「自社番組はやりたいことだけをやる」

ツエーゲン金沢では、9月29日に自社企画ライブ配信番組「ZWEIGEN NOW」の制作と配信を発表しました。

以前から自社番組は制作してみたいと思いながらも、定期的な配信は機材面も、技術面も、そしてリソースも不足していたため、実施に踏み切ることができませんでした。

■初めての自社企画番組

2019年の2月に初めて、2時間のスペシャル版で自社企画した番組「ツエーゲンなう」をYouTubeでライブ配信しました。

その頃は撮影、配信などの機材や設備的なものを全くクラブで持ち合わせていなかったので、番組の企画や流れは自分たちで考えながらも、専門的な部分に関してはとある企業の方々にご協力いただき、当日の機材の接続や進行のディレクションなどをお願いしました。

「２時間の生放送番組」という初めての取り組みはプレッシャーもありましたが、いざ始まるとあっという間に時間が過ぎ、ご視聴いただいた方々からは大変好評で、またやってほしいというお声をたくさんいただきました。2019年はそのままシーズンに入り、ホームゲームでの企画も積極的に実施していたため、次に番組を配信できたのは初回から1年以上経った2020年3月頭のことです。

新型コロナウイルスの影響で、Jリーグは2月末の第1節以降から試合を開催することができなくなり、サッカー界も社会的にもとても暗い雰囲気が漂っていました。この未曾有の事態の中、我々サッカークラブが、サッカークラブの枠を超えて様々なことに挑戦したいと考えているツエーゲン金沢が、何をすれば人々の心を明るくできるのだろう、元気付けらるのだろう。そんなことを考える日々でした。

社会を少しでも明るくしたい。誰かに笑顔になってほしい。多くの企業がそんなことを考えていたと思います。

しかし人を集めることはできない。　そういった状況の中で、特に3月4月頃は各社のオンラインでの企画を非常に多く目にしました。

■ファンとのコミュニケーション

Jリーグ中断当時、各クラブでは公式戦だけでなく選手たちの練習自体も休止にしていました。チームの活動が再開した今でも、ツエーゲン金沢ではファンの方々の練習見学やファンサービスを休止していますが、当時は練習自体がないことで広報を通して選手たちの様子をSNSでお届けすることもままならない状況でした。

週末のJリーグを楽しみにされていた方、練習場で選手たちがプレーする姿や、終わってからのファンサービスでの交流を楽しみにされていた方、そんな方々に少しでも選手の様子をお届けしたいということもあり、オンラインが飛躍的に普及した中で、2020年3月に実施した2度目の「ツエーゲンなう」では、選手たちにも出演をしてもらうことができました。

リアルタイムでのファンとの会話形式ではありませんでしたが、それでもご覧いただいた方々からはたくさんの喜びの声をいただき、我々もとても嬉しかったことを覚えています。

■毎週ライブ配信の自社企画番組

新型コロナウイルスという憎き理由ではありますが、その影響でオンラインの企画や動画配信などの技術が飛躍的に社会に普及したことは否めません。現在はJリーグも再開し、試合は開催されていますが、今でもまだ「人が密集する可能性があるイベント」は実施することができません。それは、楽しいことをお届けする以前に、やはり応援してくださる方々の命を守るためでもあります。しかし、限られた状況の中でも人を楽しませ、喜ばせることができると我々は考えています。

「挑戦を、この街の伝統に。」という誇り高きクラブ理念のもと、次に挑戦しようと決断したのが今回の「毎週ライブ配信の自社企画番組」でした。

毎週となると、番組構成や、配信するための素材やネタ、機材のセッティングなど、準備に要する時間や労力は決して楽なものではありません。

しかし、今この状況だからこそクラブのことをもっと深く知っていただき、サッカーのことはもちろん、クラブ自体の取り組みをご覧いただくことで、ツエーゲン金沢を応援してくださる方々と今後も共に歩んでいきたいと考えています。