双子の姉なっちゃんの話③【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】
そのうち、とうとう私宛に宿に訪ねて来る人まで現れたのだ。
最初は不思議に思ったけれど、目の前で人が喜んでくれることはとても嬉しかった。
そして、どんなに悩んだ人でも、自分を汚いと思っている人でも、みんな大きな可能性を持っていて、それぞれ違って輝いているのが私にははっきりと分かった。
人それぞれ違う輝きに触れることが、とっても好きだった。
自分の輝きを思い出した瞬間、人はとっても嬉しそうな顔をする。
ーー私はこうやって生きていきたい。。!
1ヶ月の8時帰宅が終わった頃、
私は、まぁちゃんとふたりで仕事をしていくことを決めていた。
お金も、仕事もなんとかなるだろう。と思えるまでになっていた。
だけど、大好きでたくさんお世話になった会社だけは、すぐに!というわけにはいかず、ちゃんと自分なりに恩返しをして辞めたかった。
まぁちゃんからすぐ辞めろ!!とせかされる中、
上司と話し合って、「半年後」という期限を決めた。
うまくいくかも分からない。何をするかもまだ決まっていない。先は全く見えないけど、
私は自分が選んだ未来にとってもワクワクしていた。
もう、全てにゆだねてみよう。そう思った。
そして、少し気づくんだ。
泳ぐのをやめて水の流れに身を任せたらうまくいくんじゃないかと。
【さよなら】
2013年7月29日
その日は私の退職日だった。
部署のみんなが忙しい中、送別会を開いてくれたのだ。
会社からほど近い居酒屋には部署のみんなが集まっていた。
私は半分笑ってごまかしたが、上司は少し渋い顔をしていた。
退職日が近づくにつれ、仕事でのトラブルがとっても増えていた。
印刷会社から発注したものが届かなかったり、運送屋さんが荷物を積み忘れて必要なパンフレットが届かなかったり。
その日も、大事なイベントで印刷ミスがあったのだ。
何となく理由は分かっていた。
すぐにでもまぁちゃんと仕事をしたいと心では思っていたので、いつも通り会社で働くことが大きな違和感になっていた。
それは、時間が経つにつれ増していった。
心と違う、違和感があることをすると現実でトラブルが起こったり、スムーズに行かないんだ。
それは、渦の真ん中に戻っているからだ。
渦の中心に近づくにつれ、真ん中に戻す速度は増していくのだ。
「しょーちゃん頑張ってねー!!失敗したら戻ってきて良いんだよー!!」
こんなによく分からない私を、みんなは送り出してくれた。
大好きな上司からもらった言葉を今も覚えている。
しょーちゃんのこと、最初はなんでもできる器用な子だと思ってた。だけどそれは違った。しょーちゃんはチャレンジャーだったんだ。その自分の信じた道をチャレンジする力は素敵だと思う。
憧れの会社、大好きな仲間、大好きな職場。
今までの全ての出会いは、私をここまで運んできてくれた。
これから、行き先は全部自分の心の中にある。
私はそこを信じ続けるんだ。
さよなら。
著者のShono Mahoさんに人生相談を申込む
著者のShono Mahoさんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます