コロナ禍で生まれた無人ビジネスの新展開。顔認証ソリューション「FACE-SYSTEM」が労働人口減少や犯罪増加などの社会課題を解決する鍵に。
コロナ禍に増加した無人の店舗や施設は、コロナ後も低コストで運営できるメリットから、社会に定着しつつあります。システム開発を手掛ける合同会社SBTCAS(スバキャ)は、2021年にある顧客から相談をうけて、ノーコードで無人店舗のシステムを開発。
これをきっかけに、無人店舗のシステム化に取り組み、2021年10月にLINEアプリ「かんたん無人店舗」をローンチしました。さらに「顔認証」に着目し、自社で無人の美容サロンを開店して顔認証を試験的に導入、また様々な業界の企業へのヒアリングを通して、顔認証には犯罪・迷惑行為の抑止や顧客のデータ分析など、大きな期待があることを実感しました。
そこでこのたび、SBTCASは独自の顔認証ソリューション「FACE-SYSTEM」を開発してローンチしました。店舗や施設の、本人確認・開錠だけでなく、犯罪・迷惑行為の抑止、顧客のデータ分析にも役立ちます。治安の悪化・迷惑行為の増加や、労働人口の減少といった社会課題へのソリューションとなる「FACE-SYSTEM」の開発ストーリーを紹介します。
●2021年に無人店舗管理LINEアプリ「かんたん無人店舗」をローンチ
長年、システム開発やマーケティングを手掛けてきた松本恒彦は、前の会社から独立して、合同会社SBTCAS(スバキャ、以下「SBTCAS」)を2021年に東京都渋谷区で創業しました。社名は、「Sky Beyond The Clouds Azure Sky:雲外蒼天(困難を乗り越え、努力して克服すれば、快い青空が望める)」の頭文字から名づけました。
自社が成長するというよりも、顧客のビジネスを支援して、顧客と一緒に成功を目指す会社です。創業後、ゲームアプリの開発ディレクションや、アミューズメントパークのマーケティング支援、システムの受託開発などを手掛けてきました。
合同会社SBTCAS 代表 松本恒彦
SBTCASは創業後まもなく、顧客から無人店舗のシステム開発の相談を受けたことから、無人店舗ビジネスのシステム化に取り組むことになりました。
無人店舗のシステムについて、様々な業種にヒアリングを行ったところ、新規事業として無人店舗を開始したいという会社が多数ありました。一方で、既存の無人店舗管理システムへの不満も少なくないことが分かりました。例えば、「予約の時間の調整ができない」、「複数の鍵に対応してない」、「サブスクリプション決済に対応してない」、「外部EC サイトとの連携が取れない」といった不満です。
そこでSBTCASは、コロナ禍の2021年10月に、LINEで予約、決済、鍵の受け取りができるアプリ「かんたん無人店舗」を開発し、ローンチ。
入店はスマートキーで行います。店舗管理者にとっては、LINEで顧客とのコミュニケーションがしやすく、予約につなげやすいことがメリットです。自社で一から構築したため、様々なカスタマイズの要望にも対応し、既存の無人店舗管理システムの不満にも応えることができました。「かんたん無人店舗」は、ドッグラン、レンタルドレス、脱毛サロン、フィットネスジム、コワーキングスペースなど、10社以上に導入されました。
「かんたん無人店舗」の利用画面イメージ
WEBサイト https://mujin-tenpo.biz/
●顔認証導入で無人店舗の効率と安全性を向上させる
「かんたん無人店舗」はスマートキーを用いており、ユーザーは入店時にスマートフォンをドアにかざして開錠します。「スマートキーではなく顔認証にしたら、成りすましもできないし、いちいちスマートフォンを取り出して番号確認もしなくても済むのではないか」と考えました。
SBTCASは、無人店舗のリアルなニーズを把握すること、顔認証を試験運用することを目的に、自社で無人店舗の美容セルフカフェ CELLAVI(セラビィ)を開店して運営を開始することに。
美容セルフカフェ CELLAVI(セラビィ)
■CELLAVI WEBサイト
既存の顔認証APIの店舗への導入にあたっては、大きな3つの問題。
1つ目は、予約に対応していないこと
2つ目は、データの加工ができないこと
3つ目は、設置するカメラのコストが高いこと
SBTCASでは、別の顔認証技術をベースにカスタマイズ開発を行い、LINEアプリ「かんたん無人店舗」の予約と「顔認証API」を組み合わせることにより、よりニーズに合わせたシステムができました。
また、独自でAndroidカメラとアプリを作ることにより、課題を解決することができ、SBTCASは顔認証システムを外部に販売できる目途が立ちました。
●顔認証の多様な可能性。犯罪抑止やデータ分析などの活用に期待
顔認証システムにまず期待されるのは「本人確認・開錠」機能です。顔認証はすでに鍵の代わりとして、また、スポーツやエンターテインメントなどの入場時の本人確認として、すでに導入されつつあります。
SBTCASは「他にも顔認証システムのニーズがあるのではないか」と、営業先の様々な業種の会社にヒアリングをしたところ、次のニーズを確認することができました。
まずは、「犯罪・迷惑行為の抑止効果」です。
