【第16話】『最後の挑戦へ』〜死に場所を探して11日間歩き続けたら、どんなものよりも大切な宝物を見付けた話〜
この時も距離と角度を変えながら、写真を撮っていた。
すると…
一台の車が停まった。
窓が開き、サングラスを掛けたイケメンの兄ちゃんが、
「どこまで行くの?」
と声を掛けてきた。
写真のポーズが、ヒッチハイクしているものだと思ったらしい。
「すみません!写真撮ってただけです。」
そう言うと、
「そうなんだ…」
「頑張って…」
と何とも哀しそうに、去って行った。
「申し訳ないことをしたな…」
と思ったが、
わざわざ車を停めて、乗せようとしてくれたことがめちゃめちゃ嬉しかった。
僕には、「歩いていく」という確固たる決意があったから、乗れなかったけど、
また誰かが手を上げてたら停まってあげて欲しいと思った。
「やっぱり手を差し伸べてくれる人はいる」
僕は確かにそう思った。
今日も良い日だ!
最高の景色
しばらく歩くと、景色は森の中になる。
マイナスイオンたっぷり感満載の道に入った。
湖の上で人々がボートを漕いでいる。
何とも楽しそうな光景だった。
僕は、歩いていた道路から、
小さな階段を下り、湖の周りを歩くことにした。
紅葉を始めた山々、
太陽の光に照らされる湖、
心地良い風、
何とも贅沢な景色だった。
自然と気持ちも高鳴った。
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