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ストーリーの著者は、読者でもあります

男性育休取得率30%から100%に上昇させた建築会社の取り組み。従業員の働きやすさを考え導入した育児支援制度とは

著者: 株式会社GOOD PLACE

株式会社GOOD PLACEは、「Make a GOOD PLACE」をブランドコンセプトに、働く場や集う場など、さまざまな領域における「より良い場」を創造する建築会社です。空間の利用者やコミュニティのニーズを総合的に考慮し、印象や感動などの体験までもデザインします。

働く人・集う人にとっての「より良い場」を生み出す企業だからこそ、従業員にとっても自社が「より良い場」であってほしい。そんな想いから従業員が安心して働ける職場環境を目指し、従業員一人ひとりのライフスタイルに合わせた、多様で柔軟な働き方ができる制度を充実させています。


2022年4月から改正育児・介護休業法が施行されたことを受け、育休取得を促進するための施策を導入し、育休を取得しやすい職場環境の整備に取り組む企業が増えています。当社は2022年以前から従業員の仕事と家庭・育児両立のサポートをするために、出産祝金・記念品の支給や勤務時間変更制度を導入するなどの育児支援をおこなってきました。ただし、過去5年間の育休取得率は女性が100%であるのに対して、男性は30%に留まっていました。そこで、男性従業員のさらなる育休取得促進を図る為に管理部内で課を横断したプロジェクトチームを発足し、新たな「育児支援制度」を設けることで、より一層育休を取得しやすい風土の醸成を目指しました。


このストーリーでは、2022年10月に導入した「育児支援制度」発足の経緯や取得状況についてお伝えします。

制度設計をリードした管理部総務課 課長・松井伸城 / 君島文枝

男性の育休取得が進まない理由。「職場に迷惑をかけたくない」「収入を減らしたくない」「育休を知らない」

まず、男性育休取得を阻む要因を探るために、育休を取得しなかった当社の男性従業員に理由についてアンケートを実施しました。その結果、最も多かった理由は「職場に迷惑をかけたくないため」であり、つづいて「収入が減少してしまうため」「育児休業制度の詳細を知らなかった」が挙げられました。


内閣府のアンケートでも、同一の理由が上位に挙がっていることから、性別を問わずワーク・ライフ・バランスのとれた働き方ができる職場環境の実現を目指す企業として、抜本的な対策を講じる必要があると判断し、今回の新制度導入に至りました。


出典:「第3回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」(内閣府)

https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/result3_covid.pdf


課題を解決する3つの施策。育休を取得する人も業務を引き継ぐ人も取りこぼさない

アンケートを通じた従業員のリアルな声から浮き彫りとなったのが、育休を取得する当事者だけでなく“育休者の業務を引き継ぐ人”を支援する制度や、育休取得者の経済的負担をカバーする制度、育休取得する意識や社内風土醸成の必要性でした。

プロジェクトチームは、これらの課題に対応する施策を検討し3つの育児支援制度を打ち出しました。


① 子育て休業応援手当の創設

子育てのため※の休業を取得する者の担当業務を引き継ぎ、業務が増加する従業員への対価として、引き継ぎ者に最高10万円/月の手当を支給します(支給期間は最大6ヶ月)。対象となる休業は、一時的ではなく持続的に育児に専念してほしいという想いから最低1ヶ月以上の期間と設定しています。休業を取得する者の性別は問いません。

※ 子育てに加え、介護のための休業の場合も利用可能。


② 出産前後特別休暇の拡充

配偶者出産時(出産のための入院も可)に従業員に付与される有給の特別休暇を1ヶ月に拡充します。

育休を取得する場合、手当や社会保険料免除などで手取り収入は休業前の給与の80%程度と言われています。ただし、育休期間は経済的にも収入が必要な時期であることから、特別休暇を付与することで経済的負担をなくす狙いがあります。


