社会不安障害の引きこもり、自殺未遂の私が大学を卒業し、就職して営業で仕事をしていた話。そして精神科治療の問題点について。小学校、中学校編
名門大学に入るにはそこそこの普通科の高校に行かないと難しいなと考えていました。
今になって思えば、日本社会の価値観に縛られていたと思いますが、普通に学校教育を受けていて、テレビなどの報道を見ていれば中学生ぐらいだとそういう考えになっていました。
なんとか復帰して大学進学を目指そうと決意しました。
勉強に関しては、教科書だけはもらっていたので、国語、英語、数学、社会、理科の5教科を独学で勉強していました。
両親は学校に呼ばれ校長から
「うちは公立だからって簡単に進級できると思わないで下さい、転校したらどうですか」
「学校がいやで登校しないんじゃないですか」と言われたそうです。
病気の診断書を提出しているにも関わらずそのような対応です。
今、学校がそのような対応をとれば問題になるでしょうが、1990年代です。本当に精神疾患については世間の理解がないんだな中学生ながらつくづく感じました。
■中学復帰
中学3年生になり、普通科の高校に進学するためには、内申書が必要だったので、病状は全く改善していなかったのですが、無理やり登校しました。
約1年半ぶりに登校するのは非常に勇気がいりました。緊張、吐き気もひどかったです。
復帰登校の日のことは今でも鮮明に覚えています。
同級生がいる中に登校していく勇気はなかったので、まだ登校してこないような早い時間に自分のクラスの教室に行きました。
誰もいない教室で待っていると、1年生の時のクラスメートの男子が登校してきました。
彼はとても驚いた様子で担任を呼びに行きました。
すると担任がやってきて、よくきたなと握手をしてきました。
そして自分の席を教えてもらい座っていました。
クラスメートが続々と登校してきましたが、みな驚いた様子で誰も話しかけてきませんでした。
小学校からの同級生で仲の良かった友人もです。
そして休み時間になりました。
廊下を見ると他のクラスの同級生が私のことを見に来て、コソコソと喋っているのです。
みんな冷たいなと感じました。
それと同時に私が驚いたのは、同級生の変わりようです。
中学生の頃は成長期なので、男子は声変わりをしているのです。
また身長が伸びていたり、女子も中学1年生の頃の子どもっぽさがなくなっているのです。
タイムスリップしたかのような感覚でした。
そして1日でわかったことがありました、自分が不登校の間にも同級生は学校生活を送っているので、人間関係やグループができてしまっていること。
私はどこのグループにも入れずに孤立するということ。
スクールカーストでいえば最底辺になるということが。
しかし、そこは割り切ってやっていくしかないと思いました。
とにかく内申書をもらうために卒業をする。
名門大学に入って、一流企業に就職して同級生を見返してやるんだと。
ただ勉強に関しては不安もありました。中学1年生の後半から独学で勉強していたので、
授業についていけるかということです。
その心配は、1週間でなくなりました、独学でやっていたことで授業には十分対応できることがわかったからです。
体育に関しては学校が配慮してくれ、体育の授業中は図書室や教室で自習をさせてくれました。
そんな形で復帰した中学校でしたが、引きこもっていた間、人との接点がほぼない状態だったので、対人的なことに不安をもつようになり、コミュニケーション力が格段に落ちてしまいました。
クラスでは一人で孤立して浮いた状況でした。
いじめでクラスメートから無視をされてつらいという話を良く聞きますが、
私はその気持ちがとても理解できます。
昼休みは友人もいないので図書室で本をひたすら読んでいました。
文化祭、修学旅行、合唱祭、遠足などの行事にも参加しましたが、今思い出しても辛いので詳しいことは、書ききれません。
吐き気が出たり、不安感がひどいなど体調の悪いときは欠席をしたこともありましたが、とにかくひたすら勉強を頑張って、テストでは学年トップクラスの成績をとっていました。
そして進路を決める時期になりました。
不登校で精神疾患の私は推薦入試はまず無理でした。
復帰はしたものの休みがちだった為、欠席日数でアウトです。
外部の模擬試験を受験しました。
結果は、都立高校に関しては、自分の学区のトップの高校の合格A判定、私立校に関しては難関私立高校もAやB判定、名門大学付属高校もA判定という結果でした。
母親と担任と私の三者面談が行われました。
私は模擬試験の結果も良かったのですが、家庭の経済事情も考え、私立ではなく都立の学区トップの高校に進学したいと思っていました。
志望校を担任に伝えると担任は、学区の中堅高校を進めてきました。
自分もその理由はわかりました。
現在は入試制度が変わっているのかもしれないので、
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