☆滅ぼし物語☆1期最終章
大きな声で魔王の声をかき消し、ユーリは再びバルキュラの足元に近づいて剣を一閃させる。1撃2撃3撃と龍の鱗を傷つけていき、柔らかい部分が剥き出しになる。
バルキュラ「グァァァ・・・」
効果はあったが致命傷にはならない。龍はこの程度では倒れないことはユーリはわかっていた。
ソル「ミナ・・・早く助けにいくから待ってて!」
ソルは剣を一度収めてバルキュラの足元へと走って近づいた。
ユーリ「なにをするつもりだ?!」
ソル「飛び乗って頭を斬りつける!」
ソルはバルキュラの足へとしがみつきながら頭を目指して登り始める。当然バルキュラは登ってくるソルを振り落とそうと身体を前、後ろと大きく動かした。
ソル「負けるものかっ!」
バルキュラはソルを振り落とすことに必死で足元が隙だらけになっていた。ユーリは素早くそのことに気づき、再び剣を一閃させた。ユーリが振り下ろした剣は柔らかい部分にヒットし続けて柔らかい部分がグチャグチャになっていく。
バルキュラ「グァァァ!!」
ユーリの攻撃はバルキュラにかなりのダメージを蓄積した。そうしているうちにソルはバルキュラの頭へと到達した。
6話 完
7話(暗龍との戦闘・終盤)
ソルはバルキュラの頭に乗ると剣を引き抜いて手にまわす。
ソル「これでどうだっ!!」
ソルはありったけの力を振り絞り剣をバルキュラの目に突き刺した。
バルキュラ「グァァァ・・・」
弱々しい鳴き声とともに地面に倒れ込む。ソルはバルキュラの頭からタイミング良く飛び降りて無傷だった。
ソル「まだ生きてる・・・」
ユーリ「まて、追い打ちはしなくていい」
一気に攻め込もうとしたソルを止めて待機の指示を出す。
ソル「このままいけば倒せるんじゃ?」
ユーリ「やつは片目を失った、これ以上は攻撃しなくて大丈夫だと思う」
ユーリとソルが話し合っているうちにバルキュラは体制を立て直してユーリたちを睨みつける。
ソル「ほら、もうどうすればいいかわからないよ」
ユーリ「大丈夫だ。信じろ!」
ソルは大きく息を吸って吐いてを繰り返すと自然と冷静になった。
バルキュラ「グァァァ!!」
片目を失ったバルキュラは天井の穴を素早く抜けて去っていった。それを見ていた魔王は怒り、バルキュラに手を向けて雷を落とした。
魔王「裏切るやつは死んでもらう」
魔王の放った雷はバルキュラの身体を貫いた。雷に耐え切れなかったバルキュラは暗い森へと落下した。
バルキュラ「・・・グァァァ」
弱々しい鳴き声がユーリたちに伝わってくる。暗龍バルキュラは魔王の雷で致命傷を負った。暗い森に落下した衝撃で地面についた時には既に死んでいた。
ユーリ「魔王!お前はなにをやってるんだ!!」
魔王「裏切りものを始末しただけだ。」
魔王は天井の穴から再び魔王城の最上階に着地した。
ソル「絶対に許さないっ!絶対に・・」
怒りに身を任せて剣を魔王に向ける。しかし魔王はまだ余裕そうにしていた。その時、1本の矢がソルの目の前を通り過ぎて魔王の翼を貫通した。
7話 完
8話(ミナ、復活の刻)
ユーリとソルは魔王の左翼に大きな穴が出来て使いものにならなくなったことを確認した。
ミナ「ごめん、待たせちゃったね」
ユーリ「ありがとう。もう大丈夫なんだな?」
ミナ「えぇ、フィリニアに救われたわ」
**********
*ミナの頭の中*
暗龍バルキュラの黒い炎に包まれたミナは地面に倒れて意識を失っていた時、頭の中に誰かが話しかけてきていた。
ミナ「やられちゃった・・・どうしよう?」
???「まだ戦いは終わっていないわ・・・ここで諦めちゃだめ・・・」
ミナ「え?だれ?」
フィリニア「・・・フィリニアです。いまユーリとソルがバルキュラと戦っているわ。」
ミナ「そうだよね・・・ここで倒れちゃったらなんにもなんないもんね」
フィリニア「だから、約束してほしいことがあるの。」
ミナ「なにを?」
フィリニア「・・・だから・・・ね」
フィリニアの声が遠のいていく。ミナはその直後に意識を取り戻した。
**********
ミナ「まだ倒れている場合じゃないよね。あともう少し頑張ろ。」
そう自分に言い聞かせながら立ち上がり、辺りを見渡す。数秒後にユーリとソルの目の前に魔王がいることを確認する。
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