「リデザイン羽織」でサスティナブルなセルフブランディングを提案。眠っている希少なヴィンテージ着物や存続が危ぶまれる全国のご当地染織品を世界へ。
#創業ストーリー #サスティナブルファッション #着物
株式会社キモノ・スタイルは、『世界の人々の日常生活に、日本伝統文化のハッピーエッセンスを。』という事業ビジョンのもと、眠っている着物や、存続が危ぶまれる全国の染織品などの日本伝統文化資産を、アナログ/デジタルテクノロジーを活用して世界の人々が現代生活に取り入れやすいアイテム(製品)に「リデザイン=最適化」する研究や取り組みを行っている会社です。
プロジェクト第一弾は、日本伝統衣装である“羽織”をリデザインしました。「リデザイン羽織」のメイン素材として使うのは、眠っている希少なヴィンテージ着物や後継者問題等で悩む伝統技法を今に引き継ぐ全国の染織品。着物に憧れを持つ世界の人々が、着方に悩まず時間もかけずに洋服のハーフコート感覚で「リデザイン羽織」をデイリーウェアに取り入れて、気軽に日本伝統文化と着物感覚を楽しんでもらい、量産ファッションにはできないセルフブランディングを実現してもらいたいと考えました。
当ストーリーでは弊社のビジネスキーワードでもある「リデザイン=最適化」に関すること、「リデザイン羽織」の誕生秘話や魅力について代表兼リデザインプロデューサーの古志に話を聞きました。
代表兼リデザインプロデューサー・古志
日本伝統文化資産(伝統工芸品)を新たなかたちで世界に広めるべくスタートした会社(クリエイティブ・ラボ)。
眠っている着物や全国の伝統工芸品などに目を向けると、「日本仕様」で作られたものがほとんどです。すなわち、日本人が日本の生活様式(現代より過去)にフィットさせたものであり、現代生活では誰もが活用しやすいアイテムではありません。大量に眠る「着物」もまさしく「日本仕様」であり、興味を持つ人々はたくさんいるものの、誰もが活用しやすいアイテムではありません。
鑑賞目的のアートなら不変的で良いのですが、伝統工芸品は一般的には日常生活の用に供されたものであり、人々が活用しやすいアイテムであるべきだと考えます。現代はグローバル社会であり、多様性を重んじる時代、伝統技法を今に引き継ぐ伝統工芸品であっても後世に残すためには現代にフィットさせることも必要と考えております。
弊社は、リデザインという手法で休眠資産と言える着物や、存続が危ぶまれる全国の伝統工芸品を、現代そして未来を見据え、アナログ/デジタルテクノロジーを活用して世界の人々が日常で取り入れやすいアイテム(製品)に「最適化」するためのリデザインプロダクツの研究と製造を行う会社(クリエイティブ・ラボ)です。
「自分らしく生き、自分ができることで少しでも社会貢献したい。」という思いを胸に、経営していたIT会社をM&A(事業承継)しシニア起業家として再スタート。
若い頃は西洋かぶれだった私ですが、年齢を重ねるにつれ、着物や帯をはじめとする様々な日本伝統工芸品の独特な美しさときめ細やかな作品に魅せられるようになりました。いろいろ調べてみると、多くの日本伝統文化産業や資産が衰退の危機にあることがわかってきました。
外国人は自国の文化や資産を生活に取り入れつつ他国の文化をリスペクトする傾向があります。最近では日本に興味を持つ外国人も増え、日本の伝統文化の奥深い魅力にはまる人も少なくありません。一方で、日本人の多くは自国の文化に心の底では強い誇りをもちながらも、着物をはじめ多くの日本文化資産を生活の中でうまく活用することができず、すばらしい作品の数々が休眠資産となり日の目を見ない伝統産業があるように感じます。
もう少し社会に目を向けると、先進国と言われる日本ですが少子高齢化社会を向かえ、日本自体もさまざまな産業が勢いを失い、年々衰えていくような印象を持っており、日本人として私自身が日本の未来を憂う日々が続いておりました。日本の強みは何か?と考えた時に、一つは島国ならではの独特の文化、そこで生まれた伝統工芸であると考えました。西洋では真似のできない日本のものづくりと工芸品をうまく世界に伝えていくことが日本生き残りの一つの道であると思いました。
そのような心情の中で、アパレル→IT業界でクリエイティブ=ものづくりに取り組んできた自身の経験とスキルセットをフル活用するべく、長年経営していたIT会社をM&A(事業承継)し、還暦もさほど遠くないこのタイミングでのシニア起業を実行しました。
職人の祈りや想いを生かし未来に残したい。世界で「鬼滅の刃」がヒットする中、現代にフィットした「リデザイン羽織」を発案
