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JALが制服変更にあたり、配慮した3つのポイント

著者: 日本航空株式会社

JALグループは4月1日(水)より新制服の着用を開始しました(※1)。JALグループスタッフが誇りを持って新制服を着用し、心を一つに、常に新鮮で感動いただける価値を創造し、最高のサービスを提供することで「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」を目指してまいります。

今回は、約22,000名の制服変更というプロジェクトを遂行するにあたり、配慮した3つのポイントをご紹介します。


(※1) 2019年7月23日プレスリリース「JALグループ 新制服デザイン決定」参照。URL:https://press.jal.co.jp/ja/release/201907/005234.html


左:2019年7月23日新制服発表会にて

右:2020年4月1日より着用開始した客室乗務員の新制服


【ポイント①】SDGsに配慮した制服にすること

皆さまに長年慣れ親しんでいただいたJALのシンボルである制服を変更することは大きな決断でしたが、一つの大きな節目となる2020年に向けて、「世界で一番お客さまに選ばれ、愛される航空会社」を実現していくために、欠かせないものでした。

加えて、2020年から先の社会を見据えて「SDGs(持続可能な開発目標)」への配慮を新たな視点として取り入れました。「SDGs」達成への貢献は企業にとって社会的責務として取り組むべき重要な課題であり、JALグループ全社員が微力ながら貢献していくという強い想いを込めて、社員が着用する制服に次の2点の取り組みを行っています。


(1) 素材に再生ポリエステルを採用

回収されたペットボトルや使用済の繊維製品を原料とする再生ポリエステルを採用しました。再生ポリエステルはポリエステルならではの耐久性に優れており、制服が長持ちします。

再生ポリエステルを混紡した糸を紡いでいる様子


(2) 「持続可能な社会」に配慮した調達コード

持続可能なサプライチェーンを構築するため、サプライヤーの各社様にSedex(※2)に加入いただくとともに、劣悪な環境下での労働や児童労働が行われていないかなどを確認するSMETA監査(※3)を実施しました。制服はアイテムによって異なる国で縫製されているため、中国やベトナムなど国をまたいだ監査を行った結果、持続可能性の観点で問題がないことが確認できたのみならず、サプライヤーの日本企業の各社様が海外において極めて高いレベルの品質管理を実現されていることが確認できました。


(※2) 2015年4月16日共同プレスリリース「JALグループ、Sedex社グローバル・メンバーシップに参加」参照。URL: https://press.jal.co.jp/ja/release/201504/002322.html

Sedex…

2004年に英国で設立された、サプライチェーンにおける責任あるビジネス慣行の実現をめざし、企業の倫理情報を管理・共有するプラットフォームを提供する非営利団体(Supplier Ethical Data Exchange)。

現在、世界最大規模となる150カ国、28以上の業界の約40,000の企業/団体/工場/自営業者等が会員となっています。

(※3) SMETA監査(Sedex Members Ethical Trade Adult)…

グローバルサプライチェーンにおける企業倫理の向上を目的として策定された監査スキーム。国際基準として広く受け入れられている。この監査を受けることにより、国際標準に照らし合わせて企業の強み・弱み(不都合)を識別し、企業のさらなる改善に向けた必要なアクションを明確にすることが可能。


【ポイント②】一つ一つ徹底した制服の作りこみ

今回は航空運送事業に関わる全部門、約22,000名のスタッフ全員の制服を変更しました。なかでも、2018年8月に社内でプロジェクトを立ち上げてから、製造を開始する2019年3月までの短期間で選定を完了することは難しい挑戦でした。

デザイン画のイメージをそのまま制服として再現した試作品が、実際に着用してみると少し動きにくいといったことがあるなど、実物を検証して初めて問題点が発覚することもあり、時間が限られている中でサンプルの試作を繰り返して解決方法を模索する必要がありました。

