☆滅ぼし物語☆1期最終章
脇腹を抑えつつ魔王は笑っていた。
魔王「あとは2人だな」
その一言を言い終えるとソルは走りつつ跳躍して剣を魔王の頭に叩きつけるように斬りつける。
ソル「うぉぉぉ!!」
重力を利用して剣を振り下ろす。魔王は笑いつつソルの攻撃を押し返そうと黒剣を真上にかざすように防御態勢をとる。
魔王「諦めろ!」
魔王の黒剣とソルの剣がぶつかり合い大きな声が鳴り響く。
(キィィィン!)
ソル「必ず勝つ!!」
全身の重みを剣を持つ手に加えて力を倍増させる。
魔王「なにっ!!や、やばいッ!」
黒剣マーラは綺麗な音をたてつつ丁度真ん中から割れてソルの剣が魔王の頭から足へと斬撃が凄い速さでかけぬけた。
魔王「うぁぁぁぁぁぁ!」
いままでの攻撃よりも手応えを感じた。魔王は叫び声とともに地面に倒れて荒々しく息を吸って吐いてを繰り返して苦しんでいる。
ユーリ「やったな・・・」
ミナ「怖くて矢を放てなかった・・・ソル、ごめんね」
ソル「やった・・・やったぞ・・・」
ユーリは右腕に痺れを我慢しつつ、ソルの元へと駆けつけた。
ユーリ「トドメはソルがやってくれ」
ソル「わかった」
涼しげな風が魔王城の最上階を静かにさせる。ソルは魔王に近づくとともに勢いよく剣を突き立てた。
11話 完
12話(最終戦は夢のように忘れ去った)
ソルの剣は魔王の頭の側に突き立てていた。
魔王「トドメを刺すのだろう。さっさとやってくれ・・・」
魔王はもう既に力が無くなりつつあった。死ぬ覚悟を決めた魔王にソルは手を差し伸べた。
魔王「なんのつもりだ?」
ソル「悪い自分もそうでもない自分が居てもいい。だから、もう帰ろう?」
ユーリ「ソル、なにをやっている?!」
魔王はソルの差し伸べた手を掴んだ。そうした瞬間、ソルと魔王は光に包まれた。
ミナ「ソル!早く魔王から離れて!!」
ユーリ「ミナ、待つんだ。ソルにはなにか考えがあるのだろう。」
光に包まれたソルと魔王は短い会話は初めた。
光の中は暖かい。魔王が笑っている時もこんな感じだったことをソルは思い出す。
魔王「いいんだな?」
ソル「あぁ」
うなづくとともに魔王ゾルディヌスは光となりソルの身体の中へと入った。
ソル「暖かい感じがする・・・」
ユーリ「ソル、影が戻ってるぞ!」
ミナ「あ、本当だ」
魔王との激戦は終わった。ユーリたちは大きく息をして気持ちを落ち着かせた。ふとソルは魔王城の天井から光の階段が現れるのを見た。
ソル「あれは?」
ユーリ「元の世界に帰れる階段だな。ソルとはここでお別れらしいな」
ソル「・・・そうか。じゃあ帰るよ、元の世界に」
ミナ「いままでありがとうね、楽しかったよ。」
ソルはユーリとミナにお別れの言葉を告げ、光の階段を登り始めた。
ユーリ「また、会える日を待って・・・」
光の階段を登り終えた瞬間にソルはユーリの声が微かに聞こえた気がした。
〜END〜
目が覚めた時にはベットに居た。
ソル「帰ってきた・・・んだよね」
ふと辺りを見渡すと部屋の隅にキラリと剣が輝いていた。
12章(1期、完)
☆あとがき☆
☆滅ぼし物語☆1期を無事に終えることができました。不思議な展開に創造力が湧きますね。さて、2期では成長したソルがフィリニアの過去を知れる物語に仕上げていきたいと思います。
では、2期が更新されるのをお待ち下さい。読者さんありがとうございます。
[登場人物・他]
☆ソル(少年) 主人公*
☆ユーリ(勇者) 仲間
☆ミナ(弓使い) 仲間
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