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リンク・アート ~事故物件をゼロにする成仏不動産の新たな挑戦のストーリー~

著者: 株式会社マークス不動産


2023年4月に始動した「リンク・アート」は、事故物件や再建築不可など問題のあるいわゆる負動産にアートを施して、付加価値をつけて負のイメージを変えるプロジェクトです。


発起人となったのは、負動産を市場に正しく流通させる「成仏不動産」の代表・花原浩二。賛同したミューラル(壁)アートを軸とした事業を多角的に展開するJAPAN AX PROJECT代表・山田真史氏と、「リンク・アート」が始動するまでの道のりと今後の課題について語りました。


インタビューの様子は動画で配信中です。

動画はこちらからご覧ください。

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「リンク・アート」誕生の背景

花原浩二代表(以下、花原代表)

僕の家は、玄関に絵が飾ってあって、毎朝会社に行く前や帰宅したときに目に入ります。その絵を見ると、疲れていてもパワーやエネルギーを貰っている感覚があって、自分自身がポジティブな気持ちになっていることに気づきました。

単純にアートが好きなのもありますね。美術館に行くのも好きですし、家にも置いておきたいし、アートに魅力を感じています。

アートがある生活が家の中にあったらいいなと感じて、物件にアートを入れたいと思いました。事故物件に本物のアートを描くことで、事故物件の負のイメージをプラスに変えられないかと考えたんです。

構想自体は3年ほど前から考えていましたが、今回たまたまのご縁で山田代表とお話しする機会があり、そこから一気に話が進む形になりましたね。


山田真史代表(以下、山田代表)

そうですね。JAPAN AX PROJECTは住宅に壁画を描くという選択肢が当たり前になる世界を目指していて、そういった中でご縁があり、花原代表や成仏不動産と出会いました。事故物件はもちろん存在は知っていましたが、そこにミューラル(壁)アートを描くということは考えていなかったので、視野が一気に広がったのを覚えています。

花原代表が言うように、アートはポジティブな印象を与えると思っています。ですので、事故物件の新しい形として事故物件×ミューラルアートは新しい価値を生み出すと考え、「リンク・アート」の事業化を検討し始めました。



リンク・アートの目的と課題

山田代表

僕らからすると、まず事故物件に対しての理解がありませんでした。しかし、事故物件の理解が深まった今となっては、事故物件の購入を検討しても問題ないだろうと個人的には思っています。ただ、どうしても一般的には事故物件となると単純に抵抗を感じてしまう人が多いと思います。なので、その物件にアートがあることによって、まずはポジティブな印象をもってもらう。そして物件自体に興味をもってもらい、結果として事故物件に対しての正しい理解が進むのかなと思います。そのきっかけの一つにミューラルアートがなってくれたら嬉しいですね。


花原代表

アートを事故物件にしか入れないものにしてしまうと、おかしなことになってしまうと思うので、いろんな不動産にアートを入れていって、不動産にアートを足して価値を上げるということをしていきたいです。その中に、たまたま事故物件があったという立ち位置が一番いいなと思っています。悪いものを消すためにやっているのではなくて、不動産の価値を上げるツールの中に、たまたま事故物件があって、ミューラルアート×事故物件というのをブランド化しただけであって、ぜひとも色んなところにミューラルアートがついた物件を出していきたいと思っています。




山田代表

課題としては、やはりアーティストの選定と、あとは何を描くか、というところだと思っています。今は事前にミューラルアートを描いた物件を販売していますが、今後は事故物件の購入を検討している、そこに住まう人とどんなアートを描きたいかを決めていくことを試していきたいです。それが「リンク・アート」に求められているものを知るための、今後の道しるべの一つになっていくと思います。そしてそれが課題の解消にも繋がるのではないかと思っています。


花原代表

近しいことを僕も思っていたんですけど、アートが好きな人、好きじゃない人がもちろんいて、好きな人の中でもアートの方向性がある中で、事故物件というのがそもそもターゲットが狭いというのも事実なので、その狭いと狭いを掛け合わせるのはリスクがあると思っていました。そう考えると”ここにアートを描きます”という白い壁を一面作っておいて、家を買った人の家族の想いなどを言葉で表現してもらって、それを壁にアートで表現するというのはいいですよね。


事故物件とアートを組み合わせることで生まれる化学反応

山田代表

繰り返しになりますが、僕らは基本的にはアートはポジティブな作品だと思っています。そのようなアートを使って物件の印象を変えることができたり、アートがある新しい”場所”を作り出すことができるというのは、(事故物件とアートの)親和性が高い部分だと思っています。


花原代表

全く同感で、そこに暮らす人のもう一つ先を考えたときに、「事故があってそこで人が亡くなった」ということを忘れて、生活するときがやってくると思うんですね。そう考えると結局はアートだけが残るんじゃないかなと。事故物件×アートの切り口で入るんですけど、その後の暮らしは、ミューラルアートのある生活というか、過ごし方というのになってくるのかなと思うと、最終的には面白い、いい不動産になっていくとそんな印象がありますね。





リンク・アート第一弾の物件


「リンク・アート」で苦労した点は・・・

花原代表

どんな物件にもアートを入れればいいというものではないと思っています。どの物件に何を入れるか、その2つが重要だと考えています。一番難しいのは、想いを込めてアートを入れることができる物件を選定していくところで、次に難しいのは、決まった物件に対してどんなアートを入れていくかという点だと思います。過去の背景を踏まえすぎると重たくなってしまいますし、この辺りのニュアンスが難しいですが、面白いです。


