輸入商社の国産オリジナルタイル「COLORIDO(コロリド)」の開発を手がけたのは2名のショールームスタッフ。現場のチャレンジから生まれた新商品開発ストーリー
リビエラ株式会社は、イタリアを中心にデザイン性の高いセラミックタイル建材を輸入し、国内で販売する商社です。1997年の設立当時、10センチ角の国産品タイルが主流だった住宅業界で、金額が安くデザインも大きく見える欧米の30センチ角のタイルを輸入販売し、世の中のスタンダードに変革を起こしました。その後も、最新トレンドのタイルを直接輸入し、住宅の玄関まわりの多彩なデザインを提案しています。
今回、商業向けブランド『TERRA』の新カタログ発刊に合わせて、社内でオリジナルタイル「COLORIDO(コロリド)」を開発しました。開発に携わったのは、2人の女性社員です。
このストーリーでは、製品開発に込めたこだわりと商品の魅力をお伝えします。
開発に携わったのは、ショールーム担当の2名
▲【写真】左 上中(東京ショールーム) 右 本城(大阪ショールーム)
2人はショールームスタッフとして、建築士やデザイナーはじめ、個人のお施主様など様々なお客様をご案内し、お求めのイメージに合うタイルやインテリアコーディネートをご提案しています。二人の共通点として、前職からインテリアや設計に携わっていたことでした。このような経歴と女性ならではの視点、そしてショールームスタッフとして直接お客様からいただくお声を参考に、リビエラらしいオリジナルタイルが完成しました。
コロナ渦の影響により、リモートワークの増加など生活様式の変化から、住宅インテリアにもこだわり、特別感のあるタイルに関心を持つお客様が増えたように感じます。当社では、玄関まわりのタイル提案を得意とする一方、空間のアクセントに使えるような小ぶりのタイルは他社メーカーに比べてもラインナップに限りがありました。そこで、当社が取り扱っているイタリア製大判タイルにも合い、日本製タイルならではの「小ぶりながらも空間に彩りを添えられるような存在感あるタイル」のバリエーションが必要と感じ、開発に至りました。
オリジナルタイルのコンセプト
▲【写真】(床)イタリア製タイル (壁) 多治見タイル「COLORIDO」
新タイル開発にあたり、選んだテーマは「色彩と光」。南米の街並みや建築風景にあるような彩りと光を取り込んだデザインをコンセプトに、目で見て楽しめるような配色や光の演出、触れたくなるような素材感にこだわりました。
今回採用した多治見タイルは、多彩な釉薬を使い質感に奥行きと深みを生み出し、1枚1枚味わい深い風合いと経年変化も楽しめるのが魅力のひとつです。共同開発した、多治見の老舗タイルメーカー 立風製陶社とは、今回が2シリーズ目の取り組みです。
環境にも配慮し、今回のタイルに58%のリサイクル原料の生地で作ったタイル4種類に含まれています。(製造時の廃棄原料や検査で取り除かれた不要製品などは粉砕して、再び原料として使用する土の循環リサイクルシステムを利用)
2人にとってはじめての開発、そしてリモートワーク、タイトな制作期間
プロジェクトは2022年12月中旬から、大阪・東京、そして立風製陶社のある岐阜の3拠点でリモート開発が進行しました。本来は、直接手に取り色や質感を確認したいところでしたが、コロナ禍という現実、しかも新カタログに間に合わせるために、2ヶ月半というタイトな制作期間で完成しなければなりませんでした。
▲【写真】(左)金型 (右) 色調整
まずはじめに型から取り掛かり、六角形の表面デザインが異なる金型を使って表情豊かな六角形タイルを企画しました。色は、日本塗料工業会の色見本票から指定、風合いや素材感はイメージ画像や様々な説明を加えて、三方でデザインを共有していきました。
一番苦労した作業が配色の調整でした。今回のテーマ「色彩と光」を表現するために、釉薬の種類を色ごとに変えていき、目で見て楽しめる色や質感にこだわりました。生地によって釉薬の色の見え方が異なる事がわかり、焼いてみないとわからない要素も多くありました。予想外の色味がアクセントになり採用された色もあれば、鮮やかさをより強調させたり、赤みを抑えたり、試作を重ねていきました。
試作段階では8種類のデザインを制作し、最終的には、標準色の白とベージュ系カラーの2種、トレンドカラーとして注目されている2種、そしてシャープさもあるダークグレーの計5種類をラインナップにしました。
▲【写真】5種類のシート(上からブランコぺルラ/ベージュペルラ/グリスメタリコ/ベルデコバルト/テラコッタローサ)
そして、実際に現場で張る場面を想像し、施工のしやすさにも工夫を凝らしました。約5cm角の六角形モザイクタイル3種を、6×6の36個分を1シートにパッケージしました。釉薬には、タイル表面の凸凹をより感じられるもの、フラットなタイルの風合いを感じられるもの、それぞれの特性に合わせて、釉薬の良さを引き立つ配置を念入りに検討しました。シートは上下反転して施工していただいても違和感が出ないよう、細部まで調整を重ねました。
個人の邸宅のみならず商業施設のアクセント壁にも使っていただきたい。オリジナルタイルの今後の展開について
▲【写真】施工事例(左)ベルデコバルト(右)テラコッタローサ
今回のオリジナルタイルは、すでに個人邸を中心にご注文いただいており、さらに提案中のプロジェクトも進行中です。タイルは各ショールーム(東京・大阪・静岡・福岡営業所)またはサンプルのタイルを公式ウェブサイトからお取り寄せいただく事ができ、色味や質感を直接ご確認いただけます。
商品ページ:https://riviera.jp/lineup/ceramic/colorido/
おすすめの施工場所は、洗面サニタリー空間などの小面積の壁から、居住空間や商業施設などのアクセント壁まで多岐に渡ります。豊かな表情を生み出すために多彩なデザインピースを組み合わせているので、広範囲の壁に表情を作り出すこともできます。
最後に、開発チームの2人からコメント
初めての開発で知識不足ということもあり、数々の壁にぶち当たる事もありましたが、立風製陶社にサポートいただき、貴重な経験をさせていただきました。そしてこのような機会を与えてくれた社内制度(チャレンジ制度)がある事で、ショールームスタッフとして採用された自分がまさか生産開発をする立場になるとは思ってもみませんでした。このオリジナルタイルの開発を通じて、タイルを選ぶ楽しみを感じてもらい、ものづくりの奥深さや商品のストーリーを伝えたいと思います。また、日本のものづくりの発展に微力ながら貢献したいです。建築空間の一部として、皆様に小さな感動を提供し、タイルファンを増やしたいと願っています。
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