③ 育休に関するeラーニング研修の実施

男性従業員にも育休を取得しやすい職場づくりに向けて、出産後の生活や育休の実態などを知ることを目的に、全従業員を対象としたeラーニング研修を実施します。

eラーニングの受講機会をつくることで、産後の母親のサポートの必要性を当事者の父親はもちろんのこと、職場の上司や同僚に理解してもらうことで、男性も育休を取得しやすい風土を醸成します。

男性従業員の育休取得率100%に到達、会社の風土として受け入れられる環境に。

2022年10月から1年半が経ちましたが、利用者の数も徐々に増えてきています。子育て休業応援手当については導入以降、女性9名、男性3名が利用しており、手当支給対象者(業務引継ぎ者)数は30名になりました。男性育休取得については、2023年度に父親となる男性従業員3名のうち3名が育休を取得し、取得率は過去最高の100%に上昇しています。

育休者からは「仕事を引き継ぐ同僚に手当が出るのは、気持ちが楽になる」という声のほか、「自分が取得したときにはこんな制度がなかったので、あればよかった」といった過去に育休を取得した従業員からの反応もありました。業務を引き継いだ従業員からも「業務量が増えても頑張ろうと思えるようになる」、「気持ちよく仕事を引き受けることができて、素直に休業者を応援できる」と、育休者の業務引き継ぎについて前向きに捉えている声が寄せられています。上司の声としては、「育休を取得する前提の考え方に変化している。“いつから取得する?”と、周りもどうやって調整していくかという前向きな姿勢になってきている」とあり、基本的には男性も育休を取得するという前提で、いつから取得するかを確認するような状況になっており、男性の育休取得は特別なことではなく当たり前のこととして受け入れられる風土が出来上がりつつあります。


従業員全員が前向きに働けるような環境づくりを。持続的な育児支援を目指して。


冒頭で述べたように、当社では従業員のライフスタイルに合わせた多様な働き方を実現するために、以前からさまざまな育児支援をおこなっています。出産祝金・記念品の支給や、ベビーシッター利用補助制度、勤務時間変更制度などを導入し、出生直後の一時的なものではなくお子さんが大きくなってからも持続的に支援することで、従業員の仕事と家庭・育児両立のサポートにつとめてまいりました。


「新たな育児支援制度を導入することで、従業員にとっての働きやすさを促進する制度はできたと考えていますが、実際に運用してみて見えてきた課題もあります。例えば引き継ぎ者の支給額と複数の引き継ぎ者がいた場合の配分については、事業部長の判断としている為、業務内容が同一でないことから、その判断基準についてもう少し精査が必要だと考えています。自分は手当の対象ではないのに業務が増えたと感じている人がいないか、不公平感が生じていないかにも配慮しながら引き続きルールを見直していく必要があると思っています。今後も従業員全員が前向きな気持ちで働くことができるような環境・制度を作り上げていきたいです。また応援手当に限らず、中小企業ならではのフットワークの軽さを生かし今後も少子化対策に積極的に取り組んでいこうと思います。」と、制度設計をリードした松井は語ります。


新しい制度の導入により、女性従業員だけでなく男性従業員も育休を取得しやすい職場環境を整備することで、家族で過ごす時間を充実させ、性別を問わず子育て中の従業員がいきいきと働き続けられるよう、これからも持続的に育児支援をしてまいります。

株式会社GOOD PLACEについて

GOOD PLACE(旧コスモスモア URL:https://www.goodplace.co.jp/)は、リクルートグループのリフォーム事業を担う会社として1990年に設立。その後、親会社のコスモスイニシア(東証スタンダード.8844)と共に2013年に大和ハウス工業(東証プライム.1925)のグループ企業となりました。「Make a GOOD PLACE」をブランドコンセプトに、オフィス事業や総務アウトソーシング事業、リノベーションをはじめとする建築事業を展開し、働く場や集う場などさまざまな領域において、より良い場づくりを目指しています。2024年1月に株式会社コスモスモアから株式会社GOOD PLACEへ商号を変更いたしました。




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