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ストーリーの著者は、読者でもあります

科学に基づいた、持続可能なキャリアをデザインするための、キャリアコーチングプログラム「Lead Career」の開発経緯と想いとは。

著者: 株式会社Post MBA's

「正しい人材に正しい機会を」をパーパスに掲げるPost MBA’s。ハーバードやMIT(マサチューセッツ工科大学)、スタンフォードなどで経営学修士(通称MBA)を取得したビジネスパーソンに高機能人材としての副業機会を提供し、法人向けのビジネスコンサルティングや個人向けのキャリアコーチングを行っている。今年7月にはMITリーダーシップセンターFaculty(教授・講師)のダイーナ・ジャルディアのサポートを得て持続可能なキャリアをデザインするためのコーチングプログラム「Lead Career」の販売を開始した。

そこで今回はPost MBA’sの創業者であり、MITのMBA卒業生でもある後藤役員に、プロジェクトの開発ストーリーについて聞いてみた。

コーチはすべて海外MBAホルダー。MITとスタンフォード出身者が開発したキャリアコーチングプログラム

Lead CareerはMITとスタンフォード出身者が開発した、アメリカ式のコーチングメソッドを日本人向けにアレンジしたキャリアコーチングプログラムだ。人事系出身者が1on1で面談を行うこれまでの日本のキャリアコーチングとは異なり、「リーダーシップ開発」や「チームコーチング制」といった要素を取り入れ、何よりコーチがすべて海外MBAホルダーという特徴がある。2023年7月にサービス開始以来、多くの20代・30代のビジネスパーソンを惹きつけ、今では予約するのに3ヶ月待ちとなっている。


(Lead Careerホームページ画面:https://www.lead-career.com/)

創業のきっかけは日本全体で活用すべき人材を活用できていないという危機感

「日本に大量に埋もれていて、かつそれを掘ろうとする人があまりにも少ない資源がある。・・・(省略)・・・それは人だ」。創業者である後藤が何気なく読んでいた漫画の一コマである。


後藤 「10年前くらいに連載されていたアクマゲームという漫画なのですが、この一コマがすごく印象に残ったんです。当時はまだ社会人になり立てだったこともあり、へぇ日本には人材が埋もれているんだ、くらいの感想でした。ただ登場人物の「誰も発掘しようとしないなら、この資源(人材)、僕がすべてかっさらう」ってセリフがすごくカッコいいなと思ったのは覚えています。そのキャラはラスボスなんですけどね。笑」

その後、大手製造業で企画業務に追われる中、後藤はすっかりこのセリフを忘れていたが、2022年にMITのMBAスクールに入学後、その言葉を10年ぶりに思い出すことになる。


後藤 「MITには世界中から優秀な人が集まってきます。また、自分は群馬の片田舎で育ち、初の海外駐在だったこともあり、現地の英語の速さにも最初は圧倒されました。ただ慣れてくると日本人留学生とアメリカ人に大差はなく、むしろ処理能力や論理的思考能力なんかは日本人が勝っているのではと思うようになりました。でも、卒業後の給料を比較すると、MITのMBA卒業生の年間平均給与は約16万ドル(日本円で約2500万円)を超えていて、日本人留学生の2~3倍でした。MBAに限った話ではなくて、PhD(博士)や医師、弁護士、デザイナーなども日本と比べて2倍~3倍の給与を手にしていて、年功序列などの文化の違いを考慮しても、日本全体で活用すべき人材を活用できていないと危機感を持つようになりました。そんな時、あの漫画の一コマを10年振りに思い出し、大企業が活用しないなら、まずは自分の身近にいる優秀なMBAホルダーを僕がすべてかっさらってしまおうと思ったのが創業のきっかけです。」


(日米の専門職に対する賃金格差)

コーチングは科学であり、正しいプロセスがある。日本のコーチングのレベルアップを実現

当初は海外MBAホルダーに副業機会を提供し、法人向けのビジネスコンサルティングを手掛けていたが、2023年7月より個人ユーザー向けのキャリアコーチング「Lead Career」をスタートさせた。


後藤 「これまでの社会人生活で、高いポテンシャルを持つ人があまり評価されないところを何度も見てきました。逆に評価されている人の話を聞くと、たまたま良い上司や同僚に巡り合えて成長できたというパターンが多い印象でした。私自身も新入社員研修のころは怒られっぱなしだったのですが、恩師と出会うことで仕事に関する姿勢が大きく変わりました。問題なのはそういった出会いが配属ガチャなどの偶然に左右されることが多く、再現性が低いことだと思っていました。


日本にいる頃はそういうものと割り切っていたが、MITのコーチングの授業の中で、「再現性を高める」ためのヒントを得る。


後藤 「MITに留学している間、最も衝撃を受けたことなのですが、『コーチングは科学であり、効果的なプロセスがある』と教わります。例えば、日本でキャリアコーチングというと、人事や転職エージェント出身のコーチの方と1対1で話しながら自己分析やキャリアプランを考える、というやり方が主流ですよね。ところがアメリカでは360度評価を行う、チームで悩みを共有し合う、ゲストスピーカーの話を聞く、これらを通じて多角的な視点を取り入れつつ、客観的に自己分析し、その過程や結果をビジネス経験豊富なコーチとの1on1を通じて振り返るのが一般的です。」


