「バリキャリのチアリーダー」誕生の軌跡
こんにちはthreefeet 多田です。元気してます。
先日僕たちは「バリキャリのチアリーダー」というビールの販売を開始しました。
バリキャリのチアリーダー
ここではプレスリリースのようなお堅い文面ではなく、僕視点のゆるい感じでバリキャリのチアリーダー誕生までの経緯を記していきます。どうぞご覧ください。
目次
- ブルワリー設立断念
- 日本国内でクラフトビールを造って売るためには?
- 酒類販売業免許とは
- 委託醸造先は"Far Yeast Brewing"に決定
- バリキャリのチアリーダーのコンセプト
- 今回はここまで
ブルワリー設立断念
そもそも僕が独立を考えた当初、自社ビールを造るための工場設立を計画しました。そこで大小様々なブルワリー(ビールの醸造所)やカクテルの酒造ベンチャー、ワイナリー、おつまみメーカーなどあらゆる角度からお話を聞いて空絵を描き、断念しました。
(ちなみにこの過程で生まれたのがBANSHAKUです)
断念をした理由は主に2点、お金と時間の問題です。
お金の問題については、設備投資と利益回収を鑑みてアウト。規模にもよりますが設備投資には数千万〜数億円が必要となりますし、クラフトビールが少しずつトレンドになっているとはいえ、いきなりここ大きな投資をするにはリスクが高いと思いました。大きな資金調達ができれば別ですが、何も実績がない僕たちには難しいと判断したのです。何をするにも実績が必要ですね。
時間の問題については、醸造免許取得にかかる時間を鑑みてアウト。一般的に醸造免許申請から取得までには最短でも6ヶ月間の審査期間がかかります。また、申請をするには醸造所の場所や設備などを揃えてからでないといけないため、通算すると1年ほどはかかるでしょう。
この2点が理由で(他にもありますが)いきなりブルワリーを設立するのはやめました。
日本国内でクラフトビールを造って売るためには?
前述にあるとおり、国内でクラフトビールを自分で造るためには醸造免許取得が必須です。海外ではホームブルーイングなど自由にビールを造っても法制限がありませんが、日本ではアルコール度数1%以上のビールを造ると法に抵触するのです。
では、別の手法で自分のビールを造れないか。最終的には今回バリキャリのチアリーダーを造った手法である、委託醸造に行き着きました。
委託醸造とは醸造免許を取得している会社にお願いをしてビールを造ってもらう方法です。そしてそのビールを販売するには醸造免許とは異なる酒類販売免許があれば可能であることを知り、酒類販売業免許取得に向けて動き出しました。
酒類販売業免許とは
酒類販売業免許は最短1ヶ月ほどで取得することができます。取得には酒類を販売するために人的要件、経営的要件、場所的要件、この3つを満たしていると税務署の方々に認めてもらうことが必要です。
細かいことは書きませんが、公的な機関に認めてもらうのためにはこんなにも大変なのかと思いました。税をきちんと収めているかの証明はもちろん、事業計画書の提出、仕入れ・売り先の確保など累計50枚ほどの提出資料を作成しました。
僕たちの場合、税務署の担当の方がとても親切な方で何度か修正の指摘を受けながら最終的には2ヶ月ほどで酒類販売業免許を取得することができました。免許交付税は3万円なので手ごろですね。
ちなみに専門的な税理士さんにお願いをすれば、もう少し短い期間で免許取得ができると聞きました。相場は免許税と別で30万円ほどです。
酒類販売業免許通知書
写真を見てお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、この時点では通販のみの免許を取得しています。原宿にお店がなかったからです。この後、条件緩和申請、販売場移転申請の許可を経て、無事threefeet Tokyoでの販売許可がおりました。
委託醸造先は"Far Yeast Brewing"に決定
酒類販売業免許の申請と並行してクラフトビールを造ってくれるところを探しました。BANSHAKUの取材でできた繋がりを頼りに、委託醸造を受け入れてもらえるところを探したのです。
ありがたいことにいくつかの企業様から前向きな回答をいただきましたが、今回は山梨県小菅村に醸造所を構える、Far Yeast Brewing株式会社様にお願いすることが決定しました。
