第3回 富士山より高い場所にある、中国のラルンガルゴンパに行ってみた。

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著者: 亀貝 康明

成都に入った。

成都の空港からはバスを利用して市内に入る。

2年半ほど上海に住んでいたので中国の文化慣習そのものに新鮮みはない。

それでも中国のことならなんでも興味がある僕にはラルンガルゴンパへの不安もあったが、

初めての成都に少しワクワクしていた。



成都という都市。

成都の人口は1400万人。東京で1300万人。

成都と上海の距離はちょうど東京と上海のそれと同じぐらいである。

つまり上海を中心に位置づけると東に東京、西に成都。

そのぐらい中国大陸内であっても上海と成都の間には距離がある。

上海からすれば成都は内陸に位置する。

位置だけ考えれば田舎のようだが、人口では東京を上回る。

三国時代には蜀の都にもなっている。

いわゆる1級都市のひとつ。中国でこのような都市が数多く存在する。

しかも大陸のいたるところにあるのだからそれぞれを田舎という表現では片付けられない。

実際に成都には1週間ぐらい滞在した。

その存在感は北京や上海のような沿岸部の都市に負けないパワーがあることを誇示するかのようだった。

空港、ビル、地下鉄、食、観光名所、パンダ、、、

成都の特色を保ちながら同時に近代化した都市であった。

安ホテルに荷物を置く。

毛沢東の銅像を横目で見ながら近くのイトーヨーカドーへ向かった。



この成都の小売業をリードするのがイトーヨーカドーであることは日本人として誇らしい。

日本のやり方を押し付けるのではなく、日中のそれぞれの良さが融合され現地でのオリジナルな存在になっていた。

現場を見ると感動するぐらいの熱気と工夫を感じた。

なぜなら僕には中国の文化慣習の中で、ここまでの実績を作り上げる難しさを知っていたから。

イトーヨカドーに関しては色々な記事なども読んでいたので尚更感慨深く感じた。



バスで会話した欧米人が言っていた。

成都はパンダだけの街じゃなかった。

すごくエキサイティングな街。

街を歩けば何も無い事がないわよ。



僕はイトーヨーカドーからさらに地下鉄で30分ほどの郊外にあるバスターミナルへ移動した。

明日のラルンガルゴンパまでのチケットを買うため。

朝6時半出発とためチケット売り場が営業しているかどうかわからない。

そもそも2月の真冬にバスは運行しているのだろうか。

そもそもラルンガルゴンパまで乗る人がいるのだろうか。


とにもかくにも何があるかわからない。

成都の滞在期間は10日ほど。

帰りの飛行機に乗れなくなったら困るので、まずはラルンガルゴンパへ向かおうと考えていた。


地下鉄でバスターミナルまで向かう途中僕はチケットが売っていない可能性も考えた。

そもそも誰もラルンガルゴンパなんていかないだろうよ。

崖もたくさんあるし、雪が積もってるだろうから運行してないだろう。

そうだ、そうだ。

買えなければどうしようもないよな。

パンダでも見て帰ろう。。


はい、買えましたっ!

色達(ラルンガルゴンパの手前の町)までのチケット1枚。明日ね。
チケット売り場の女の子
色達!? 行くの?
そうだよ、色達だよ。
チケット売り場の女の子
はいよ。
ありがとう!
チケット売り場の女の子
なぜ色達行くのさ?
挑战!チャレンジだよ。
毎日運行してるの?雪は?
チケット売り場の女の子
行ってみないとわからないね。
帰りのチケットって今ここで買える?
チケット売り場の女の子
それはムリー!
だって帰りのバスが運行するかどうかわからないからねー。
帰る時にまた買ってねえ。Good Luck!!
Good Luckじゃねーよ!


明日6時半。とにかくまたこのターミナルに来よう。。






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第4回 富士山より高い場所にある、中国のラルンガルゴンパに行ってみた。