「かんたん無人店舗」を導入したある無人店舗では、ユーザーのLINE情報や個人情報が登録されていることで、導入1年後の万引きはゼロという実績も。
これに加えて、ユーザーの顔写真が登録されれば、より強力な抑止効果が働く、という期待が寄せられます。また、ある温浴施設からは、刺青がある方や、過去に迷惑行為を起こしたことがある方を入店拒否にできるかという問い合わせも寄せられました。
そして、「顧客のデータ分析・データ活用」です。あるアパレルの店舗では、顧客の入退店時間を把握したいと考えているものの、良い方法を見つけられていませんでしたが、もし顔認証を導入すれば、顧客ごとの入退店時間を正確に記録でき、詳細な分析ができるようになる、という提案にデータ分析のやり方が変わると驚きの声も。
また、予約情報と顔認証を連動させることで、例えばVIP顧客の予約時間を顔写真と顧客情報付きで事前にスタッフに共有して、顧客体験を向上させることも期待できます。
このような営業先の声から、SBTCASは顔認証に大きな可能性があることを実感しました。
顔認証での入退店時間記録イメージ
●進化する顔認証技術で「FACE-SYSTEM」をローンチ。様々なニーズに対応
SBTCASは美容セルフカフェ CELLAVI(セラビィ)で導入した顔認証システムをもとに、汎用的に提供できるようシステムをブラッシュアップさせました。そして2024年1月に「FACE-SYSTEM」としてローンチしました。FACE-SYSTEMとは、顔認証を使ったソリューションを統合するサービス名です。次の7つのシステムから構成されます。
1.F-DOOR:顔認証 出入り口制御システム
入り口と出口に顔認証カメラを配置し、入退室のデータを管理します。フルフェイスヘルメットやマスクやサングラスの方は、それらをとらなければ入室ができません。入室時の顔写真を保存することで、犯罪の抑止につながり、来店履歴のデータ分析に役立ちます。F-POSやF-BOXとの連携も可能です。
2.F-POS:顔認証 POSレジ連携システム
無人店舗、飲食店、小売店向けのPOSレジと連携させるシステムです。顧客の顔、性別、年齢層と購買履歴をデータ化するため、顧客データ分析に活用できます。
すでにあるPOSとの連携を可能にいたします。POSに関してはお問い合わせください。
3.F-BOX:顔認証 ボックス施錠システム
決済が行われたらボックスの鍵を開錠するシステムです。高額商品の販売やロッカーの鍵としても使っていただく想定です。物理的な鍵を無くす心配がありません。
冷凍庫や、専有商品の販売など用途は様々で後付けできるようにいたします。
4.F-EVENT:顔認証 イベントチケットシステム
スポーツやエンタテイメントなどのイベントにおいて、予約した人の入場管理・本人確認を顔認証で行います。予約者以外は入場できないため、チケットの転売を抑止します。
サブスク決済も導入しているため公式LINEを使ったファンクラブ運営を作ることもできます。
5.F-ACCESS:顔認証 入室制限システム
オフィスなどの出入り口を顔認証で管理し、登録していない人の入室を拒否したり、時間帯に応じた入退室の可否を設定することができます。
6.F-MEMBERS:顔認証 会員制飲食店予約アプリ
会員制飲食店などにおいて、予め登録された会員から予約を受け付けることができます。顔認証で入店管理をするため「なりすまし」を防ぎます。新規会員登録、予約日程のリマインド連絡、サブスクリプション会費徴収機能もあります。
7.F-ENTRANCE:顔認証 入り口セキュリティ
ユーザーには会員登録の際に身分証明書と顔写真をアップしてもらい、会員登録した人だけが顔認証で入店できるようにします。また、過去に迷惑行為をしたユーザーを「ブラックリスト」に載せて入店を拒否することができます。VIP客が来店した際にスタッフに通知することもできます。年齢確認を行いたい業種などに役立ちます。
●「FACE-SYSTEM」により日本の社会課題への新たなアプローチが可能に。
FACE-SYSTEMは社会的な意義も大きいと考えています。
昨今、宝石店に強盗が入ったり、飲食店の迷惑行為が増えるなど、日本社会の安心・安全が脅かされつつあります。FACE-SYSTEMの導入店舗・施設が増えることで、犯罪や迷惑行為の抑止効果がより強まることが期待されます。例えば、もし、温泉組合に加盟するすべての温泉にFACE-SYSTEMが導入されたなら、1つの温泉で迷惑行為をした人は、ブラックリストに載り、他の全ての温泉を利用できなくなります。このような抑止効果があることで、多くの利用者がより安全で楽しい体験ができるようになります。
また、人手不足を受けて、無人ビジネスは拡大しています。FACE-SYSTEMは拡大する無人ビジネスの運営を裏方として支えることで、労働人口減少を補うことが期待されます。
SBTCASは、本人確認、犯罪や迷惑行為の抑止、顧客のデータ分析に問題を感じている店舗・施設を、FACE-SYSTEMによって支援し、一緒に成功することを目指しています。
WEBサイト:https://face-system.jp/
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