愛されない

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  誰も私を好きじゃない---

  誰も私を愛さない---

  私も私が大っ嫌い!!!



自分の顔もスタイルも嫌いだった。

それは小さい頃から母が、自分の顔を「めぐさい(醜いという方言)」と言い、

スタイルを「太ってる」と言い、「あんたも同じだ」と言っていたから。


私も「めぐさく、太ってる」のだ。

自分に自信がまったく持てない。

人に醜いと言われたくないけど、やっぱり醜い。

どう見られているだろう。

バカにされてるんじゃないか。


自分の姿が人の目に触れることがどんどん怖くなった。

休日は1歩も外に出ず過ごすことも少なくなかった。

日々の睡眠不足を補うべく、1日中寝ていたりした。





◆ 本当は愛されている  解放



私はおそらく生まれた時から、

もしくはそれ以前から潜在意識に「愛されない」という思いを抱えていた。

そしてあらゆる場面で「愛されない」ことを確認して生きてきたんだ。


ほら、やっぱり愛されない---と。


だからこそ真逆の「人に好かれたい、愛されたい」という強烈な欲望を抱いた。

「愛されるはずがない」という根底にある深い哀しみ。

その哀しみから、強烈な欲望でさえ叶えられないと信じた。

だから「好かれたい、愛されたい」という願いがあることすら忘れて生きることにしたのだ。


叶えられない願いなら、いっそ忘れた方がいい・・・


こうして意識的には忘れていたけれど、

私の深いところにある願いや思い(本心)は消えるわけではない。

自分の本当の望み(本心)と自分で認識できる意識が違うといろいろな問題が出てくる。


一つには身体の不調。病気や怪我がそれ。

幼い頃からたくさんの病気や怪我をしていたのはこのためだ。


もう一つは人が離れていくということ。

無意識の行動や言葉には、本当の望み(本心)が隠れているもの。

でも頭で考えて出る言葉は、理性で制御されたものであることが多い。

つまり、私の口から出る言葉と、私の実際の行動が違う。

それは周囲の人から見れば、「言ってることとやってることが違うじゃん」ということになり、

不快な思いを与えてしまっていただろう。


愛されないと思っているからこそ愛されたいという欲求が深くなる。

無意識で愛されていることを確認するような行動をとってしまう。

何かをしてもらっても感謝もなく、むしろ当然という不遜な態度をとっていたに違いない。

これでは同世代から総スカンを受けて当然だ。

上司からの信頼も得られるものではない。


小学生の頃学校で、愛された(私のほうを見て欲し)くて嘘をついた。

お化けを見たと。

注目を浴びたのは一瞬。その後すぐに無視されるようになった。

自分の話を聞いて欲しいという気持ちに気付いていないから、

友達を嘘をついて傷つけるということをしでかしてしまった。



40年間、ずっと人とうまく付き合えないと感じていた。

自分に原因があるのに人が自分を理解できないのだと、傲慢に思っていた。




私は本当に「愛されない」存在なのか。



確かにこのままの自分では「愛されない」だろう。

というか、「愛されない」自分を自分で作っていた。


「愛されない」。ほらね、「愛されてない。」


その思いは私が産まれてからずっと自分で思い込み、自分で勝手に確認し、強めてきた意識。

でも、誰かに「あなたは誰にも愛されていない」と言われたわけじゃない。

むしろ「好き」と表現してくれた人のことをも、「そんなわけない」と勝手に拒否したりしていた。



私は本当は「愛される」存在だということはないだろうか。



周りの人とうまくいかないことをなんとかして、私も幸せになりたい。

何か方法はないんだろうか。


私はいろんな本を読んだり、カウンセリングのようなものを受けてみたり、

セミナーに参加したり、自分なりに学んでみたりした。

それでもすぐにどうにかできたわけでもなく、何か決定的な解決策が見つかるわけでもなかった。

いろんなことを試しても、まったく変わらない時期が長かった。

なんでだろう?と思い始めてからはすでに20年以上。

探し始めてから7年が経っていた。



きっかけは自分のパートナーが亡くなるという出来事を経験したことだった。

「生きる」ということを真剣に考える決定的な衝撃だった。


私はなんとなく生きていた。

生きているのが当たり前のように思っていたし、

「死」というのは年を重ねていった先に来るものだとなんとなく思っていた。


友人が亡くなったり、職場の人が亡くなったりすることも経験していたけれど、

普通におばあちゃんになったら私にも「死」というものがやってくるんだと思っていた。


でも、ある日突然、その「死」は私が人生を共にしようと決めたパートナーが亡くなるという形で、

私の目の前にやってきた。

ずっと、

「そんなわけない。いなくなるはずがない。私一人じゃどうしたらいいのかわからない。」

そんな風に思っていたけれど「死」は確実にやってきて、

私の目の前からパートナーは消えていった。


パートナーの口癖。

「お前の人生の本質はなんだ?」

「お前は自分の人生を考えてない」

「明日死ぬかも知れないんだぜ」


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