後藤 「アメリカでは1970年代にキャリアコーチングが始まっており、市場規模も1兆円を超えます。長い歴史と多くの資金が集まるアメリカではどんどん効果的なコーチングメソッドが追求されてきました。日本のコーチング市場もここ5年で約10倍に急成長していますが、それに伴いコーチングを提供する側もレベルアップしていかなければならないと思っています。百聞は一見に如かずで、実際に海外で本格的なコーチングを経験したMBAホルダーだからこそ、そのレベルアップを実現できると思っています偶然に左右されることなく、誰もがポテンシャルを発揮して、自分が持つ正しい価値に気づいてもらうことを目標に、Lead Careerを始めました。」


(日米間のコーチングに関する差異)

客観的な自己分析の重要性に気づき、アメリカ式メソッドのマスターを決意

MIT在学中にLead Careerのサービス開発に着手したものの、コーチング文化の発達していない日本からきた後藤にとって、本場のコーチングメソッドは戸惑いの連続だった。


後藤 「コーチングは科学と聞いたときに衝撃は受けたものの、感情がついてきませんでした。一人一人キャリアは違うのに、効率の良いコーチングって本当にあるのかな?って。でも、MITでとにかく色々な考え方に触れ続けるうちに、だんだんと自分の考え方が変化していくのがわかりました。例えば、MITでは「客観的な自己分析」が効果的なコーチングの方法だと習います。そのために360度評価という、自分の強みや弱みなどを自分と他人がそれぞれ評価して、そのギャップを可視化していく作業を行うのですが、私の場合は、全体的に自己評価が高く、自分で強みと思っていたことすら、他の人からは弱みと評価されていて、けっこうショックを受けました(笑)。実はこれはダニング・クルーガーの法則という認知バイアスの一種で、実際の評価と自己評価にずれが生じる、または認識に誤りが生じるという誰にでも起こりうる現象です。面白くなって実際にMITの同級生50人にアンケートを取ると、平均で15%ほど自己評価が他人からの評価よりも高くなり、約50%の人が自分が強みだと思っていたスキルを他人からは弱みと評価されていました。」


後藤 「こうやって数字ではっきり見せられると、本当に効果的なメソッドはあるんだと実感しました。裏を返せば、客観的に自己分析をしないと、間違った前提を基にキャリアを設計してしまうということですから転職などの短期的な目で見ればさほど影響はないかもしれませんが、長い目で見るほど自己分析という土台が歪んでいれば、キャリアデザインも歪んできます。それはもはや持続可能なキャリアデザインとは言えませんよね。」


(自己評価と他者評価のギャップ)


まずは自分自身がアメリカ式のコーチングメソッドをマスターすることが重要と考え、MIT在学中の多くの時間をコーチングの習得に費やすことになる。


後藤 「アメリカのコーチングメソッドを完全に習得することを目指し、MITのリーダーシップセンターFacultyのDaena(ダイーナ)に弟子入りしました僕の熱量に真剣に向き合ってくれたDaenaには本当に感謝しています。おそらく日本のキャリアコーチングでMITの講師と協力したのは当社が始めてだと思います。」

https://mitsloan.mit.edu/faculty/directory/daena-giardella

日本人向けにアレンジする難しさを実感。泥臭いトライアンドエラーの繰り返し

本場のコーチングを習得しても、それを日本人向けのプログラムとして開発するまでには多くの苦労があった。日本とアメリカの文化の違い、国民性の違いなどから単純に日本に輸入すれば良いというわけではなかった。


後藤 「Lead Careerの開発にあたって、日本人向けにアレンジするのが最も難しいことでした。多くのビジネスパーソンにインタビューする中で、『日本人には向かないのではないか』という意見も数多く頂戴しました。私もそうなのですが、日本人はどうしても自分の悩みを他の人と共有することが得意ではない場合があります。その中でコーチングを受け入れてもらうには、とにかく話しても大丈夫という安心感=『心理的安全性』を持ってもらうことがポイントでした。Daenaとは何度も話し合い、時間をかけてこの心理的安全性の作り方にこだわってきました。」


この難題を解決したのも“科学的なアプローチ”であった。様々なバックグラウンドを持つ人達にテストとしてコーチングを受けてもらい、どこに不安を感じたかを設問の一つ一つまで落とし込んで回答してもらうことで課題をデータ化した。


後藤 「結局、心理的安全性を確保するには、ひたすら課題を潰していくしかないなと考えました。先ほどの360度評価の例でいえば、MITでは仕事関係者に回答してもらうことを推奨していますが、日本では職場の人にお願いするのはハードルが高いですよね。そうすると、友人や家族に答えてもらう必要が出てくるので、それに合わせて質問内容も一つ一つ作り変えました。そして、職場の人に評価してもらった場合と、親しい友人から評価を受けた場合とで、結果に有意性があるかを確認して、同等の結果が得られればその質問を取り入れて、得られなければまた質問を作り変えてトライする。こういった泥臭いことを何度も何度も繰り返して、結局半年くらいはかかったのではないでしょうか。アプローチはデータに基づいた科学的なものなのですが、やっていることは『ここまで来たらトコトンやってやる』というまさに根性論でした(笑)。」


後藤 「プログラム内容やゲストスピーカーにも様々な工夫を凝らしていますので、ぜひ体験していただければと思います。」


Lead Careerのコーチングにお申込みしたい方は以下URLよりご予約ください。

Lead Career公式サイトURL https://www.lead-career.com




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