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「ダサい」から始まった新規事業。ファッションレベルをAIが診断する「coordimate」の開発ストーリー

著者: 株式会社coordimate

NTTドコモグループ※1の新規事業創出プログラム「docomo STARTUP™」を通じてスピンアウト※2した株式会社coordimate(所在地:東京都渋谷区、代表取締役CEO:飯野 健太郎)が運営するファッション相談アプリ「coordimate(コーディメイト)」は、新たな機能として、ユーザーのコーディネート写真をもとにファッションレベルを診断する「AI診断機能」を2024年5月末にリリースしました。


「世界で一番安心して失敗できる場所をつくる」をvisionに掲げるcoordimateがなぜAI診断機能搭載に踏み切ったのか。代表の飯野健太郎と共同創業者でありプロのパーソナルスタイリストでもある佐藤瑠生がその軌跡と想いをお伝えします。



毎日のファッションでの成功に向けて!「失敗してもいい、練習する場所」としてのcoordimate

——まずcoordimateというサービスができた背景を簡単に教えてください。

飯野:coordimateを立ち上げた経緯はNTTドコモの中で、新規事業を立ち上げる制度に応募しまして、4年間で6回ピボット(路線変更)をして7案目に、自分の課題を解決しようと思ってやり始めたのがこのcoordimateというサービスです。


私(飯野)が大学時代から「服装がダサい」と言われ続けてきたという背景があり、かっこいいって思われたいというよりかは、ダサいって思われたくないなという気持ちがありました。ファッションって毎日本番みたいなところがあるので、「失敗してもいい、練習する場所」としてcoordimateというサービスを作りました。


ファッションのAI診断機能、coordimate。写真をアップロードすればその場ですぐにダサいかどうかがわかる

——今回リリースしたAI診断機能はそもそもどういったサービスですか。

飯野:写真を自分の写真をアップロードしていただければ、3つの観点で点数が決まります。かっこいいとかではなくて、どれくらいまだダサいかがわかるっていうのを意味しているので、その3つの観点を組み合わせて、自分が普通からどれくらいちょっと逸脱しているのかみたいなことがわかるような診断になっています。


佐藤:もう少し詳しく説明すると、3つの観点の内訳としては「全体バランス」、「シルエット」、「配色」です。「全体バランス」は、 一般的にフォーマルアイテムとカジュアルアイテムのバランスで、7対3が理想なのですが、それに沿っているかどうかを見ています。

「シルエット」は、代表的なところで言うとAラインとYラインとIラインみたいなものがあると思うのですが、それを基準としています。

「配色」は、大きく3色か4色以内に収まっているか。中でも、黒とか白とか 茶色とかのベーシックカラーを2色で、赤とか青とかっていうアクセントカラーをプラス1色みたいなところの基準を定量化して、 そこに沿ってるかどうかっていうところをAIでも診断できるように作ってます。


——AI診断に着目した理由を教えてください。

飯野:ユーザーインタビューを通じて「いきなりアドバイスをくれる方へ相談することは心理的なハードルが高い」といった声を多数聞いていました。一方、悩んでいる「今」「この瞬間」に「アリナシ」を知りたいというニーズも強くあることもわかっていました。このユーザーニーズと課題を解消する手段を模索する中でたどり着いたのが「AI診断」でした。今はまだ技術的に難しい部分があったりするので、回答が表示されるまでに時間差があるのですが、AIで診断してもらえるとなると、人間が回答するのと違って、答えがすぐその場で返ってくるようになります。


例えば、試着室ですぐに診断して、服を買うか決めていただけたり、他の場面でも使っていただけたりできるのではないかと思っています。相談するというか、 「本当はどうなんだろう」と思っている部分を、心のハードルを下げた形で知ることができる機能をご提供したいと、データを見たり、ユーザーインタビューを通してで感じていたことがきっかけでした。


佐藤:今回はテーマが「普通から逸脱しているかどうか」で、「すごくおしゃれかどうか」を診断するのだと、AIが判断するには少し難しく、美的センスみたいなところを見ていかないといけないところだと思います。ですが、あくまでもマイナス部分をなくすというところだけなので、先ほど挙げた診断項目が定量化できるものだからこそ、AIでもできるというところが見えて、やってみようと思いました。

かっこいいとは何か。ダサさを測るというcoordimateならではの診断サービス

——他のサービスとの差別化という面で意識したことはありますか。

飯野:僕たちの想いから絶対に外れないことです。「ダサいかどうか心配」みたいな人がmate(メイト、coordimate内で相談に乗ってくれるファッション好きの一般男女の方々)に相談することで安心してデートなどの「本番」に臨めるようになることが私たちのやりたいことです。coordimateっていう空間でいっぱい練習や失敗してほしいと思う中で、失敗する機会を増やしたいというのがポリシーなので、そこからぶれないようにというのを心がけています。


かっこいいかどうかわかるというのは求めてないので、かっこいいものとダサいものの差っていうところにすごく重きを置きました。なので、かっこいいとは何かという議論をむちゃくちゃしました。かっこいいとは何かがわかれば、逆接的にダサいとは何かがわかるので、そこにこだわりました。診断系は世の中にたくさんあると思うのですが、ダサさを測っているのは日本で初めてだと思うので、「ダサいと思われたくない」に向き合い続けているcoordimateにしかできないものだと思います。


