神様はバリにいた「一歩間違えれば死んでたのに何笑ってんの?」神という厄介な存在を知った、神々の島バリ島
「神様が見てるよ」
空を指で差しながらこう言えば、タクシーでもボッタくられないし、物売りにふっかけられる事もないよ、この国では。
ナシゴレンを食べながら、もうバリ島に来るのは3度目だという先輩が、
笑いながら教えてくた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今から21年前、
23歳の時に生まれて初めて行った海外旅行は「バリ島」でした。
当時のぼくは、
パスポートは免許証を見せれば市役所で貰える。
成田空港に行く手段は成田エクスプレスしかない。
空港使用料が要るなんて、ドッキリだと思ってた。
そんな情弱で可愛い、バカでした。
海外に憧れはあったものの、ニューヨーク、パリ、ロンドンなどの最先端でお洒落な場所、
に興味があったわけで、アジアの南国には何の興味も無い人でした。
たまたま、当時の仕事関係で企画した「神々の島バリ島に行こう!」みたいなものにノリで参加しただけ。
ぼくの中でのバリ島は「たまにテレビで聞いいたことがある南国のリゾート地」くらいのテンションの低さだった事を、21年経って初めて、ここで暴露しております。
さて、
パスポートが出発3日前にギリギリ間に合い、
成田空港で北ウイングと南ウイングを間違え、
集合場所がわからず、泣きそうな顔をポーカーフェイスで隠しながら出発30分前に合流。(当時ケータイはまだ普及してなかった)
初めて見る生CAにドキドキしつつ、背中がシートに張り付く感じの加速Gに「ヒャッホウ!」と叫びたい気持ちを、ポーカーフェイスで隠しながら無事にテイク・オフ。
※イメージ画像
外国だ…
デンパサール空港に到着し、ゲートを抜けた瞬間、肌で外国を感じました。
無臭に慣れた日本人の鼻を刺激する、微かにスパイシーな匂い。
日本語以外の言葉が飛び交う空間。
タイムスリップしたかのような、目の前を通り過ぎる車やバイク。
※イメージ画像
あの違和感は、今でもハッキリ記憶に残ってます。
その後行ったハワイの記憶は、アラモアナでお土産買った位しか思い出せませんが(笑)
バリ島。別に特別来たかった国では無いという後向きな感覚に、この強烈な違和感がミックスされ、ぼくの中でひとつの心境が生まれました。
それは、「不安」
(何で初海外で不安にならねばいかんのだ…)
全く楽しめてない自分に驚き、更にこの後、
その不安は的中する事になります。
何人もの「子供の姿をした推しの強いセールスマン」を笑顔で交わし、お尻が浮き上がるほどの、あり得ないスピードで走るバスに乗り、やっとホテルに到着。
慣れないフライトと不安と暴走バスに疲れ果て、ベッドに倒れ込んだ時のシーツの匂いは、
スパイシーでした。
メシウマ
外の景色をまるで巨大な絵画の様に切り取った、半分テラスのような作りのオシャレなレストラン。
※かなり近いイメージ画像
そこで食べた料理は、ナシゴレンとミーゴレン。
言わず知れたバリ料理。と思いきや、実はインドネシア料理らしいのですが、そんな事はCDとDVDが同じサイズって間違いやすくない?ってくらいどーでもよく、
とにかく美味い。
まぁ、
焼き飯と、玉子が乗った焼きそばですからね。そりゃフツーに美味いですよ。味濃いし。
でも、凄く安心した事を覚えてます。
旅において「食事」は、シャワーのお湯が強いか弱いかくらい重要です。
胃袋が満たされると、不思議と不安は解消されるもので、その日の夜に見にいく「ケチャダンス」が楽しみで楽しみで、ワクワクしてました。
ちなみにぼくの生活環境には、当時まだ「インターネット」という設備は整っておらず、全くの前知識ナシでこの国へ来ております。
ケチャダンスの知識は、そんな友人の薄っすい情報だけでした。
著者の宇野 成人さんに人生相談を申込む
著者の宇野 成人さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます