第11話 人生を変えた旅ペルーⅡ【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】
そのまま、急いで食事を片付け自分の部屋に戻った。
ベットに飛び込み、ノートとペンを出す。
携帯でアンパンマンマーチの歌詞を検索した。
さっき流れていた歌の歌詞だ。
そして歌詞の一部を、ノートの表紙に思いっきり書いた。
何の為に生まれて 何をして生きるのか
答えられないなんて そんなのは嫌だ!
何が君の幸せ 何をして喜ぶ
解らないまま終わる そんなのは嫌だ!
ーこれだ!!!!!
こころの奥底で、何か強烈な震えがやって来た。
ワクワクの渦が、腹の底からあがってくる。
「ペルーに行く」そう”決めた時”から物事は動いていった。
そして”前兆”が、私をその場所まで運んでくれた。
ー何で旅に出たのか?
クスコに来て、その答えをずっと探していた。
でもそれは、自分でまた決めないといけなかったんだ。
そうじゃないと、人生は動かないんだ。
心の底から望んだことは、必ず”前兆”がやってきて
そこまで行く手がかりを教えてくれるんだ。
” ー私の心の底から望むもの ”
ノートに書いた文章を見つめる。
「 ーよしっ。
私は “ 何の為に生まれて 何をして生きるのか ”
旅が終わったら、それを知っていたい。
それを見つけるために、旅をするんだ! 」
その口にした意図は、今初めて見つけたものではなかった。
旅をするずっと前から、こころの奥の奥の方にあったことに気づいた。
ノートの文章の横に、太陽と月のマークを描き加える。
ペルーのインカでよく使われるマークだ。
”インティ”と”ルナ”だった。
ノートを閉じても、表紙に書かれたその文章とインティとルナだけは
しっかりとこちらを見ていた。
その日の夜からは、ベットに入っても不安の波はもう襲ってこなかった。
その代わり、こころの真ん中が熱く朝が来るのが楽しみだった。
ー明日はマチュピチュへ行く手配をしよう。
自分のこころの中にその一言が浮かんできた。
そして次の日から、私の旅は、ガラリと変わったのだ。
このストーリーは2015年に書籍化となり、
2019年にベストセラーとなりました。
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