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【開発秘話】市場急成長の眉マスカラ、№1*ブランドが絶好調な今、あえてリニューアルに踏み出すワケ

著者: 株式会社伊勢半

株式会社伊勢半が展開する眉メイクブランド「ヘビーローテーション」は、2008年の誕生から眉マスカラのパイオニア的存在として市場を作り上げてきました。現在では眉マスカラの販売金額・個数ともに№1*を誇る王道ブランドとして多くのお客様にご愛用いただいています。

市場競争が激化しながらも好調な販売を続ける「ヘビーローテーション」が、なぜこのタイミングで発売以来初となる全面リニューアルに踏み出したのか?その理由とリニューアル開発の裏側について、研究担当の永井佑果と商品開発担当の頼由香に話を聞きました。


*カラーリングアイブロウR 出典:インテージSRI+ アイブロウ(形状:リキッド)市場 / 期間2020年12月‐2022年11月 / 全国・全業態 / 販売金額、販売個数


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商品数がこの数年で約2倍に…競争激化の眉マスカラ市場、圧倒的な王道ブランドになるための決断


2008年の発売以来、時代に合わせてパッケージの刷新は定期的に行われていましたが、中身については長い間変わることがありませんでした。これまでもリニューアルに関する検討はされてきたものの、売上が低迷している状況ではなかったため、そのタイミングを見計らっていました。

そんななか、リニューアルへ舵を切ることになったのはこの1年半ほどのことだと言います。№1*眉マスカラとして多くのお客様に支持され好調にもかかわらず、初の全面リニューアルに踏み切った背景を聞いてみると、眉マスカラ市場の今が見えてきました。


眉毛に色をつけることで眉メイク全体の統一感を演出するアイテムである眉マスカラ。これまで、眉メイクのアイテムというとペンシル・パウダーが中心でしたが、多様性が受容される社会環境になってきたことなどを背景に、自由に髪色やメイクを楽しむ方も増えてきました。そうした後押しも受け、ひと塗りで手軽に髪色やメイクに合わせ、眉メイクの統一感を出すことができる眉マスカラは使用者が年々増加しています。


それに伴い様々なブランドから眉マスカラが発売され、この数年で商品数が約2倍になるなど眉マスカラ市場の拡大とともに競争が激化しています。「ヘビーローテーション」は好調を維持しているものの、消費者にとっては目新しい選択肢が増えており、ロングセラー商品ゆえにマンネリ感を感じられてしまう懸念もありました。そこで№1*ブランドとしての地位に満足することなく、圧倒的な王道ブランドとしてさらに価値を高めていくべくリニューアルに踏み切る決断をしました。


2024年8月8日にリニューアル発売した

「ヘビーローテーション カラーリングアイブロウEX」


好評な商品だからこそユーザーの感じる課題点にしっかりと向き合い「完璧な眉マスカラ」を目指そうとした


商品の使用感や仕上がりを左右する中身のリニューアルは今回が初。商品については概ね好評価でしたが、かねてよりユーザーからは課題点として「塗って乾いたあと毛がパリパリに固まる」「ブラシが大きくて慣れていないと地肌にもついてしまう」という点が挙げられていました。


頼:今回のリニューアルでは、発色の良さなど評価されてきたものはそのまま、さらにパワーアップさせ、満足度の低いポイントを改良しました。

これまで人気だったカラーは活かしつつ、マーケティングで得た情報をもとに若年層から支持されている、眉の黒々しい存在感を弱める「うす眉」カラーや、トレンド感がありながらも普段使いしやすいカラーなど新色3色を追加し、全10色の豊富なラインナップにしました。


ヘビーローテーション商品開発担当 頼 由香


課題点を改良するにあたり、こだわったポイントを研究担当の永井に聞いてみると、理想の仕上がりを実現するため、驚きのあるものを研究所に持ち込んだということでした。


永井:塗って乾いたあとも固くならず「ふんわりとした仕上がり」を目標にしていました。そこで、生クリームのようなふんわり感を目指し、実際に研究所にホイップクリームを持参して理想のふんわり感を追求したこともありました。

さらに創造型研究としてかねてから取り組んでいた、ふわふわとした仕上がりのアイブロウ処方をベースに、眉毛につく液の量を少なくすることで、乾いてもふんわりとした柔らかい仕上がりを実現した薄膜フィルム処方を完成させました。


さらに、ブラシが大きいゆえに地肌についてしまうという点についても、ブラシを従来品より3.5㎜小さくし、その分軸を長くすることでブラシの操作性を向上させ、眉マスカラ初心者でもベタっと地肌までつきすぎてしまうことをかなり解消できたと話します。一方、毛の長さはそのままにすることで、ひと塗りできれいな発色はそのまま、男性のように毛の多い・太い方でも満足いただける使用感となっているということです。


ヘビーローテーション研究担当 永井 佑果


総試作数150本!試行錯誤の末に完成したものの…超えなくてはならない壁は次々と


「ヘビーローテーション」の眉マスカラは15年以上のロングセラー商品。今回、そのリニューアルを任されたふたりにはさまざまな苦労があったと振り返りました。


永井:これまでも評価されてきた「発色の良さ」と、今回改良した「ふんわりした仕上がり」はトレードオフの関係にあり、やわらかい仕上がりを追求しすぎると発色が弱くなってしまう懸念がありました。しかし、どちらも新たな眉マスカラには必要なポイントだと思っていたので、どうにか両者のバランスを取る方法を探しました。

