アメリカから来た少年

著者: 鯛下 文太

たった3ヶ月だったけど・・・


小学4年のころにアメリカから日本にホームステイに来た少年がウチのクラスで授業を受けることになった。

その少年は、でかいリュックサックにサムライと書いた忍者の絵のプリントのTシャツを着て、日本語がまったくできない。

先生に紹介された、その日の休み時間にクラスのみんながその少年の周りに集まって色々話かけていた。みんな興味津々だったが俺はその輪に入らず少年をただ見ていた。

その少年Pくんは大きなリュックからアメリカのカードをたくさん出してみんなに配ってた。

みんな「すげー!すげー!」と興奮して大人気だった。

しかし、その人気が一瞬にして氷つくような事件にかわる


いきなりドカーンドカーンと音がしたので、その方を向くとPくんが英語で叫びながら倒れているYくんに何発も蹴りを入れていた。

おれは今だにYくんがなぜ蹴りをくらっていたのかは、わからないけど

Pくんの人気は一瞬にしてくずれさった。


おれはPくんのホームステイしてる家と近所だったため、その日から一緒に登下校することになり

放課後も家で一緒にファミコンやったりして仲良くなった。

そのせいか俺にはアメリカのカードを3枚もくれた。


しかし、このPくんは大変な悪ガキで学校に行く途中に畑になっている桃をちぎって

よくほえる工場の番犬にぶつけたり近所の家のひまわりを引っこ抜いて投げ捨てたり

やりたい放題だった。









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