休眠資産と言える希少な着物や帯の独特な美しさときめ細やかな作品に魅せらた私ですが、最初は手に入れた品々から手芸が得意なアマチュアの方もよく作られているファッション小物(お財布、バッグ、ストールなど)を作ったり、知り合いの作家さんの個展を開催してリサーチしたりしておりました。和装品好きは作品に一目ぼれする方も多く、概ね盛況ではありましたが、ファッション小物なので着物や帯の伝統文様などが美しくあしらわれた一部分のみを用いるもので、着物の端切れの活用には最適なのですが、完成した作品とも言える着物や帯を切り刻んでつくるのはためらいも感じます。完成品である着物や帯にあしらわれた伝統文様や構図には当時の職人が祈りや思いを込めて手仕事で時間をかけて仕上げた心のこもった作品であり、もっとその魅力をそのままに生かしたかたちで未来に残していく方法はないだろうかと考えるようになりました。
着物本来の持ち味や構図を生かしつつ、不要となる部分を減らし、日本人のみでなく外国人であっても気軽に活用できるものは何か?と熟考し、日本の伝統衣装である「羽織」に着目しました。ちょうどコロナ禍でTVアニメ「鬼滅の刃」が世界でヒットし、そのストーリーの中心的人物、鬼殺隊最高位の剣士「柱」たちも個性豊かな羽織を愛用していました。羽織は簡単に言えば着物の上に重ねて羽織るもので、歴史をたどると男性、女性さまざまなストーリーがあり、用途も着こなしルールも違いがあります。そのような従来の羽織の仕様を研究し、現代にフィットした「リデザイン羽織」を発案するに至りました。
サスティナブル、ジェンダーフリー。現代に合った、唯一無二の「リデザイン羽織」を軸にセルフブランディングできる和装ファッションを世界に広めたい
弊社は眠っている着物や、存続が危ぶまれる全国の染織品などの日本伝統文化資産を新たなかたちで世界に広めるために研究し事業活動する会社ですので、着目した羽織についてもそのような資産を利活用することを前提にスタートしました。ヴィンテージ着物は個人の家庭に眠っているもの、着物流通業者などでストックしているものなどいろいろありますが、受け継がれて大切に保管された着物の中には現代着物とはひと味違う美しさや言葉に表しにくい温かみがあります。
最初に休眠資産のヴィンテージ着物ですが、ご存じの通り伝統文様や配色が美しい着物は女性向けであり、仕立てた当時は今より小柄な日本人女性が多い時代でしたのでサイズも布量もそれ相応でした。現代人、特に外国人も着れる羽織となると、限られた布量をどのように活用するかを最初に考える必要がありました。さらに、経年劣化により落ちない目立つ汚れは避けなければなりません。「リデザイン羽織」を起案した理由として、着物本来の持ち味や構図を失うことなく再現し、あたかも着物を着た感覚を誰もが気軽に味わえるようにするのが前提でしたので、この布量とサイズ問題はかなり悩みました。
存続が危ぶまれる全国の染織品についても、各地域の工房を訪問させていただき、知見を深め、ご当地品と言える「リデザイン羽織」を少しずつ増やしていければと考えております。こちらは新品の反物から仕立てられるため、ヴィンテージ着物のような完成品から仕立て直す必要はありませんが、着物に使われる反物は女性用だと通常、幅9寸5分(約36cm)で、長さ3丈(約12m)と決まっており、洋服生地に比べこちらも作れるサイズの制限はありますが、割と融通はききます。私の思いとして「リデザイン羽織」が地域活性化のご当地品として、公共や民間施設等で取り上げていただき、各地域とコラボできればと考えております。
江戸時代から続く江戸小紋を今に伝える石塚染工の作業風景
また、世の中はジェンダーフリーが叫ばれる中、セルフブランディング視点でも自分が本当に良いと思うものを選びファッションを楽しんでもらいたいという思いもあり、性別分けした羽織を作るべきか悩みましたが、あえてジェンダーフリーモデルとして商品化してみました。デイリーファッションに取り入れ、ルーズフィットで自由に着こなしてもらう羽織を目指すべく、開発メンバーとデザインを検討し試行錯誤の末、グローバルなジェンダーフリー(SM、ML、XLの3サイズ)の型紙を作成しました。リデザイン羽織の仕上がりサイズは入手したヴィンテージ着物のサイズや布量を見て判断しています。また、ML、XLサイズは背中心にハギを入れており、持ち味や構図を崩さぬように各部位の布をうまく活用する工夫をしています。出来上がったリデザイン羽織はワンサイズ一点もの=この世で一つのものとなりますので希少価値も生まれます。
デイリーファッションとして「リデザイン羽織」を取り入れてもらうには現代生活にフィットさせることも重要です。ヴィンテージ着物の表地に対し相性の良い洋服用の綿生地を合わせた裏地付きモデルと、ヴィンテージ着物に洋服用のデニム生地を合わせたリバーシブルモデルも一部で展開しております。こちらは両面着ることができるため、シチュエーションや組み合わせるアイテムに合わせて、着こなしの幅が広がります。共通の仕様として、内胸と両脇の腰下にポケットを設けました。さらに特徴的なのは着物生地で作ったベルト紐を作り、羽織のベルトループか脇あきにベルト紐を通すことにより、ウエストを絞ったハーフコートのように着ることができます。(ベルト紐の通し方も3通りできます。)もちろん、ベルト紐を使わず従来の羽織のように胸下に羽織紐を取り付けたり、正面を開いた状態でルーズに着こなすこともできます。
