『ペ●スノート』:Page 9「怒気」
剣には、虹空の言っている意味が解らなかった。理解できなかった。……いや、もしかしたら、理解することを拒んだのだろう。すなわち、剣は、理解という概念そのものを拒絶したのだ。
「これがホントの、"た・んこぶ料理"……なんチテ☆」
虹空のよくわからない発言は無視することにし、剣は辺りを見渡した。死神は、あからさまに泣く寸前の顔だった。……ヌークは、先程の暗い表情に加えて、複雑な心境も交えたような感じだった。……アイツらがパーティー開始から暗い表情してたのは、きっとそのことを知っていたからなンだろう。
「へえ、妹さんの死体でつくったのか。……でもコレ、うまかったから別にヨクね?☆」
死神とヌークを除いたヤツらは、皆笑っていた。楽しげに。嬉しそうに。
僕は彼らを許すことができなくなってしまった。
いや、"許すことができない"のではない。"許したくない"のだ。
喩え、彼らが死んだとしても……
剣はすぐさま部屋に戻り、ペ●スノートを手にした。
電源を入れて、録音ボタンを押す。そして残すコトはあと1つ、
「三輪 信祐(みのわ のぶひろ)!神谷 千沛(かみや せんぱい)!ミツキーマウス!神奈川 素麺(かながわ そうめん)!オーモリ・ネイチャン・ラーメン!ジロー・マシマシ・ラーメン!!!!!!」
そう、ペ●スノートに名前を吹き込むだけ。これで決まり。
この時もまたシャウト気味に言ったので、剣の様子が気になって仕方なかった野次馬ドモぉンたちが、揃いに揃って剣の部屋に入ってきた。
「ど、どうしたんだよナイト。な、何か気に障ることでもしちゃったか????」
気に障るようなことだらけだったから今こうなっているんだ。だがもう、そンなことはもうどうでもいいんだ。
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