イジメが教えてくれた幸せな気持ち

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著者: 山本 里沙
「キモい。死ね」

いつも通りの朝。
いつも通りの言葉。
いつも通りの光景。

一つ違うことと言えば…
私の机の上に菊の花。

おかしいな、私生きてるのにな。

いつしか学校に行けばイジメられらのが当たり前。
心ない言葉に何回涙を流しただろう?

お嬢様、お坊ちゃんがたくさん暮らすこの街で、まさかこんなイジメが起こるとは思いもよらなかった。

世の中、可愛い人、カッコイイ人が得をする。
ブサイクは受け入れられない。

どうせ私なんて…
心が凍っていた。

そんな中学3年間。


事の始まりは小学校6年という、微妙な時期の父の転勤だった。

たくさんの友達と毎日、日が暮れるまで遊ぶ日々。

平和で、ゆるやかに過ぎていく毎日から、地獄のような毎日を過ごすことになるとは、思いもしなかった。

大好きな友達とのお別れ。
辛くて、悲しくて、両親がいないところで泣きまくった…


転勤先は日本でも有数のお金持ちの街。

今までとは全く違う環境になるとは思っていたけど、
「みんな、お上品なんだろうなぁ」
そんな程度にしか思っていなかった。


「今日から新しい仲間が増えました」

よくある転校生の紹介。

…誰も私の言葉を聞いてくれなかった。

その代わりに品定めするような視線。

その日の私の服装は、田舎丸出しのノーブランドのTシャツにジーパン。

みんな私のこと、指を指して笑ってる。

でも、「話したら仲良くしてくれる」
そう思っていたのが甘かった。

休み時間になり、みんな集まって来てくれるだろうと待っていたら

誰も来ない。

みんなヒソヒソ、コソコソ私の方を見て笑ってる。

リーダーらしき子が「キモいなぁ」

まさかとは思ったけど、私のこと…?


小学生はまだまだ純粋なもので、転校生イジメとは言っても、悪口くらいなものだった。

結局、仲良い友達が何人か出来たし、耐えられないような日々ではなかった。

季節は変わり、春の陽気が気持ち良くなって来た頃。

私は中学生になった。

転校して辛かったこともあったけど、これからはまた新しい日々が始まる。

ワクワクしていた。

クラス発表があり、仲良くなれそうな子もいるなぁと思って、机に座ると…

「キモい」
その言葉と共にガッシャーン!!
机が倒れる音がした。

何事かと思えば、1人の女子が殴られていた。

イジメだ。

私はついこの前まで同じような状況だったのに、助けられなかった。



昔からイジメられているらしいその子は、強かった。
イジメられても動じず、何事もなかったかのように机を直し、制服に着いたホコリを静かに取っていた。

私は見て見ぬフリをしてしまった。



数日後、
「キモい」
そう言われているのは私だった。

女子からも男子からも、やっとできた友達からでさえ、悪口に陰口。
無視は当たり前。


一番ひどかったのは、全く知らないヤンキーにいきなり呼び出されて、カツアゲされたこと。

なぜ当時5000円も持っていたのか、謎だけど。(笑)

でもその5000円に助けられた。
持っていなかったら、本当にどうなっていたかわからない。

それから中学3年間は、まさに地獄の日々だった。

どこの学校にもいる、派手グループに目を付けられてしまったせいで
毎日逃げ回り、コソコソする日々が続いた。

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