SDGsをエンタメ視点で取り組む ゲーミフィケーション会社が中学校でアイデアミーティングを実施
株式会社セガ エックスディーは、2016年に設立されたセガのグループ会社です。
2020年からは電通グループと資本業務提携を行い、ジョイントベンチャーとして運営されています。
「セガ」というと、ゲームやアミューズメントなどの幅広いエンタテインメントを扱う企業だと想像されると思いますが、我々セガ エックスディーでは、ゲームがもつ人を熱中させる力で、企業・自治体の課題を解決する、いわゆるゲーミフィケーション事業を展開しています。
この度、2024年2月10日に開催された大阪府主催の「わくわく・どきどきSDGs ジュニアフォーラム」に、我々セガ エックスディーも参加しました。このフォーラムは、大阪府内の小中学生がSDGsの理解を深め、持続可能な社会の実現について主体的に考え、自らが行動する力をつけることを目的にした「わくわく・どきどき SDGs ジュニアプロジェクト」という大阪府教育庁の取り組みの一環です。SDGsについて学習する中学生が、17の目標の中から課題を見出し、グループで「すべての命が輝くためのアイデア」について考え、発表するというものです。
フォーラムに際して、アイデアミーティングへの協力企業が募集されていたため、当社も力になれたらと、応募しました。ありがたいことに5つの中学校からアドバイザーのご要望をいただき、当社で企画/開発を担当する荻野と川﨑が参加しました。
本記事では、箕面市立第三中学校の生徒にゲーミフィケーションの企画に関するアドバイスをさせていただいた授業の模様をご紹介します。
ゲーミフィケーションで世の中をより良くする企業 セガ エックスディー
改めまして、株式会社セガ エックスディーの川﨑です。私はゲーミフィケーションの考え方を用いて、様々な企業さまと教育関連の事業を伴走しています。この度、箕面市立第三中学校との取り組みにアドバイザーとして参加しました。
「ゲーミフィケーション」という言葉について、はじめて耳にされた方もいらっしゃるかと思います。端的に説明をすると、「ゲームメカニクス(ゲームのルールや仕組み)を用いて、人々の心を動かし、何かしらの行動をしてもらうための動機とモチベーションを与えることです。ゲームをプレイするとき、人はしばしば“熱中”しますが、“熱中”つまりは「ついやってしまう」「つい続けてしまう」体験を、ゲーム以外の体験に落とし込むメソッドとも言うことができるでしょう。
ただ、いきなり「ゲーミフィケーション」と言われてもとっつきにくいと思いますので、我々が考案した「ゲーミフィケーションボード」というフレームワークをご紹介します。
このフレームワークは、人間の行動原理となる8つの属性と、それぞれに対応する9つの要素(計72個)で構成されています。人々がついやってしまったり夢中になってしまう行動は、ゲーミフィケーションボード上のいずれかの要素を含んでいます。
環境問題の解決に必要な“モチベーション”は、ゲーミフィケーションの得意領域
SDGs、ひいては環境対策における潜在的な問題点は、アクションに対するフィードバックが得づらいという点が考えられます。例えば、今日CO2を減らしたからといって、明日地球温暖化が解決されるわけではないように、環境問題の目標が達成されるためには、どうしても反応や成果を得るまでの時間を要してしまいます。
つまり、アクションをしても達成感が得づらい構造になっています。環境問題に熱心な方々は例外として、多くの関心が薄い方々にとっては、行動しつづけるモチベーションを保つことは容易ではありません。
これらに対してゲーミフィケーションが効果的であると我々は考えています。ゲーム的なアプローチによって「ついやりたくなる」「もっと続けたくなる」ようにすることで、最初のアクションを促したり、長期的な継続を担保しやすくしたりします。
例えば、「地域住人による自主的なごみの回収」を例に、ゲーミフィケーション観点で捉えてみよう思います。「地域のみんなで100トン目指そう!」といった「共通目標」を設定することで、他者の存在を意識付けることができ、行動できる人が増えるかもしれません。目標数字に対して、徐々に近づいている「進捗感の演出」をしてもいいですね。
やりたい!と思わせる「すべての命が輝くためのアイデア」を考える
箕面市立第三中学校2年生の皆さんに、「すべての命が輝くためのアイデア」をテーマに、5班に分かれて考えていただきました。
各班の発表は、パワーポイントをつかい、SDGsのどの課題に対して取り組むのか、そのためにはどういったアイデアが考えられるのか、といった論理的な構成が考慮されていて、しっかり考え抜かれている印象を受けました。
発表内容として、“つくる責任、つかう責任”に着目した「使わなくなったおもちゃを集めて販売するイベント」や、“エネルギーをみんなに そしてクリーンに”と“働きがいも経済成長も”に着目した「太陽光発電式ごみ回収ロボット」などがありました。発想力が豊かで、大変興味深いアイデアが多かったです。
また、取り扱った問題の重大さをより深く知ってもらうために、プレゼン資料の中でクイズのコーナーを設けるなど、発表の方法においても工夫が見受けられ、我々としても大変参考になりました。
その上で、どうすればそのアイデアがより環境問題を解決するのか、どうすればもっと人々に使ってもらえるのか、どうしたらそのアイデアの実現性が高くなるか、などをアドバイスしました。特に、より楽しみながら課題を解決できるような観点で、ゲーム内でも多く利用されている仕組みや、ゲーミフィケーションの事例なども踏まえ、コメントをしました。
“環境問題を解決する”というのはもちろんのこと、自分のアイデアがより魅力的になり人々を巻き込めるか、どうすれば受け入れられるのか、という企画力を武器にビジネスをしている私たちの視点もお役にたてたのではないかと思います。
5班の発表の中から、「2年A組1班」にセガ エックスディー賞を授与しました。使わなくなったおもちゃを地域の回収BOXにいれてケミカルサイクルすることで、学習用具をつくり「質の高い教育をみんなに」を実現しようとするアイデアです。
こちらのアイデアには、映画『トイ・ストーリー』のように、おもちゃを回収BOXに入れることを「別れ」としてではなく、「おもちゃにとっての第2の人生」として演出すれば、より人々の心を惹きつけられるのではないか、とアドバイスしました。
何よりも、課題を解決しつつ人々を幸せにしようとする姿勢や、教育を受けている生徒の皆さまならではの説得力を評価させていただきました。
最後に…
「わくわく・どきどきSDGs ジュニアフォーラム」のアドバイザーとして参加し、改めてゲーミフィケーションのナレッジは環境問題、そして教育においても役立てることができると実感できた次第です。
また、生徒の皆さまのSDGsへの関心と知見の深さに驚きつつ、SDGs達成のために我々企業も含め、社会一丸となって取り組むべきことであると再認識しました。
上述の通り、これらの課題解決には時間を要するものですが、人々の「SDGsに関する知見を深めること」、「アクションをすること」、そして「それを継続させること」を促進するために、我々はゲーミフィケーションのナレッジを用いて、引き続き尽力してまいります。
最後に、今回お声がけいただいた大阪府教育委員会さまをはじめ、箕面市立第三中学校の皆さまに、改めて御礼申し上げます。
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