山田代表

事故物件にアートを描くということは、どんなデザインで描くかも今までやってきた作品とは違うベクトルで考えなければいけないことがたくさんあります。そこが大変なところですし、アーティストも気を遣うところだと思います。


花原代表

第一弾の物件のアーティスト、OZ-尾頭-山口佳祐さんは、弊社の事故物件への想いをしっかりと受け止めてくれて、それをデザインに反映してくれて、とても嬉しかったです。


OZ-尾頭-山口佳祐さん



OZ-尾頭-山口佳祐さんが描いたマークス不動産本社のミューラルアート


作品名 ≪響-reverberation- / origin≫


リンクアートの展望

山田代表

今は”リンク・アート”というブランドで事故物件×アートでやっていますけど、事故物件以外にも空き家とか、もっとたくさん不動産は種類があると思うので、アートと不動産でどういうことができるのかっていうのを、関東圏や首都圏に限らず色んな地域でやっていけたらいいなと個人的には思っています。


花原代表

いいですね。聞いていてワクワクしますね。全国何万戸の家があるのか分からないですけど、そこに絵を入れるのが当たり前というのが日本の文化になったら、もっともっとクリエイティブな国になったり前向きな国になったりするんじゃないかなと思います。リンク・アートがきっかけになればすごく嬉しいですね。



花原代表

実は、住宅の寿命は30年って言われていまして、30年経ったら建て替えが平均寿命になっていたりするんですよ。もちろん今の技術で変わってきてはいるんですけど、スクラップ&ビルドで建て替えるのが当たり前の日本だからこそ、壁に絵があったら壊しにくいですもんね。解体するのはもったいないなとか、壁のアートに価値が出ていたら、この壁は絶対に残したいと思うはずです。昔の日本家屋みたいに、この柱は絶対に残してくれ!みたいな・・・不動産や住宅に対しての新しい価値観になってくれたらいいですよね。


山田代表

僕もスクラップ&ビルドの世界を何とかしたいと思っています。たとえば、この家にあるこの壁画を代々伝えていこうというのがあったら、住宅を大切にして住むようになって、それによって住宅の寿命を延ばしたり、実は中古住宅の方が価値が出ているなんていう時代をつくっていけたらと思います。

それこそバンクシーの絵が描いてあったらそれだけで価値がつくみたいな・・・それを我々は日本のアーティストを中心にアーティスト自身の価値を上げていくことで、それが結果として不動産の価値を上げることになるのかなと思います。


花原代表

アーティストを育てる機会にもなるということですね。素晴らしい、頑張っていきましょうね。


2人の夢を聞かせてください

山田代表

夢は、アートって自己を発信するものだと思っていて、世の中に不動産を通じてアートが増えていくことで、小さい子供たちがその辺の石ころを並べて、「これが俺のアートだ、なぜならこうだから~」「よくわかんねえよ」みたいに言えるような世界を作りたいです。これができることによって、幼少期から自分は”こう思っているんだ”とアウトプットする機会ができます。実はアートがそこに寄与するんじゃないかと思っています。

そうすることで、もっと自分の意見を尊重する、人の意見を尊重する世界が作りたいなっていうのは思っています。そういう世界が今の事業を通してできるといいなって、壮大な夢として抱いています。


花原代表

自分はどうしても不動産屋なので、不動産を通じて世の中に貢献したいっていう、そこだけはブレずにあります。負ける負動産を富の富動産に変えることは、誰にとっても必要なことだと思っているので、その為には固定概念に縛られず、いろんな手段を用いて負動産を富動産に切り替えて、どんどん世の中を活性化させていくことができる不動産屋になりたいなと思っています。





株式会社マークス不動産

「不動産の可能性を追求し、世の中の困りごとを解決する」をビジョンにかかげ、不動産業界の様々な課題を解決してきました。事故物件を正しい価格で買い取り再販する「成仏不動産」や、著名人向けの不動産コンシェルジュサービス「御用達不動産」、再建築不可の物件を取り扱う「再建築不可救急隊」などを行っています。

●概要

会社名 : 株式会社マークス不動産

代表者 : 花原浩二

設 立 : 2010年3月

事業内容 : 不動産買取/不動産仲介(売買仲介および賃貸仲介)/不動産活用コンサルティング

URL : https://marks-house.jp/


JAPAN AX PROJECT株式会社

「アートは、人生を豊かにする。」というビジョンのもと、2022年に立ち上がったアート事業のスタートアップです。ミューラル(壁画)アートをオフィスや住宅、地域や商業施設、また地域活性など様々なシーンの価値人落とし込む企画力をコアコンピタンスとして、DXと対になるAX(アーティスティック・トランスフォーメーション)を普及、提供、ミューラルアートを企画から制作ディレクションまでをワンストップで行っています。

●概要

会社名 : JAPAN AX PROJECT株式会社

代表者 : 山田真史

設 立 : 2022年9月

事業内容:アート事業/企画コンサルティング業


【記事内のアーティスト OZ-尾頭-山口佳祐】

OZ-尾頭-山口佳祐オフィシャルWEBサイト:https://oz-te.com/

アートディレクション WASABI/株式会社NOMAL:https://wasabi-artdesign.com/




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