波乱万丈らしい私の人生 第六回

著者: Sawamoto Kyoko

なんで私が…

上の子の入学式の日、すぐにPTAの委員決めがあった。

保育園で他のお母さん達から、「PTA委員は1年の時になった方が楽」と聞かされてた。そういえば、産婦人科の看護士さんも言ってたなぁ。「委員には3年と6年でなるのは止めたほうがいい」と。

てなわけで、私は広報委員に立候補した。それだと、運動会などの行事で、グラウンドの中に入って写真が撮れるっていう特典がついていたから。

委員の仕事は結構あって、撮影と記事作り、レイアウトなども自分達でする。それを3号ださないといけない。時間の制限に加えて、個人情報保護法のせいで写真NGの子達がいるので、選んだ写真を先生達にチェックしてもらうっていう面倒くさい仕事もあった。それは委員長、副委員長の仕事だったけど、一々、写真を印刷して、気って貼って、先生に提出する資料を作らないといけなかった。

委員になると、他の手伝いも発生してきた。バザーでブースを出さないといけないってことで、それのお手伝いをすることになっていた。でも、広報はバザーの様子も撮影したり、取材をしないといけなかった。私は、取材担当になったから、手伝い自体はしなかったんだけど、土日2日間がつぶれた。なんやかやと取材もしたし、あっちこっちで写真も撮った。一応、全部のコーナーの写真が必要だったから、本当に全部回った。

でもね、広報の本当の苦労はそこじゃなかった。印刷の関係で、当然、締め切りがある。その締め切りが、運動会のすぐ後だったり、バザーのすぐ後だったり。最終号は1月末には仕上げないといけないくらい大変だった。バザーが終わって、冬休みがあってだから、ほとんど1ヶ月で作らないといけない計算。本当にばたばた。

それで、出来上がったのはいいんだけど、印刷屋さんが持ってきた見本が、私達がイメージしていたのとは違ってたので、修正をあれこれとお願いした。でも時間がないので、それが最初で最後の修正となった。他の号は2回修正できたからましだったんだけどなぁ。そして、修正版が出来上がった。やっぱり違う。でも、それ以上はどうにも出来なくて、諦めた。

こんな風にばたばたした一年が終わって、やれやれって感じだったんだけど、問題はここから。


その学校のPTAが特殊なのか、一般的なのかは分からないんだけど、次年度の委員の選出を、今年度の委員達でしなければいけなかったんだよねー。学級委員の仕事らしいんだけど、精神的負担が余りにも大きいってことで、全委員でやることになったんだって。どういう意味だろう?と思って、選出会議に参加したら、ようやく言ってる意味が分かった。

事前にPTA執行部が全保護者に向けて出されたアンケートがあった。(確かに書いた覚えがあった) 委員の仕事は、①そのアンケート用紙の「まだ委員をしてていない」って項目に、チェックが入っている人を見つけ出す。 ②抽出した人の所に電話をかけ、次年度の委員をしてもらえるかを尋ねる。 ③もし拒否されたら、次の人の所に電話をかける。 この繰り返しをして、各学年、全委員が決まるまで、この作業が続くのだ!!!!

どんな勧誘の電話よりもおそろしい…。かかってくる方よりも、かける方がね。 それで、断られ続けて、電話恐怖症になる人もいるっていうのは、笑えない真実だね。

恐ろしいのはそれだけじゃなかった。そのアンケートにはトリックがあって、委員をしたことがある人にも、次にやるとしたら、どの委員がいいかを質問している箇所があったんだよ。まだ委員をしていない人の中で、決まらない場合、その人達に電話が行くことになる。非常に恐ろしい罠…。

そして、私はその罠にまんまとかかってしまった…。

私一人だけ、広報にチェックが入っていたのであった!!! 電話をかけるも何も、その場で「やって」って言われて、決まってしまった。何のことはない。2年連続、委員なのだ。

あな恐ろしき PTA

しかし、災難はこれだけでは終わらなかったのである…。

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