のサポートにもつなげたいと考えました。

 

「パパにはどうやったら届くのだろう」

身近なパパたちに協力をお願いして座談会を開き意見を募ったり、アンケートをとったりしていきながら「LINEで1日1〜2問、自動的にクイズが配信される仕組みがあるといいのではないか」という考えに落ち着きました。


ですが、私は根っからのアナログ人間。LINE配信の仕組みを構築するため、慣れないシステムを研究する日々が続きました。荒削りでしたがβ版をスタートさせ、登録してくれた方々への配信でいろいろと試し、意見を聞きました。


「解説がどうしても長くなっちゃうんだけど、どう思いますか?」「クイズは1日1問と2問、どっちがいい?」「毎日配信するのがいいか、土日は休むのがいいか、どうですか?」「配信時間は、いつがいい?」「子育て4コマは週の真ん中で配信が良いかな?」といった問いかけを繰り返し、キャラクターの名前も、最初に登録してくれた方々の投票で決定しました。


*Takehara K., Suto M., Kato T., Scientific reports 2020.


 

専門家の知見を、必要とするパパママへ「橋渡し」

 

育児クイズは、すべて専門家の方々とともに制作しています。

保健師、小児科医、救急救命士、赤ちゃん専門の理学療法士、子育て家庭専門の防災士、保育士などです。最近は「子どもの権利条約」についてのクイズにも着手しています。

 

息子たちは、コンテンツの対象年齢からは少し大きくなっていましたが、専門家の方々への取材や交流を通して、私自身の子育てへの学びもたくさん得られました。

「赤ちゃんや育児について学ぶこと」で、赤ちゃん・子どもとのつながりが深まります。

私自身が学んだこと・感動したことの一部分を、書籍中のコラムでも紹介しています。

 

「自分は生まれてきて良い存在」

「ちゃんと愛され大事にされている」

「この世界は信頼できる」

「自分には力がある」

「大丈夫、なんでもできるよ」

そういった自己肯定感、自己効力感。

(本書「おわりに」より)

 

これらを築いていきながら育んでいくことを専門家の方々からめいっぱい教わり、自分自身も保育士の資格を取得して学びを深めていきました。

学びと並行して、2020年からコツコツと、今も育児クイズや連載等を作り、配信し続けています。


クイズを作るのは簡単ではなく、多くの時間と労力を必要としています。正解不正解をつけにくい内容もあり、設問づくりには毎回苦労してきました。「こんなにわかりやすい設問でも良いだろうか…。でも、この内容は伝えたいから外せないんだけど…」とたびたび悩みました。


悩むたびに育児クイズパパ力検定のユーザーに相談しました。

「簡単すぎてつまらない」という声もあったものの「正解するのが目的じゃなくて、解説読んで勉強になるからいい」「クイズって、設問を読むことで一瞬立ち止まって考えられるからいいなと思った」「解説が詳しいから納得できる」「毎日解説を読んでいたら、精神安定に働いた」という声もいただき、「育児クイズパパ力検定は、解説に心を込める!」という今の形に落ち着いていきました。


 

パパママたちの実際の体験談からポジティブな循環を作っていく

 

この書籍を担当してくれた編集者さんが、「こんなにたくさんの体験談が入った本は珍しい」と言っていたのが印象的でした。


『ふたりの子育てがもっと楽しくなる パパのための育児クイズ』には、38人の子育て中のパパさんママさんの声を載せています。それに加え、巻末の連載紹介ページでは、LINEで紹介している「先輩パパからの手紙」も一部載せています。

 

読者の方から

「ふだん、パパたちの声に接することがないのでとても新鮮でした」

「こんな風に育児に関わっているパパたちがいるんだということは、希望です。読んでいて気持ちが温かくなりました」

といった感想をいただいたことがあります。

 

私も、パパママの体験談を読んだときに、同じ感想を持ちました。

 

子育ては楽しいことばかりではないけれど、そこには子どもと作り上げる虹色の豊かさがあります。

親自身の価値観も、気づけばどんどんとアップデートされていきます。

愛情を注いでいるつもりでいたら、実はただただ愛されていたということに気づいたと言っているパパさん・ママさんもいます。

 

LINEサービスではアンケートなどを通して、パパママたちの声を募集し、世の中に発信しています。そうしたところからきっとポジティブな循環が生まれるはずだと思っています。


 

赤ちゃんのことを学ぶことは,命のすべてに耳をすますこと

 

本書が出版されてから数多くのご感想をいただいています。

タイトルに「パパのための」とありますが、子育てがひと段落している方、教職員の方、育児中の部下がいる方、子どもが身近にいないけれど理解したいと思っている方、お孫さんが生まれる方、高校生や大学生、さらには小学生のお子さんが楽しく読んでいるという声もありました。


そうした中で印象的だったのは

「赤ちゃんのことを学ぶことは,命のすべてに耳をすますことだと感じた」

という言葉です。


私は本書をまとめるにあたり、赤ちゃんの発達の道筋に光を当てることで、命の連続性に思いを馳せることになりました。そして、自分が歩んできた道のりと,自分を育んできてくれた全ての存在への感謝を強く感じていました。

この言葉は、そのような私の感動を言い表してくれる言葉でした。


ある学生さんからの本書への感想に「親にも感謝したい気持ちになったし、自分をもっと大切にしたいという気持ちが沸き上がった」という言葉もありました。

子どもを大切にしていくという視点とともに、自分自身も大切な存在であるという気付き。


監修者の中澤恵子さんのコラムの中で、“自分の価値を発見して初めて、他人の価値に気付けるのです”という一文があります。


親も子も、大人も子どもも、互いに尊重していける「共育ち・共育て」の社会へ。

子どものことを理解することは、自分自身にもやさしい目を向けることに通じるようにも思います。

 

「子どもの“根っこ”は、共育ての豊かな学びの中に」

 

ひとりでも多くの方に、専門家や多くのパパママの言葉が届きますように。

ぜひ、本を手に取ってみたり、LINEで育児クイズを体験してみてください。


そして、子どもたちの笑い声がどこからでも聞こえてくるような、やさしく明るい“共育て社会”を共に築いていけることを願っています。



【株式会社Mama’s Sachiについて】

育児コンテンツ(動画含む)の制作、企業向け育児・育休サポートプログラム、講演活動、夫婦向けイベント(クイズ大会や乳幼児の救命講習など)、保育園職員研修(主に救命講習)などを実施。


【企業様向け(育児・育休サポート、人事の方と築いていく研修、座談会など)】

https://mamasachi.jp/service/program


【保育園運営者様向け】

救急車の呼び方、乳幼児への窒息の解除法、止血法、心肺蘇生法を、救急救命士と共にクイズも交えてわかりやすい研修をさせていただきます。

https://mamasachi.jp/service/school/


研修等をお試しになりたい企業様及び保育園運営者様を募集しております

現在、特別価格でお試しいただけます。ご興味のあるご担当者様は、お気軽にお問い合わせください。

▶︎お問い合わせ(Mama's Sachi研修事務局宛) info@mamasachi.jp


代表:髙橋幸恵

所在地:東京都千代田区九段南一丁目5番6号 りそな九段ビル5F KSフロア

URL:https://mamasachi.jp/

Mail:info@mamasachi.jp

※お問い合わせは、株式会社Mama’s Sachiホームページの問い合わせフォームまたはメールアドレスからお願いいたします。


 










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