決定要因に価格やバリュエーション、クオリティなどももちろんあるのですが、決め手となったのはブルワリーとしてのスタンスへの共感です。
Far Yeast Brewingさんのことは取材記事にも取り上げましたが、コンセプトに合致したビール造りは大変素晴らしいです。国内では珍しい*バレルエイジングへの挑戦は取材中や工場見学中に何度もシビれました。小菅村から帰りの車中で既にここにすると決めておりました。
*バレルエイジングとは、木樽で熟成することを意味し、 ビールをワイン樽やウイスキー樽の中で熟成するビール醸造の手法。日本では木樽の入手が難しくまだ一般的なビールでは無い。熟成年数や木樽によってビールの香りや味わいを変化させることができる。単純にビールに樽香をつける目的でやる場合もあるが、Far Yeast Brewingの場合は木樽の中で微生物の発酵を促し複雑なフレーバーを得ることも狙ってる。
【Far Yeast Brewing株式会社について】
“ Democratizing beer ”‐「産業化によって画一的な大量生産商品になってしまったビールの多様性と豊かさをもう一度取り戻す」というミッションのもとに展開。和の馨るエール「馨和 KAGUA 」、東京 Tokyo をテーマにした 「Far Yeast」、そして、イノベーティブなビール造りに挑戦する「Off Trail」という3つのクラフトビールブランドを展開しており、個性あふれるビールを世界へ向けて発信しています。
「ビールの多様性と豊かさをもう一度取り戻す」−オリジナリティ溢れるクラフトビールを日本から世界へ”Far Yeast Brewing”のビールとは
バリキャリのチアリーダーのコンセプト
実はこの段階までは僕の頭の中ではバリキャリのチアリーダーの「バ」の字も出てきていませんでした。まだまだ販売開始のスタートラインは遠いです。
コンセプトの素案段階ではクラフトビールを飲むシーンやフードペアリングを意識して偏ったアイディアが出ていたのを覚えています。「ロールキャベツ専用ビール」や「1リットルの大瓶ビール」とか、アイディアとして突飛なものばかりで、結局どれくらい売れるのか直面したときに行き詰まってばかりでした。自分自身、これなら世に出せる!と自信満々になるアイディアがなかなか出てこなかったのです。
コンセプト設計はとあるスペシャリティチョコレートのブランドさんから学びました。スペシャリティチョコレートとクラフトビールは共通点が多いです。口に入れる、嗜好品、写真映え、お洒落などなど、完全に全てが一緒というわけはありませんが参考にしながらコンセプト設計を行いました。勝手ながらありがとうございました。
一言でまとめると、バリキャリのチアリーダーは「激務の中でホッと一息ついて、オフモードのときに飲んで欲しいビール」というコンセプトになります。このコンセプトをもとにビールのレシピ、商品名、ラベルデザインなどを決めていきました。
まずビールのレシピ(スタイル)に関してはセゾンというものにしています。セゾンはその昔、農家の方が夏の暑い日でも、ゴクゴク水のように飲めるビールとして造られました。造っていた農家の彼らの気持ちを考えると、セゾンを飲む瞬間は大変な労働から解放されて、ホッと一息つける至福のひとときだったのではないでしょうか。
また、商品名はクラフトビールを全く知らない方にも伝わりやすいよう、わかりやすさを重要視し、キャッチーな「バリキャリ」、応援の気持ちを込めて「チアリーダー」も単語として使っています。
ラベルデザインに関しては、最も悩んだものです。バリキャリを表現するためにスマホやメガネ、英語での電話など突き詰めた結果、完成したのが今回のラベルです。
今回はここまで
ここまでご覧いただきありがとうございました。ところどころ省略しているところもありましたが、ありのままのバリキャリのチアリーダー誕生の軌跡でした。
僕たちは紆余曲折ありながらやっとの思いでスタートラインに立つことができました。ここからが商売ですが商品に関しては大変自信があります。
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