〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜【第一話】『うつ病になった日…』
彼女はそう言った…。
僕はこの時、様々な感情が溢れ出てきた。
こんなにも不安な思いをさせていたのか…
僕はうつ病なのか…?
休職した方がいいって言ってたよね…?
富士山は?仙台はなんだったの…?
言葉にならない感情で頭がいっぱいになった。
しかし、僕はどこか冷静だった。
彼女の話すこと、表情を見て、揺るぎない意思を感じた。
「彼女が幸せだと思える結果にしよう。」
それが僕に出来る唯一のことだと思った。
「もう一日だけ考えてみて。」
「それでも答えが変わらないなら別れよう。」
そうして、次の日、
2013年8月26日。
彼女は23時過ぎに帰ってきた。
「昨日の話の続きをしようか。」
彼女は昨日の約束を忘れているようだった。
まるで過ぎ去ったことのように。
「答えは変わらない?」
「うん…」
「じゃぁ、別れよう…。」
そうして僕らは別れることになった。
後から分かったことだが、僕と話す前に結果は出ていたらしい。
僕の実家に彼女の父親から、
「婚約を破棄してくれ」
という電話が来ていた。
僕はすでに決まった現実を知らないまま、
独りで彼女の帰りを待っていたのだった。
2013年8月26日。
今でも忘れない。
彼女を好きになって丸3年が経った日。
彼女が僕の彼女でなくなった日。
そして、僕がうつ病になった最初の日だ。
僕は実際、医者に「うつ病です。」と診断された訳ではない。
しかし、自分自身で受け入れてしまった時、それは現実になる。
彼女との別れが、自分がうつ病であると受け入れるキッカケになってしまった。
この日から僕の人生は物凄い音を立てて、大きく変わることになる…。
つづく…
最後まで読んでいただきありがとうございます。
ここから、しばらく独りで家に引きこもり、その後一人歩き旅に出ます。
その旅での様々な経験や出逢いが、大切なことを僕に色々と教えてくれました。
つづきは、自分のペースで楽しんで書いていきたいと思います。
次のお話も読んでくれると嬉しいです。
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