配合を少し変えるだけでも、実際に作ってみると「こうなるはず」と頭の中で思い描いたものが思いどおりにいかず、完成までの総試作数は150本と通常よりもかなり多く試作を繰り返しました。商品開発のメンバーにも出来たものを試してもらいながら、意見交換を重ねようやく処方が完成しました。


実際に試作で作った眉マスカラの数はなんと150本


頼:色味の調整が特に難しく感じました。処方を変えると同じ色でも多少発色が変わってしまうこともありますが、今回は中身の色そのものだけでなく、眉毛に塗った際の発色も従来品と遜色ないようにしたかったので、実際に研究所に足を運んで試作品をつけてみながら色の微調整を何度も行いました。


なかでも新色の「14:シフォンベージュ」が最も調整に苦労しました。赤みが弱過ぎると「03:アッシュブラウン」のようになってしまい、赤みが強すぎると「15:ダスキーローズ」のようになってしまいます。その中間の絶妙な色味を出してもらうために研究員の皆さんに試行錯誤をしてもらうのですが、私は研究の専門知識があるわけではないので、どうすれば理想に近づくのか言葉で伝えることにも苦心しました。


絶妙な色調整にもひと苦労…

左から03:アッシュブラウン、14:シフォンベージュ、15:ダスキーローズ


試行錯誤の末、ようやく理想の中身が完成。しかし、発売に至るまでにはまだまだ苦労が尽きなかったと言います。頼からは商品プランナーとしてパッケージデザインに関する強いこだわりゆえの大変さを感じさせるエピソードが。


頼:「ヘビーローテーション」のパッケージと言えば、印象的な目もとのアップと眉カラーリングという大きなコピーが特徴でしたが、パッケージをリニューアルするにあたり、様変わりしすぎてしまいお客様からブランド・商品を認識されなくなることは避けなければなりませんでした。


そこで、店頭にある競合品をすべて買い集め商品棚を再現し、どれくらいの変化ならブランドを認識できるかテストしました。

全10種あるので、モデルさんの目の表情、前髪1本に至るまで変化をつけ、イメージの差別化を図りました。また、バリエーションの多さゆえに「どれを選んでいいかわからない」といったお客様のため、特徴を「うす眉カラー」「抜け感眉」といったPOP風デザインで、目に留まりやすくするなど細部までこだわりました。


ブランドアイデンティティーはそのままにパッケージも刷新

左:リニュアル前、右:リニューアル後


一方、研究担当の永井も処方が完成してひと息ついたのも束の間、また新たな壁にぶつかったと言います。


永井:試作品は研究所内で手作業にて少量スケールをつくるのですが、実際に生産する際には工場で機械による大量生産になります。配合の割合や手順が同じでもスケールが大きくなると同じものができるとは限りません。


こうした生産前のスケールアップ実験も研究員が行うのですが、今回は特に一筋縄ではいきませんでした。同じ原料・同じ配合比率・同じ手順で作っても、最初はうまくいかず…ひとりだったら心が折れていたかもしれませんが、同じアイメイクチームの同僚や工場の方々に協力してもらいながら、なんとか原因を特定して、うまくいく方法を模索しました。


これからも変わらず愛され続けるブランドであるために、自ら変化することを選んだヘビーローテーションの未来は


最後に、今後の「ヘビーローテーション」に期待することを聞いてみると、自分たちもひとりのユーザーであるからこその強い思い入れと、「圧倒的№1ブランドにしていきたい!」という意気込みを力強く話してくれました。


永井:リニューアルを担当すると決まったときは、自分に務まるのか不安もありましたが、無事に発売まで漕ぎ着けたので、多くの方に変わらず愛用していただけたら嬉しく思います。

研究員としては今後、まだ市場にないような新たな眉メイクアイテムの開発にも取り組んでいきたいです。私自身もひとりのユーザーなので、常に市場の動きやトレンドを敏感にキャッチして、アイデア・発想を具現化できるように研究員としてのスキルを磨いていきたいです。


頼:私も学生の頃から愛用してきた商品ですし、多くの方から「眉マスカラといえばヘビーローテーション」といった認知もいただくロングセラー商品だからこそ思い入れも強いです。リニューアル発売直後の現在ですが、すでにSNSでは新たな眉マスカラへの好感コメントも多くいただいています。

このリニューアルを経て、今後さらに眉マスカラのように垢抜けを叶える革新的な商品を開発し、さらに長く愛されるブランドにしていきたいです。


トレンドの移り変わりが激しい昨今の化粧品市場で、ひとつの商品が変わらずに15年以上の長きにわたり大勢の人から愛されているというのは、なかなか稀有なことだと思います。

これからも、変わらずに愛され続けるため、自ら変化することを選んだ「ヘビーローテーション」が、ブランド史上最高傑作と意気込み誕生以来初めて行った全面リニューアル。そんな新たな眉マスカラが今後、お客様にどのように愛されていくのか期待が膨らみます。




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