「街の企業」にデザインを、もっと身近に。地方企業が月額1万円台のデザイン定額サービス「助太刀丸」をリリースできた理由。
ビズクルー株式会社(千葉県佐倉市)は、2020年10月20日、チラシやポスター、POP、パンフレットなど紙ツールに特化した定額制デザイン制作サービス「月極デザイン 助太刀丸(すけだちまる)」を正式にリリースしました。
当社はこれまでWEBやDTPデザインを中心に提供してきた「ちょうどい田舎」の、いたって普通のデザイン会社です。そんな会社が、おそらくDTPデザインなら最強コスパのサービスを公開した裏側を、この場を借りてお伝えしたいと思います。
※この記事でいう「デザイン」は、チラシやポスターなどのDTPデザインとします。
関連プレスリリース:
デザインの価値は高く評価されるべき。でも、街の企業の実情は…
このサービスについて話すとき、私は「A4チラシ両面カラーのデザインで5万円」という事例をよく引き合いに出します。デザインに定価はないので会社によって料金はまちまちですが、法人企業ならば安くて4~5万円といったところでしょう。フリーランスだと1.5万円という低料金で受けている方もいらっしゃいます。
この4~5万円という料金について、個人的には「安すぎる」と感じています。形はさまざまでしょうが、取材やヒアリングをしたり数案の提示をしたり、はたまた担当者の上司からNGが出てやり直したり。1ヶ月で使えるデザイナー時間は決まっていますから、残業の増加など経営的にも身を削る必要が出てきます。
技術の進歩や開業のしやすさもあり、過当競争に陥っていることも原因の一つです。発注側の選択肢もだいぶ増えてきました。起こるべくして、といえばそれまででもあります。
ただ、特別なスキルの必要な「専門職」の仕事ですから、正当な価値としてはもっと高くてよいはず。そう感じているデザイナーさんはたくさんいらっしゃると思います。
一方で「街の企業」の感覚でいえば、チラシ1枚に対して簡単に4~5万円を捻出できる状況にはありません。広告することでそれ以上の回収ができる可能性を理解していても、最終的には経営者がWordでチラシを作ることになりがちです。
信念と根拠があっての手作りならば良いのですが、高くて外注できないから手作りになってしまう。地方の企業ならではかもしれませんが、そんな現場をたくさん見てきました。
だからこそ、
1. 街の企業でもデザインを活用できる低料金に
2. でも、デザインのクオリティは下げない
3. 会社が疲弊しない(ビジネスとして成立する)
4. デザイナーが疲弊しない(ホワイトな環境)
この4要素を満たせるサービスを開発する必要がありました。
単に安売りではなく、安かろう悪かろうでもなく、顧客も助かり、デザイナーも定時で帰れる労働環境。この4条件を満たすことができたのが助太刀丸のビジネスモデルです。
インターネット全盛の時代に、なぜ「紙」だけのデザインサブスクなのか。
これはよく聞かれる質問でもありますし、実際にデザイナーとして活躍している社員からも面接時に聞かれたことです。
「紙のデザイン」は、デジタル・アナログの議論とは分けて考えるべき。これが大きな理由です。
株式会社電通のニュースリリース「2019年 日本の広告費」によれば、2019年、インターネット広告費は6年連続で2桁成長、テレビメディア広告費を上回り2兆円を超えました。
紙媒体が含まれるプロモーションメディア広告も増加していますが、これはおそらくタクシー広告が伸びた部分が大きく、その他の既存媒体はほぼ横ばいでしょう。
インターネット広告の躍進が目立つため気づきにくいのですが、それにしても、じつはまだまだ紙媒体に需要のあることがよくわかります。関連する折込広告、DM(ダイレクトメール)、POPの合計だけでも、約9,200億円の市場規模があります。
脱ハンコやペーパーレス化、ICT化、デジタルマーケティング化が進み、世の中の風潮としては「紙をはじめとするアナログ状態から脱すべき」という流れになっています。
ネット集客をしないと取り残されるという声もよく聞こえてきますが、それは業態や立地によるでしょう。あまり気にすることはありませんし、使い分けるべきです。店舗をもつ形態の事業ならば、むしろ紙をより重視してもよい環境にあります。
(参考:「折込チラシを見て店に行く人は 25.2% WEB 広告を見て店に行く人は 15.0%」2020年3月 株式会社オリコミサービス News Release)
紙のデザインだけが必要な場所に、必要なものだけを届ける。それだけで十分な企業もたくさんあるということです。
どうしても1日ワンコイン相当で利用できるサービスにしたかった。それを達成できた16のヒミツ。
例えば街の飲食店。昨今の社会情勢によりテイクアウトが増えましたが、500円のお弁当が売られているとだいぶ得した気分になります。私のような一般市民に多く触れる街の企業にとっても同様に、1日ワンコインという響きは価値を測るひとつのキーワードです。
※1日ワンコイン:500円×30日=15,000円以内の料金にすること
ただし、安くて売れたからバンザイ、ということではありません。「安いから使ってみるか」をきっかけにサービスを導入することで、これまで手を出せなかった販路開拓や販促活動につなげていただく。そうやって企業の課題解決をサポートできることが、私たちの一番に望む結果です。
定額がゆえに、使うことを前提に考えるとさまざまな活用方法が見つかるはずです。
月額15,000円以内で頼み放題サービスを提供するために、業界のビジネスモデルを大きく変える必要がありました。
変えるというよりは、分解作業の後に足りない部品を補充したり余計な部品を外したりして、まったく違うだいぶスリムな作品を作り上げたというイメージです。もちろん、サブスクにすれば解決できるという単純なことではありません。
例えば「紙」だけに絞ったことは、上記の理由だけではなく料金を抑えることにも貢献しています。会社としてはDTPデザイナーだけを採用すればいいですし、広がりすぎないから社内業務をスリム化できます。
また、助太刀丸の特徴でもある「ベースデザイン」の採用は、制作そのものの工数を減らすことにつながります。それだけではなく、発注慣れしていない企業担当者にとってイメージを伝えられる便利なツールになりますので、顧客にも分かりやすく時間短縮にもつながります。
こういったことを含め、全部で「16の要素」が組み合わされて13,200円のデザイン頼み放題サービスが誕生しました。そのすべてを公開することはありませんが、すべてが揃わないとサービスとしてもビジネスとしても成り立たないと考えています。
もしかすると、同業者の一部からは価格破壊を起こしたと非難を浴びるかもしれません。一部としたのは、賢明な方には業界のプラスになるビジネスモデルだと評価していただけると考えるからです。
当社としては価格破壊でもなんでもなく、基本的に「デザインの価値は高く評価されるべき」いう立場に変わりはありません。これまでよりスリムになるぶん料金が下がるだけで、それによって、デザインを活用する企業がもっと増えるのは良いことだと考えています。
再度になりますが、当社は地方のとある企業に過ぎません。でも、だからこそ街の企業の実情を知ることができ、助太刀丸を世に出すことができたのではと考えています。
全国にたくさんある街の企業の皆さまと、共に成長していける関係に。
<記事執筆>
ビズクルー株式会社
代表取締役 田中 良平
【当記事に関するお問い合せ先】
ビズクルー株式会社 担当: 田中
電話: 043-400-2784
フォーム: https://sukedachi-maru.jp/contact
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