ゼロからの開拓、独自のサプライチェーンを思い描く
私は20代の頃アパレルで数年ルートセールスや企画職をしておりましたが、ちょうどアップルのパソコン(Mac)が登場した頃にCGを学び、デジタルワークにシフトしました。その後IT業界で30年くらいクリエイティブの仕事に関わっておりました。従って着物業界などは縁遠い世界で、知り合いもいなく希少なヴィンテージ着物を入手して羽織を製造するためにはゼロからの開拓が必要でした。
着物の仕入れ、副資材の調達、着物のクリーニング、洋装、和装品にも対応できる縫製工場など、ゼロから探すのは簡単ではありませんでした。独特な慣習の着物業界へのアプローチ、東京や京都の呉服屋やアンティーク着物屋、個人の着物コレクターなどをまわり、ヴィンテージ着物の調達、量産製造に慣れてしまっている縫製工場への啓蒙活動、製造プロセスのIT化、着物と相性の良い副資材の調達など、振り返ればいろいろ大変でした。
特に製造の要である国内の縫製工場は、私のリデザイン羽織にかける思いを深く理解し、手間のかかる工程に向き合ってくれて、ヴィンテージ着物や染織反物を素晴らしい羽織に生まれ変わらせてくれてます。もちろんこの縫製工場もベースは量産型の洋服専門工場ですが、先見性のある社長が“捨てないアパレル”という商標を登録し、サスティナブル視点でさまざまな試みや取り組みをされており、着物についてもリメイク経験もある工場でしたので、心強い味方となっております。
少し社会に目を向けると、アパレル業界が抱える課題として大量生産・大量消費、廃棄物による環境汚染や労働環境問題などがありますが、こういった課題に対し、既存のサプライチェーン改革視点からも、弊社の取り組みはこれからの製造業の方向性を考える試みの一つになるのではないかと思います。
直営グローバルオンラインショップ「一扇」で販売スタート
「リデザイン羽織」の販売にあたり、2023年9月25日、直営グローバルオンラインショップ「一扇」をプレオープン致しました。当サイトをメインの販売チャネルとして運営していき、今後の製造計画、販売計画のもと、リアルチャネルでの販売なども検討していく予定です。
https://issen-japan.com/
(ストアロゴデザイン:書道家/芸術家 紫舟)
この世でただ一つの一点ものであるヴィンテージ着物モデルと全国の日本伝統染織品から作ったご当地モデルを販売拡大中
○ヴィンテージ着物モデル
この世でただ一つの一点もの(裏地付とリバーシブルモデルの2タイプ、ジェンダーフリー3サイズ展開。)
日本伝統和色と文様があしらわれた美しいヴィンテージ着物の表地に対し、チラ見せするとハッとするような色合いの綿100%の裏地を組み合わせました。
サイズ:SM、ML、XL(※身長150cm~190cmくらいの方)
素材:表地 正絹、裏地 綿100%
特徴:ワンサイズのみ一点もの、ジェンダーフリーモデル、左内胸と両サイドにポケット付き、着物生地のベルトが付属、ウエストを絞って着用可能、袖に開きがあるもの、ないものあり
色:羽織のベースとなる着物により色合いはさまざまです
日本伝統和色と文様があしらわれた美しいヴィンテージ着物に対し、毎日着ても飽きのこないベーシックなデニム生地を組み合わせました。
サイズ:SM、ML、XL(※身長150cm~190cmくらいの方)
素材:片面 正絹、片面 綿100%
特徴:両面着用可能、ワンサイズのみ一点もの、ジェンダーフリーモデル、左内胸と両サイドにポケット付き
着物生地のベルトが付属、ウエストを絞って着用可能、袖に開きがあるもの、ないものあり
色:羽織のベースとなる着物により色合いはさまざまです
○全国のご当地染織品から作ったリデザイン羽織-受注製造モデル
新品の反物から受注製造(サイズオーダー、裏地付とリバーシブルモデルの2タイプから選択可能)
現在、東京・江戸小紋の工房、「石塚染工」の小紋モデル2タイプを販売中。
【出資者、コラボ企業、仕事仲間求む。】
弊社ビジョン、事業活動に共感いただきご支援いただける投資家、企業様がおられましたら、お声がけいただけると嬉しいです。また、仕事仲間や事業コラボ先も募集しておりますのでご興味ある方がいらっしゃいましたらお気軽にご連絡くださいませ。
→ ご相談は弊社ホームページのお問い合わせからお願い致します。
【リデザイン羽織展示販売会を有楽町マルイにて開催!】
有楽町マルイにてクリスマス期間に開催します。「リデザイン羽織」を直接見てご試着いただけます。年末年始は「リデザイン羽織」を取り入れたお正月ファッションはいかが?
開催期間:12月20日(水)~12月26日(火)
開催場所:有楽町マルイ 2階 コンセプトショップス ブース10
来場特典:ご購入者全員に割引クーポンを進呈。
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