例えば、客室乗務員のエプロンでは、試作されたサンプルを用いて、モックアップ(客室乗務員の訓練施設)でお食事の配膳の検証を実施したところ、しゃがむ動作や前かがみの姿勢の際に裾が床に触れてしまうといったことがありました。そこで、機能性を備えた最適な長さで、かつ華やかな雰囲気で印象的なデザインのエプロンとなるよう何度も試作を繰り返しました。


左:デザイナー江角泰俊氏らによるエプロンのパターン制作の様子

右:裾が床につかないよう、全体のバランスを調整


また、腰の部分の紐についても、お客さまへのサービスの時間を少しでも長くできるよう機内での着脱を容易にしつつ、耐久性も踏まえて、いくつかの候補の中からボタンで留めるタイプを採用するなど、一つ一つのアイテムについて細部にわたって調整を重ねています。

      前をジップ、後ろをマジックテープにするなど検証


             完成したエプロン


【ポイント③】「一緒に」創ること

JALは、2020年とその先に向けて努力する人を応援するため、「Fly for it! 一緒なら、もっと飛べる。」というスローガンを掲げており、今回の制服は多くの皆さまと「一緒に」創りあげるという想いがありました。

SDGsに配慮した制服の実現には、再生ポリエステルの調達や、調達コードへの対応など、サプライヤーの各社様のご協力なしには実現しえなかったものです。

また、徹底した制服の作りこみにおいては、各職種の制服をご担当いただいたデザイナーやサプライヤーの皆さまを、各現場での業務風景の見学へご案内し、職種ごとの業務の特徴、動きに関して深くご理解いただいたことで、短期間でも、一切妥協のない制服に仕上げることができました。

そして、JAL初の取り組みとして、客室乗務員・地上接客部門の制服は、お客さまからのご意見を募り、延べ5万件以上の回答を頂戴しました。Webサイトを通じてデザイン案についてコメントをいただき、参考にしました。お客さまのご意見のなかで、「袖の形状が業務に適するのか」など、スタッフの働きやすさ視点でのご意見を頂戴することもあり、多くの方に支えられていることを改めて実感し大変ありがたく思いました。

お食事の配膳など検証を実施し、最適なボリュームの袖に改善


完成品


また、お客さまからのご意見に後押しされ、JALの客室乗務員の制服としては初となるパンツスタイルを導入しています。制服の変更に合わせて、靴についても4月1日よりヒールの高さの下限を撤廃することで選択肢を拡大しており、客室乗務員のその日の働き方に合わせた、着こなしの美しさと動作性の向上を両立させました。地上接客部門でもワンピースを導入したことや、グランドハンドリングスタッフにおいてポロシャツを導入するなど、各職種で多彩なラインナップで、JALスタッフ一人一人が最高のサービスを提供してまいります。



ユニコさま(客室乗務員・地上接客部門制服の全体コーディネートと生産を担当)より:

新制服の開発は、着用者の希望のみならずJALグループをご利用されるお客さまのことを常に考え、その想いが細部に行き届くよう考え抜かれたものでした。その姿は私共にとっても最後までやり抜く力となりました。新制服が世界中で愛されることを心より願っております。


実際に新制服を着用した客室乗務員より:

新制服はお客さまにより良いサービスをご提供できるよう、見た目の美しさだけでなく、実際に乗務する際の動作性を追求したものになっています。パンツスタイルが導入されましたが、動きやすく、その日の業務に合わせて制服を選べるのも新鮮に感じています。また、環境に配慮された素材が用いられているうえに、着心地が良いのは嬉しいポイントです。お客さまにはぜひ、新制服にご注目いただき、安全・安心で快適なフライトをお楽しみいただけますと幸いです。


この新制服を一緒に創りあげてくださったお客さま、デザイナーの皆さま、お取引先の皆さま、ご協力いただいたすべての方とのつながりに感謝いたします。JALグループの新たなシンボルを皆さまに早く親しんでいただけますよう、社員一同新たな気持ちで精進してまいります。

客室乗務員              地上接客部門

運航乗務員             整備士

グランドハリングスタッフ




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