佐藤:他の診断との差別化で言うと、多くのファッション系診断は、問診形式でユーザーが質問に答えなければいけなく、そもそものファッションに関する予備知識が一定必要です。coordimateのAI診断は自身の写真を送るだけなので、知識が必要なく、送った写真だけで診断してくれるっていうところは魅力だと思います。

かっこつけた事業ではなく想いを実現するために。「ダサい=普通からの逸脱」を定義に

飯野:とある企業の社長と面談する機会があって、私たちはmateをインフルエンサーとかアイドルにしてバズらせて認知を増やそうと考えていました。

しかし、その社長に「飯野君たちかっこつけてるよね、もっと泥臭くできることをした方がいい」と言われ「ハッ」としました。自分たちはかっこよくなりたいという人ではなく、ダサいと思われたくない人たちの力になりたいと思っていたのに、自分たちがカッコつけているようじゃダメだなと・・・。

そこから「ダサい」に焦点を当てて考えるようになりました。瑠生くん(佐藤)がカスタマージャーニーを作ってきてくれて。その中に「ダサい=普通からの逸脱」っていう定義をしてくれていたのがピンときて、この定義をもとにやっていこうっていう軸ができました。

私たちが4年も5年も頑張ってきていた事業だったので、「かっこつけた事業」ではなく、やりたいと思ったことを実現するために何ができるのかを真っ先に考えてやっていきながら、外に出ていろんな企業さんとお話ししていくうちに想いが一つになって形になって世の中に出たものがAI診断でした。


——今後AI診断を含め、coordimateの展望を教えてください。

飯野:AI診断自体を拡張していくかっていうと、今のところわからないのですが、まず実績で見ると、リリースしてちょうど1ヶ月で2.5倍ぐらい、相談に対してトランザクションがあったりしたので、AIへのハードルの低さを実感しました。継続して使用していただくことでご自身の服装を客観的に見られるようになっていくといいのではないかと思います。先ほどサービスの時にも言ったように、ファッションは毎日本番なので、毎日練習しておかないと難しくなったりするんだろうなと思っていつつも、自転車と一緒で、身につけばそんなに下手になることないとも思います。


ロイヤルユーザーさんでお洒落になっている人を見ると自分の服装を客観的に見る習慣がついている人が多いです。練習がてらに診断するために毎日写真を記録してcoordimateの中に全身写真が溜まっていくような機能を搭載することで、1ヶ月とか2ヶ月のスパンで、今ユーザーの成長が寄り添った形で見られる機能を作ってみたいなと思います。


佐藤:AI診断は反響が大きくメディアでも取り上げて頂き、coordimateには女性のユーザーも増えてきています。既存の相談機能含めて男女関係なくもっといろんな人に使って欲しいです。

めざすは、ファッションだけではなく、ライフスタイルもサポートできるコンテンツ。海外進出を狙い、ユニコーン企業をめざす!

——会社全体としてこれからどうなっていきたいですか。

飯野:まず1つ目として、ファッションだけでなく、ライフスタイル全体においてプロではない一般の人の意見を聞けるような事業をめざしていきます。情報過多の時代において「悩み」や「迷い」のような個人から出てくる純粋なアウトプットに対して率直にフィードバックをもらえる場所が意外に少ないのではと思っています。私たちが構築している「相談の仕組み」はファッション領域だけではない領域でも普遍的に使えると思っています。2つ目として、積極的に海外に進出したいと思っています。


これから経済成長してくる東南アジア市場ではファッション系のサービスがあまりないと聞いているので、今から参入し市場を抑えていく動きもできればと思っています。

最終的な事業の姿としては、ユーザーの行動(相談や診断、記録、コメントなど)に対してポイントやトークンを付与し、そのポイントやトークンを色々な場所で使えるようにすることで、行動することで生きていける世界にすることを見据えています。


佐藤:その一歩目として、7月14日にPREPPY美容男子部様とメンズ美容の普及推進に向けたパートナーシップを発表させて頂きました。ファッションと親和性の高い美容の分野で、coordimateならではの価値提供に挑戦していきたいと考えています。

×


飯野:私たちはNTTドコモという大企業発のスタートアップでもあります。事業としてめざす姿もありますが、折角なのであれば、その姿を実現しているという一つの証左としてドコモ発スタートアップから出た初めてのユニコーン(企業)になるという目標も持っています。あと8年でそこまで持っていけるように、カッコつけず、自分たちらしく、ユーザーの皆さまと一緒に成長していこうと思っています。


coordimateサービスサイト:https://lp.coordimate.me/



※1株式会社NTTドコモ、NTTコミュニケーションズ株式会社、NTTコムウェア株式会社

※2スピンアウトとは、企業が特定の部門や事業を分離して新会社として独立させることで、元の企業からの出資を受けないもしくはマイナー出資で独立する場合をさします。

※「docomo STARTUP」は、株式会社NTTドコモの商標です。

※「coordimate」は、株式会社NTTドコモの商標です。株式会社coordimateはドコモからの独占的な利用許可に基づき使用。









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